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 兵庫・尼崎市の民家から3人の遺体が相次いで見つかった事件で、18日午後、1人の遺体の身元は、事件のカギを握るとみられている角田美代子被告(64)の遠い親戚である香川・高松市の谷本隆さん(68)と判明した。角田被告は一時期、谷本さんの家に乗り込み、家族らを暴力などで支配していたという。

 別の窃盗事件で逮捕・起訴されている、角田被告の息子の妻である瑠衣被告(27)はかつて高松市に住んでいたとみられ、姉・谷本茉莉子さん(29)や伯父・谷本さんも住んでいた。角田被告は約10年前、瑠衣被告の家に押し掛けてきたという。角田被告が高松市に来た目的は、角田被告の戸籍上のいとこを更生させるためで、居座った角田被告らは家族への支配を強めていったという。

 近所の男性は「(家にいた親族が)顔から血をだらだら出して歩いているところを見た。(Q転んだとか)そんなのと違う。だらだら何筋も血が流れていた」と話している。また、瑠衣被告の親族の男性によると、家族同士で殴り合いなどをさせるよう仕向けたということで、「(親族の)できが悪いところを言って、みんなで殴れって言われた。僕は殴られなかった」と話している。

 また、瑠衣被告が家族に暴力を振るう場面を目撃した別の親族は「(瑠衣被告が)『お父さんごめんね』と泣いて殴った。(母親は)衰弱していった。食べるものも食べずに」と話す。

 角田被告らは親族に借金をさせてまで金銭を要求しており、親族は「お金を段取りしてくれと言って、息子が300万円、私が600万円。1800万円くらい(用意)できると。(角田被告側に)それでいいですかと。何とかしないと殺されるとか言われた。だからビックリした、こちらは。そんなことになるなら、そのお金、何とかしないといけないとなった」と語っている。その後、瑠衣被告の一家は離散に追い込まれ、茉莉子さんと谷本さんも行方不明になった。

 角田被告のこうした手口は、去年11月、コンクリート詰めにされた大江和子さん(当時66)が遺体で見つかった事件でも見られた。この事件では、角田被告をはじめ大江さんの長女と二女、二女の元夫・川村博之被告らが逮捕・起訴されている。角田被告は09年、「電車のドアにベビーカーが挟まった」というクレームをつけに鉄道会社へ向かった。この時、応対したのが川村被告で、その後、角田被告の助言で会社を辞めるなど言われるままだったという。裁判で川村被告は「角田被告へは常に恐怖心があった。逆らうことはできなかった」と話している。

 角田被告は大江さん一家に、川村被告のアパートに移り住むよう指示した。「二女の態度が気に食わないから食事を与えるな」「長女を外に立たせておけ」などと、主従関係は大江さんの長女と二女にも及んだ。また、大江さんには水を飲む量やトイレの回数を制限し、太ももに足蹴りをするなどしていた。

 こうした中、角田被告の妹の夫である橋本久芳さんが05年、沖縄旅行中に崖から転落して死亡した後、多額の保険金が支払われていたことがわかった。保険金は妹に支払われ、角田被告にも流れたとみられている。橋本さんの母親と弟は行方不明となっていて、角田被告の関係者は「殺害され、岡山県と香川県に遺棄された」と話している。

 角田被告の周辺では、親族ら8人が行方不明になっている。(10/18 20:06)


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