敦賀湾の景勝地・水島の侵食対策について話し合う福井県の第6回検討委員会が5日、敦賀市役所で開かれた。水島中央部にある「第3突堤」西側の砂浜が、今年3、4月の低気圧に伴う高波で消失したことが報告され、高波の影響を緩和するため突堤をかさ上げすることなどを決めた。
第3突堤は、長さ約200メートル、海面からの高さ約50センチの石積みで、西側には船着き場から海水浴客が歩きやすいように砂を入れる養浜が行われていた。
今年3月12日と4月3〜5日には水島付近で、低気圧の通過に伴い暴風と5メートル以上の高波が発生した。特に4月の高波は高さ最大6・3メートルで、波の力は50年に1度の確率で起こるとされる強さだった。敦賀湾側から押し寄せた波が突堤を乗り越え、西側の浦底区方面に砂を押し流したため、砂浜が消失した。
検討委の会合では、高波の影響を少なくするため、突堤を70センチかさ上げし1・2メートルにすることが提案され、了承された。今年10月から施工するが、予算の関係上、かさ上げ部分は長さは25メートルにとどまる。委員からは「異常気象で起こったことだが、かさ上げはやむを得ない」などの意見が出された。
また水島西端の「第4突堤」について、2011年度に1〜1・6メートルにかさ上げした長さ34メートル部分で、高波でも砂の流出が少なく効果が見られたとして、本年度はさらに長さ64メートルで1・2メートルにかさ上げする。また浦底区側で南東から北西への砂の移動を抑えるために、昨年度整備した磯場については、周囲に砂が滞留する効果が確認できたとして、13年度以降に増設することも確認した。
会合には土木研究センター常務理事の宇多高明委員長ら7人が出席。宇多委員長は「対策工事は様子を見ながら少しずつ進めるべき。工事にあたっては人工的に見えないよう配慮を」と求めていた。