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震災がれき 太平洋で長期漂流か
10月19日 16時48分

震災がれき 太平洋で長期漂流か
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東日本大震災による津波で海に流出したがれきの一部とみられるものが、1年7か月たった現在も太平洋の西側の海域に漂流し続けていることが鹿児島大学の研究チームの調査で分かりました。
研究チームでは「海洋の自然環境にも大きな影響を与えることになり、今後も調査を続けたい」としています。

調査をしたのは、鹿児島大学の藤枝繁教授の研究チームで、津波で太平洋に流れ出したがれきの実態を調べるために、ことし8月から先月にかけて日本とハワイの間を練習船で航行し、目視で調査を行いました。
その結果、発泡スチロールやプラスチック、それに漁業用のブイや木材など900余りの漂流物が確認され、捕獲したマグロの胃からもこうした漂流物が見つかりました。
すべてが震災のがれきとは言えないものの、被災地で使われていた漁具なども含まれているということです。
太平洋に流出したがれきは、一部が北アメリカの沿岸に漂着していますが、環境省のシミュレーションでは、一定量が海上を漂流し続ける可能性があるとされています。藤枝教授は「がれきは海外の沿岸に漂着するという問題もあるが、漂流し続けると魚や鳥類が食べるなど海洋の自然環境にも大きな影響を与えることになり、今後も調査を続けたい」と話しています。この調査結果は、20日、長崎県対馬市で開かれる「漂着物学会」で発表されます。

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