「悪夢ちゃん」第1話

日本テレビの新土曜ドラマ「悪夢ちゃん」の第1話を見ました。

最初にタイトルを聞いたときには、水木しげるさんの「悪魔くん」みたいだなと思ったのですが、眠っている時に見るほうの「夢」や「予知夢」を扱う作品と聞いて、面白そうだなと思い、見るのを楽しみにしていました。

ドラマの原案は、私は未読なのですが、恩田陸さんの小説『夢違』です。

悪夢ちゃんというのは、本心では決して他人に心を開かず、表面的な笑顔で愛想を振りまき、明るくて理想的な先生を演じることに神経を使っている武戸井彩未(北川景子さん)が担任として受け持つ明恵小学校の5年2組に転校して来た、元不登校児の古藤結衣子(木村真那月さん)のことでした。予知夢の悪夢を頻繁に見ては怯えている古藤さんに振り回されていた彩未さんが、勝手に「悪夢ちゃん」と名付けて呼んでいました。

古藤さんには、他人の無意識とつながってしまうという能力があり、そのため、その人の無意識の中に潜む悪い欲望がその人に悪夢として現れるのを共有して見てしまうということのようでした。

しかも、その能力は古藤さん自身には操ることの出来ないもので、突然、誰かの意識とつながって、悪夢を見てしまうようでした。悪夢の内容を思い出している時、古藤さんの眼球は素早く揺れていたのですが、それは、レム睡眠時に夢を見ている時の急速眼球運動と同じものだということでした。ブラックジャックのような感じの古藤さんの白髪交じりの髪は、生まれつきのものだそうです。

古藤さんは、甲さんの家のおばあさんが焼死するという悪夢の内容を、会ったばかりの担任の彩未さんに伝え、助けてほしいと頼まれた彩未さんは、半信半疑ながらも登校途中に目が合った甲さんのおじいさん(上田耕一さん)におばあさんの様子を尋ねたのですが、おばあさんは元気だと言われたため、そのまま何もせずに別れていました。

でも、その後、甲さんのおじいさんが寝たきりのおばあさんに火をつけて心中したという情報が入り、彩未さんは、古藤さんの予知夢が当たっていたかもしれないことに驚いていました。

彩未さんは、自分で見る夢は自分の中で生じ、自分の中で終わるものだと児童たちに説明していたのですが、古藤さんは、夢は外からやって来ると、怯えていました。空の上に現れた黒い雲が古藤さんに近付いていました。

翌朝、古藤さんは欠席していて、しっかりした校長先生の甘澤龍子(キムラ緑子さん)と教頭の中込真也(阿南健治さん)は様子を見に行くように担任に言い、彩未さんは古藤さんに家に向かったのですが、ベルを鳴らして玄関に出てきたのは、彩未さんの夢に毎回登場する彩未さんの理想の“夢王子”(GACKTさん)とそっくりの志岐貴さんという助教授でした。

引越しの手伝いに来ていた志岐さんは、古藤結衣子さんの祖父で認知神経学教授の古藤万之介(小日向文世さん)の下で長い間一緒に研究しているようなのですが、結衣子さんの夢を映像化することに成功した研究については古藤教授から詳しい説明をしてもらえないでいるらしく、そのことを不満に思っているようでした。 

古藤教授は、彩未さんに古藤さんの悪夢について説明するため、彩未さんを古藤さんと一緒に車に乗せ、帝都工科大学人間科学研究所の夢研究分室というところへ連れて行っていました。

研究室内は近未来風で、そこには古藤教授が孫のために開発した世界に一台しかないというバク型の機械がありました。その機械に「夢札」という夢を記録した透明な板を認識させると、スクリーンに古藤さんの見た悪夢がはっきりと映し出されていました。

彩未さんは、夢王子と遊ぶ夢の中で、「ゆめのけ」と彩未さんが呼ぶ犬のような白い獣とも会っていたのですが、それは、古藤さんの夢にも登場するもので、古藤さんはそれを友達だと思っていたようなのですが、その「ゆめのけ」が、古藤さんに彩未さんのことを味方だと話したので、古藤さんは部屋のドアを開け、彩未さんを招き入れたようでした。

古藤教授によると、彩未さんは、孫の結衣子さんの夢の中に救世主として登場した人なのだそうです。

彩未さんは、養護教諭(保健室の先生)の平島琴葉(優香さん)から、美人で優しそうにしているけれど本当は心のない冷酷非道な人物ではないかとその二面性を疑われていたのですが、さらに、私たちの先生は本心から笑ったことがない、心のない異常者だ、サイコパスだと、彩未さんのことが誰かのブログにも名指しで書かれていて、一体誰が書いたのか、5年2組の中にいるのかと心配していました。

古藤さんの夢札には、窓際の一番後ろの席になった古藤さんの、右隣の席の笑顔の相沢美羽(木村葉月さん)が、嘘と本当は誰が決めるのですか、生きるために必要なのは嘘ですか本当ですか、先生に必要なのは嘘ですか本当ですか、と椅子から立ち上がって彩未先生に追求していると、赤い玉が窓ガラスを割って飛び込んできて赤いワニになるという映像がありました。ワニに驚いた児童たちが逃げ出した後、相沢さんに怒った彩未さんがガラスの破片を掴んで相沢さんを刺し殺していて、その直後に、彩未さんは赤いワニに頭を食べられ、首から上がなくなっていました。

彩未さんは、相沢さんに会いに行き、先生のことをサイコパスと書くブログのことを尋ねていたのですが、その翌日、相沢さんは欠席し、校長室へ来た相沢さんの母親(相田翔子さん)から、彩未さんは、あなたは娘を犯人だと疑って娘の心を殺したのだと言われていました。この人をクビにしてくださいと校長先生に言って出て行った相沢さんの母親は、赤いクロコダイルのバッグを持っていたので、彩未さんは、古藤さんの夢札の内容はこのことだったのだと解釈して、夢の内容は間違っていたと古藤さんに文句を言っていました。

悪夢を見るたびに、古藤さんは「キャー!」と叫び、祖父がこれは夢だから大丈夫だよと落ち着かせていて、その様子を見ていた彩未さんは、自分の夢なのだからいちいち驚くなと呆れて言っていたのですが、その彩未さんに古藤教授は、だいぶリラックスしてきましたねと言っていました。

彩未さんが再び研究所に呼び出されて見た悪夢の映像は、滑走路を歩いていた相沢さんとその母親が突然上半身が鷲で下半身が馬の「ヒッポグリフ」に襲われて母親が空に連れ去られ、少しして、その左の翼が爆発し、焼け焦げた母親が空から落ちてくるというものでした。

映像を見た彩未さんは、ルネッサンス期の叙事詩の『狂えるオルランド』に登場した空飛ぶ馬の「ヒッポグリフ」は、「ありえないもの」の象徴だと説明していました。

彩未さんの代わりに平島先生と相沢さんの家に行った古藤さんは、相沢さんに親のことを訊かれ、お母さんは自分が生まれた直後に亡くなった、お父さんにも会ったことがないと答えていました。

相沢さんから聞いた家庭の問題を、保健室の平島先生は少し得意そうな感じで彩未さんに教えていたのですが、それによると、相沢さんの父親が若い女性と浮気をしていることを知った母親が、自分も若い男性と浮気をして、明日その男性と旅行へ行くということでした。そのことに悩んでいた相沢さんの悪夢が、悪夢ちゃんに伝わって来ていたようでした。

空港で待ち合わせていると聞いた彩未さんは、悪夢の映像を思い出し、古藤さんと二人で空港へ向かい、ターミナルの手続きをするところに並んでいた相沢さんの母親に会いに行こうとしたのですが、そこには相沢さんが来ていて、私を置いて行かないでと、コンパスの針を母親に向けて走り出しました。

彩未さんには、母親に施設に置いて行かれたという過去があるようで、そのことを白黒の映像で思い出した彩未さんは、咄嗟に相沢さんの母親と相沢さんの間に入り、コンパスの針を受けて相沢さんを止めていました。施設にいる時私も笑顔を絶やさなかった、あなたは私に似ていると話した彩未さんは、やっと自分を出せたのだから後悔するなよと相沢さんに言い、コンパスの針をお腹の辺りに刺したまま、母親から搭乗チケットをもらうと、それをスタッフに見せながら、この飛行機を飛ばすな、事故に遭うぞ、よく点検しろと繰り返していました。事故に遭うぞ、と言いながら、今度は何か女性が駅のホームから突き飛ばされそうになっている映像を思い出し、その場に卒倒していました。

医務室かどこかのベッドの上で目を覚ました彩未さんは、飛行機事故を未然に防いだ先生として、マスコミに囲まれていました。航空会社が調べたところ、左翼に亀裂が見つかったということでした。

彩未さんは、腹巻を巻いたまま空港へ来ていたようで、そこに針が刺さったために浅い傷で済んだようでした。

待っていた相沢さんは、彩未先生のことが書かれたブログを読んではいたけれど、私が書いたものではないと言っていて、彩未さんは、予知夢は当たらなかったと、古藤さんに怒っていました。古藤教授と悪夢ちゃんは、夢判断は正しかった、あれは先生が相沢さんを疑うという意味だったのだと、結果論で楽しそうに話していました。

最後、苛立ちながら古藤家を出た彩未さんが、夢王子にそっくりの志岐さんに誘われてバーへ行って酔い潰れていたのですが、志岐さんは、彩未さんには古藤教授の孫と同じような能力があるのかもしれないと考えたようで、バーテンダーの大学院生の山里峰樹(和田正人さん)に協力してもらって彩未さんを研究室へ運び、眠っている彩未さんをバク型の機械にかけていました。

脚本は大森寿美男さん、演出は佐久間紀佳さんでした。

第1話は、とても面白かったです。主な登場人物もそれほど多くなさそうでしたし、個性がはっきりと分かりやすく描かれていて、良かったです。

「悪夢ちゃん」の古藤さんの夢の場面は、少し怖い要素もあると思いますが、悪夢は怖いものなので、怖い感じの描写で良いのだろうと思います。

今回は、古藤さんが悪夢として予知夢を見ることの説明の意味もあるのだろうと思うのですが、現実になった悪夢と、未然に防ぐことができた悪夢の、両方が描かれていました。変えることができない未来と、変えることのできる未来と、実際にも慮お右方あるのかもしれないので、次回以降も両方が描かれているといいなと思いました。

彩未さんは、音楽を聴きながら眠り、それで“夢王子”に会ったり、お菓子の家のお菓子を食べたりしていたのですが、自分の見たい夢を見たり、夢の中で「これは夢だ」と気付いたり、夢の内容をコントロールしたりするなどができる人のようで、すごいなと思いました。

私は、憶えていないだけということも、もしかしたらあるかもしれませんが、おそらく、そのようなことができたことは一度もありません。夢は夢のままです。夢を見ていても夢だとは全く気付かないので、その間は、夢は現実と同じです。目を覚ました時に、今のは夢だったのかと気付きます。あまり多くのことは憶えていません。また、白黒の夢というものがあると聞いたことがあるのですが、これも私は今のところ見たことがないと思います。予知夢も、正夢も、見たことがありません。

書店へ行くと“夢占い”の本がいくつか棚に並んでいて、私も気になって読んでみたことがあるのですが、本によって夢判断というか、夢に登場した物や事柄の意味の解釈の内容が少しずつ異なっていたように思います。

「悪夢ちゃん」は、「SF学園ファンタジー」だそうです。私には、ドラマの世界観を面白く思えました。シリアスな要素もあるのだと思いますが、昨年の土曜ドラマの「妖怪人間ベム」ほどシリアスではなく、どちらかというとコメディの要素のほうが多いのかもしれないのですが、同じ北川景子さん主演の作品としては、例えばフジテレビの「謎解きはディナーのあとで」よりは、テレビ朝日の金曜ナイトドラマだった「モップガール」(私はこのドラマを好きで見ていました)のようになるといいなと思いました。

どのような物語になるのかはまだよく分かりませんでしたが、次回も楽しみにしたいと思います。
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