鳥栖戦でセンターFWとしての出場が予想されるグランパスの闘莉王=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのDF田中マルクス闘莉王(31)が19日、J129節の鳥栖戦(20日・佐賀)でFWとして起用されることが濃厚になった。試合前日の練習でスリートップの中央に入った。Jリーグでは8試合ぶり4度目の緊急布陣はチームが置かれた苦しい状況を象徴している。現状打破のためにも、闘莉王にゴールの期待がかかる。
苦しいときの闘莉王頼みだ。腰痛のケネディの不在に加え、故障明けの玉田も鳥栖戦ではベンチスタートの見通し。駒不足となった前線にストイコビッチ監督が起用するのは、やはり背番号「4」をおいて他にはいなさそうだ。「メンバーに問題がある。闘莉王のトップは一つのオプションだ」とピクシーは語った。
闘莉王は練習でFWに入ると、居残りでシュート練習にも熱を入れた。「今年はずっとこんな感じ。トップでも何でもオレはやるよ」。FWとして出る以上は、ベストを尽くす。
サッカーセンスはFWとしての経験の少なさを補ってあまりある。今季はナビスコカップを含めてFWとして5試合に先発出場し、8月4日の神戸戦で4得点するなど計6ゴールを奪取している。
MF小川が「トゥーさんが前に入るとボールが収まる」と語るように、くさび役としても適任。ケネディの代役以上の働きが期待できる。
問題は闘莉王抜きのディフェンスが極端に弱体化してしまうこと。闘莉王は「後ろがしっかりしてほしい」とDF陣の奮起を促す。最前線に至るまでのボール運びにも課題がありそうだが、「中盤がつなげるかどうかだけど、いざとなったら(ロングボールを)けってくれればいい」。独力でもチャンスをつくってみせると豪語した。
アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内の3位・浦和とは勝ち点6差。負けられない鳥栖戦の命運を、FW闘莉王が握っている。 (木村尚公)
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