ソフバンク社長:米国での他の買収案件を否定せず
10月19日(ブルームバーグ):ソフトバンク の孫正義社長はスプリント・ネクステルへの200億ドル(約1兆5900億円)の買収を足掛かりにして米国での投資機会を見いだそうとしていると述べ、米メトロPCSコミュニケーションズ買収など他の案件を否定しなかった。
孫社長は18日にブルームバーグのニューヨーク本社で、スプリント のダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)と共にインタビューに応じ、「あらゆる可能性を排除しない」と語った。両首脳はその上で、両社はソフトバンクによるスプリント株70%の取得を完了することに当面専念すると述べた。
孫社長はまた、米国以外の諸国での投資案件を検討したものの、スプリントが最善の選択肢だったと述べ、米国の携帯電話業界で優位に立つベライゾン・ワイヤレスやAT&Tに対抗できる力のある企業だからだと説明。同社長は売上高でベライゾンやチャイナ・モバイル (中国移動)を抜き世界最大の携帯電話会社になることを目標としている。
ソフトバンクはスプリントとの合意に基づき、80億ドルを出資する。米携帯電話3位のスプリントは業界再編に関与する考えを示しながらも、財務基盤の弱さからこれまで成長の機会を見送らざるを得ない状況にあった。
ヘッセCEOはインタビューで、「当社はかつてない柔軟性を持つことになったため、もはや投資機会をあきらめる必要はない」と述べ、「われわれは傍観者ではない。今回の取引を理由に別のことを思いとどまることはない」と語った。
ドイツ最大の電話会社ドイツテレコムは今月、TモバイルUSA部門とメトロPCSとの統合計画を発表した。これが実現すればスプリントを上回るライバルが出現することになるため、ヘッセCEOが対抗して買収提案する可能性があるとの憶測が浮上している。
原題:Softbank’s Son Sees U.S. Duopoly Shakeup After SprintPurchase(抜粋)
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更新日時: 2012/10/19 11:46 JST