ソフトバンクと華為との関係、スプリント買収審査で問題にも
10月18日(ブルームバーグ):ソフトバンク による中国企業からの通信ネットワーク機器購入が米議員に安全保障上の脅威と見なされ、同社の米スプリント・ネクステル 買収を米規制当局が審査する過程で問題点として浮上する可能性がある。
米国土安全保障省の元高官、スチュアート・ベーカー氏は、ソフトバンクと中国の2大通信機器メーカーである華為技術とZTE(中興通訊)とのつながりが、201億ドル(約1兆6000億円)で株式70%を取得するソフトバンクのスプリント買収計画を消滅させることは恐らくないだろうとみる一方、米当局は買収審査の際にこの関係を取り上げる可能性があると指摘した。
米下院情報特別委員会は8日公表した報告書で、中国政府が米通信ネットワークに悪意のあるハードウエアやソフトウエアを組み入れようとする恐れがあると指摘し、米企業に華為技術とZTEとの取引を避けるよう促した。
米法律事務所ステップトー・アンド・ジョンソンでパートナーを務めるベーカー氏は「華為技術とZTEをめぐる騒動は、控え目に見ても米国のインフラに両社の機器がどの程度導入されるかが問題になるであろうことを意味する」と述べた上で、「スプリント買収計画は恐らく承認されるだろうが、非常に詳細な国家安全保障上の合意を伴うものとなろう」と語った。
ブルームバーグが集計したデータによると、ソフトバンクの設備投資の約10%が、華為技術とZTEの機器購入に充てられている。
ソフトバンクの孫正義社長は18日のインタビューで、「米政府がこの点に神経をとがらせていることを認識している。安全保障を理解している」とした上で、「米政府がするなと決めれば、それに従う」と述べた。
孫社長はまた、「華為技術とZTEの機器を使用しているのはグループ子会社の1社だけであり、決して主要な投資ではない」と説明した。
原題:Huawei May Be Issue in U.S. Review of Softbank-Sprint Deal(1)(抜粋)
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更新日時: 2012/10/19 11:35 JST