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貞観地震 M8.7前後かそれ以上の規模10月14日 18時58分
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今から1100年余り前、東北地方に被害をもたらした「貞観地震」について、独立行政法人の産業技術総合研究所などが新たな手法で分析した結果、地震の規模はマグニチュード8.7前後かそれ以上と、これまで考えられてきた規模を大きく上回る可能性があることが分かりました。
今から1100年余り前に起きた「貞観地震」の規模について、政府の地震調査委員会は、砂などの津波の堆積物が見つかった地点まで津波が押し寄せたと仮定して、マグニチュード8.3から8.4程度と推定しています。
つくば市にある独立行政法人の産業技術総合研究所などで作る研究グループは、去年3月の大津波で浸水した範囲が津波の堆積物が見つかった地点よりさらに内陸まで広がっていることに注目しました。
このうち仙台市若林区では、海岸線から3キロ付近で津波の堆積物が見つかりましたが、実際にはその1.8倍の6キロ近くまで津波が到達していました。
研究グループがこうした調査をもとに「貞観地震」の規模を新たに分析した結果、マグニチュード8.7前後かそれ以上になるという結果がまとまりました。
マグニチュード8.7の地震のエネルギーは8.3の4倍になります。
この手法を使えば、南海トラフ付近など過去の大津波の堆積物が見つかっているほかの地域でもこれまで考えられてきた地震の規模の見直しにつながる可能性があります。
研究グループの行谷佑一研究員は、「将来起こる地震を考える上で、過去の地震の規模を正しく推定することが重要だ。今後、こうした手法がほかの地域の津波の規模の見直しに応用できるかについて研究を進めたい」と話しています。
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