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5万年前まで年代測定の新手法
10月19日 4時43分

5万年前まで年代測定の新手法
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古い物質の年代を調べるのに用いられる放射性炭素を使った測定法は、これまで、1万2000年余り前のものまでしか、正確に測ることができませんでしたが、日本人の研究者などでつくるグループが、およそ5万年前まで測れる新たな手法を開発し、国際的な注目を浴びています。

古い物質の年代の測定は、物質に含まれる放射性炭素の量を、その時代の樹木などに含まれる炭素のデータと比較することで行われていますが、およそ1万2500年前までしか正確に測ることはできませんでした。
こうしたなか、日本やヨーロッパの合わせて10近くの大学などの研究者で作るグループは、日本の福井県にある湖の底の地層に含まれる樹木の葉の化石などの放射性炭素の量を利用することで、およそ5万3000年前まで正確に測ることが可能になったということです。
この新たな手法は、放射性炭素を用いた年代測定の国際基準にも盛り込まれることが決まり、19日に発行されるアメリカの科学誌「サイエンス」に掲載されることになっています。
研究チームのリーダーで、イギリスのニューカッスル大学の中川毅教授は「考古学や気候変動の研究など、あらゆる分野での年代の信頼度が飛躍的に向上することになるだろう」と話しています。

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