スカイツリー 世界一高い雷観測装置10月17日 17時15分
東京スカイツリーの高さ497メートルの地点に雷を観測する装置が設置され、17日、初めて公開されました。
構造物にある雷の観測地点としては世界一高く、研究に当たっている東京大学などは、世界一の高さを生かしてまだ謎が多い雷のメカニズムを解明したいとしています。
落雷観測装置は、東京スカイツリーの地上497メートル地点に設けられ、構造物にある雷の観測地点としては世界一の高さです。
長さ31メートルのコイルが鉄塔を囲むようにして備え付けられ、ことし3月からスカイツリーに落ちた雷の電流や波形などを測定しています。
国内では雷のデータが少なく、研究に当たっている東京大学などは、落雷を受けやすい高い場所で調査することで、まだ謎が多い雷のメカニズムを解明したいとしています。
スカイツリーではこれまでに8回の落雷を観測しているということで、東京大学などは鉄骨を流れる電流などのデータをもとに建物内で使うパソコンなどへの影響を調べ、落雷に強い電子機器の開発などに役立てたいとしています。
東京大学生産技術研究所の石井勝教授は「雷の性質はまだ分かっていない部分が多く、スカイツリーで得られるデータを活用して落雷の被害を減らしていきたい」と話しています。
スカイツリーなぜ落雷多い?
設置された落雷観測装置は高さ450メートルの天望回廊よりもさらに上、地上497メートルの場所にあります。
東京スカイツリーは過去の気象データや高さ600メートルを超える超高層であることから、建設前から年に十数回の落雷が予想されていました。
ことし5月22日の開業日にも3回の落雷を観測するなど、5月と6月の4日間で合わせて8回の落雷を観測しています。
専門家によりますと、スカイツリーの落雷の回数は東京タワーの年に1~2回に比べて圧倒的に多く、高さだけではなく周囲に高層の建物がないことも理由のひとつだということです。
東京スカイツリーでは、最上部の避雷針だけでなくすべての鉄骨が意図的に雷を落とす「受雷部」としての役割を果たすように作られています。
このため、どこに雷が落ちたとしても、スカイツリー全体が一本の電線のような役割を果たして最終的に地下に埋められたくいから地面に電気を放出し、中にいる人やエレベーターに影響がないということです。
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