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“事故の教訓 世界で共有を”10月17日 10時46分
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国会の原発事故調査委員会の委員長として、東京電力福島第一原子力発電所の事故原因などの解明に取り組んだ黒川清・元日本学術会議会長が、16日、ワシントンで講演し、事故の教訓を世界中で共有することが重要だと訴えました。
講演の中で黒川氏は、歴代の規制当局や東京電力の安全への取り組みを批判して、事故は明らかな「人災」であるとし、国会に規制当局を監視する常設の委員会を設置すべきだなどと提言した報告書の概要を紹介しました。
そして、報告書を英語に翻訳して、16日、調査委員会のウェブサイト上で公開したことを明らかにし、事故の教訓を世界中で共有することが重要だと訴えました。
また、アメリカでは同時多発テロ事件をきっかけに、原発ですべての電源が失われるなど従来の想定を超える事態に備えてさらなる予備電源の整備などを義務づけたことについて触れ、「日本政府はアメリカの新たな制度を知りながら導入しなかった。導入していれば福島の事故は防げたかもしれない」と指摘し、個人の意見を言いにくい日本の文化がこうした不作為の背景にあったという認識を示しました。
講演を聞いた人たちからは「アメリカもみずからを省みて、日本の教訓から学ばねばならない」という声が聞かれました。
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