“地震予知困難”「予測」と使い分け10月17日 18時23分
地震の研究者で作る日本地震学会は「現在の地震学では、時間と場所と大きさを特定する地震予知は非常に困難で、予知できるという誤解を与えないよう、予知と予測ということばを使い分けるよう努めていく」とする行動計画を発表しました。
日本地震学会は、北海道函館市で開かれている大会で17日、今後の学会としての行動計画を発表し、この中で「地震予知への取り組みを見直す」としています。
具体的には、去年3月の巨大地震をきっかけに、これまでの研究に多くの批判があったとして、地震が起きる場所と時間と大きさを特定する予知は現在の地震学では非常に困難だと位置づけました。
一方で、中長期的に地震が起きる場所や大きさなどの可能性を示す「予測」はできるとしたうえで、誤解を招かないよう、予知と予測ということばを使い分けるよう努めるべきだとしています。
そして、地震発生を予測する研究は今後も基礎研究として継続し、研究の現状を社会に対して丁寧に説明していく必要があるとしています。
学会内部の委員会の「地震予知検討委員会」は、誤解を招くとして名称を変更することにしています。
学会の会長で東京大学地震研究所の加藤照之教授は「広い意味で“予知”ということばを使ってきたが、予知ができるという誤解を招いてきた。現状の説明をするとともに、防災に貢献できる研究を続けたい」と話しています。
一方、国は「東海地震」を唯一、「予知できる可能性がある地震」と位置づけています。
東海地方の地震などの観測データを監視している気象庁地震予知情報課の土井恵治課長は、「地震の予知は難しく、東海地震は予知ができないまま起きてしまう可能性がある。地震に先立つ変化をとらえる可能性が少しでもあるなら、気象庁として、地震予知の情報を出せるよう取り組んでいくことが大事だと考えている」と話しています。
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