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17日の当座預金残高は46兆900億円と最高更新-日銀が確報を発表
10月18日(ブルームバーグ):日本銀行が午前に発表した17日の確報ベースの当座預金残高は46兆900億円となり、これまで過去最高だった16日の45兆3100億円(確報)を上回り、連日で最高を更新した。
当座預金残高の増加は、日銀が積極的な金融緩和で市場に潤沢な資金を供給していることに加えて、9月20日に国債の大量償還を迎えて同残高が膨らんだ。今月15日には年金資金が払い込まれたことで残高が増えた。
一方、日銀が朝方に公表した18日の当座預金残高は43.4兆円程度に大幅減少する見込み。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MC1ZOA6TTDSG01.html
今日はこの記事を基にして考えてみようかと思います。相変わらず量的緩和を叫ぶ方はデータ無視ですよね。それでも有名評論家の肩書きの威力は大きいのでしょう。騙されている方が今も大勢居ますから。
彼ら(量的緩和を叫ぶ方々)の主張の根幹は「日本の官僚は外国の手先だ~」という事ですよね。家族や友人達が日本に住んでいる多くの官僚が外国の手先となって日本を苦しめていると考える根拠は何なのでしょうね。
些細な事からでも行動原理は分かりますよね。相手にレッテルを貼って誹謗中傷する人間の方が嘘を吐いていたり悪事に荷担しているというのは古今東西で変わりませんから。
最近は恥ずかしいのかマネタリーベースを基にした量的緩和の主張は余り見られませんが、何故なのでしょう?私のブログも少しは役に立っているなら嬉しいですね。今日は彼ら(量的緩和を主張する方々)のインチキロジック(論理)を考えてみようと思っています。
・日銀や財務省は外国(中国)にお金を流している売国奴だ
・市場の貨幣流通量が減っているのは日銀が量的緩和をしないからだ
彼ら(量的緩和を叫ぶ馬鹿)は大声で叫んでいますよね。一つずつ見てみましょう。
・日銀や財務省は外国(中国)にお金を流している売国奴だ
この主張の根幹は日中の金利差ですよね。「金利の高い中国が金利の安い日本円を利用して資本(お金)を中国に呼び込んで中国経済に投資しているから不況の日本と違って中国は経済的に発展している」というのが彼らの主張です。
先ずはデータを見てみましょう。
http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/stat_06/
これが、中国の対内直接投資(中国へ投資している国々)のグラフです。香港とその他が大き過ぎてよく分かりませんね。なら、その二つを除外してグラフを作成してみましょう。
どうでしょうか?確かに2011年だけを見ると日本は高いですよね。しかし、2010年で比べると米国と殆ど差が無いとも言えますね。原因として何が考えられるでしょう?
真っ先に思い付くのが円高による製造拠点の日本から海外への移動ですよね。円高による企業収益の悪化を外国での生産に切り替えていく事で企業は業績の悪化を食い止めようとしていると考えられます。
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as120307.pdf
日本の直接投資は北米に関してもアジア全域に関しても2010年よりも2011年は増加していますよね。
日本からの直接輸出よりも第三国経由や米国の現地法人を経由した方が日本の製造業にとっては利益が上がるという事ですよね。それと気になるグラフが載っていました。
M&Aとは、企業の合併や吸収の事ですよね。つまり、アジア地域で現地の企業を日本企業が円高を利用して合併吸収していっているという事が分かります。その為に投資額が増えたとも考えられます。最初から全てを作るよりも現地にある企業を利用した方が結果的に安上がりなのでしょう。
さて、此処までのグラフを見て日本の官僚が売国奴で日本の富を中国に献上しているという論理は成り立つでしょうか?
それぞれの企業が自社の業績確保を考えて最適な地域に投資を集中させるというのは経営者としての当然の義務ですよね。結果的に本社の有る日本に税金が入るのですから税収にとっても良い事ですよね。
「日本の資本を中国に流している官僚は売国奴だ~」と叫ぶ馬鹿には企業経営は無理だろうという事だけは確かだと思われます。量的緩和(官僚批判)を叫ぶお馬鹿さん達は日本企業が海外に事業展開する事を売国行為だとでも考えているのでしょう。
日本企業が海外展開する事によって業績を確保出来るから日本国内の雇用も大量の解雇にならずに済んでいると私は考えます。それと、中国に関しては株価を見ないフリをしているのは何故なのでしょうね。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=000001.SS&ct=z&t=5y&q=l&l=off&z=m&p=&a=&x=on&bc=%E6%AF%94%E8%BC%83
このように、リーマンショックの後は下がり続けているのです。中国が資本を集めて経済が順調に伸びていると言うのは無理が有りますよね。日本よりも下げ幅が大きい事からも量的緩和や官僚批判を繰り広げている馬鹿の言葉には説得力が無いと思われます。
・市場の貨幣流通量が減っているのは日銀が量的緩和をしないからだ
次に、この主張を見てみましょう。これは、今回取り上げた記事が如実に物語っていますよね。「当座預金残高は46兆900億円となり、これまで過去最高だった16日の45兆3100億円(確報)を上回り、連日で最高を更新した」という部分を読めば誰にでも分かりますが、日本の市場では十分以上に貨幣流通量が有ると考えられます。
問題は、金融機関が保っているお金を借りてくれる企業が日本国内に少ないという事です。これは、政府が雇用先を確保するまで続くと考えられます。面白い投稿を見つけました。
「マネーストック÷名目GDP」日米比較(2010年末)
※GDPで割らなくても絶対額でも日本のが多いのですよ
▼日本
▽現金通貨78兆円÷GDP481兆円=16.2%
▽通貨(預金通貨を含む)513兆円÷GDP481兆円=106.6%
▽通貨・準通貨合計1,092兆円÷GDP481兆円=227.0%
▼米国
▽現金通貨8910億ドル÷GDP14,4470億ドル=6.16%
▽通貨(預金通貨を含む)1,7273億ドル÷GDP14,4470億ドル=11.95%
▽通貨・準通貨合計12,0935億ドル÷GDP14,4470億ドル=83.70%
総務省統計局、世界の統計
http://www.stat.go.jp/data/sekai/index.htm
▼日銀は買いオペするようだが、風評で多少の効果があるが効果は期待できない、むしろリバウンドを危惧します
そもそも銀行には貸したいお金がだぶついているのに、預金金利ゼロから明らか、
したがってこれ以上日銀が買いオペしても余ったお金は日銀に返却されるだけ、
日銀はこれを知っていても、うるさい分からず屋がいるので、風評だけで当面効果があるからと渋々実施したと思いますよ
このように、量的緩和を叫ぶ馬鹿に煽られずに自分自身でデータを調べた方々には常識ですよね。では、三橋貴明のようなデータを無視した量的緩和を叫ぶ馬鹿達は何を狙っていると考えられますか?
嘘を吐いてまで日本の経済に影響を与えようとしている以上は日本の為になるとは考えられませんよね。確実に嘘を吐いているのは日本ではない誰かの利益の為ですよね。彼らの口癖は何ですか?
「日本の為」だとか「正しい政策の為」だとか…とにかく自分が正義の味方なのだと私達に思い込ませようとしていますよね。大昔から正義を声高に叫ぶモノ達こそが私達の本当の敵です。
少し脱線しますが、今回のレポートでは彼ら(量的緩和を叫ぶ方々)が何を狙っているのか、そして世界の動きはどうなっているのかを書いています。もし、ご興味がお有りでしたらブログのサイドバーに有るダウンロード販売の所から入って最後にリンクが有りますから、ご一読下さい。
日本で量的緩和を叫んでいる方々に乗せられて今までは量的緩和によってインフレになれば自分達の生活が良くなると思い込まされていた方もデータと過去の事例から、もう一度考えてみて下さい。
・欧米の緩和マネーは投機マネーとして、原油・穀物等の資源価格を跳ね上げている
・日本国内では既に資金供給量は足りている
・デフレ下での量的緩和はエネルギー・食費の値上がりによるスタグフレーションを引き起こす
これが、データから導き出される私の結論です。多くの方も同じ結論に成るのではないかと思っています。ならば、今の政策として必要なのは何かも自ずと分かりますよね。
・日本経済に必要なのは金融政策よりも雇用政策(公共事業)
雇用さえ安定的になれば自ずと企業がお金を設備投資に回します。そうなれば銀行も企業にお金を貸して利益を得ようと考えます。そうして、私達のお給料も増えて景気が良くなると考えられます。
何か難しい経済や金融の分厚い本を読まなければ辿り着けない結論でしょうか?一般常識の範囲ですよね。難しい言葉や理屈を述べている肩書きの偉い先生の言葉は確かに正しそうに聞こえますが、本当に必要なのは難しい言葉や難解な理屈ではなく簡単な言葉と生データなのです。
不正にアクセス操作までされる位ですから、それなりに多くの方が私のブログやレポートに対して信頼を置いて下さっているのでしょう。有り難い事です。私のブログやレポートは全て表に出てくる誰にでも取得可能な情報と一般常識が基になっています。
ですから、本来なら誰でも考え付く・誰にでも書ける内容なのです。それでも多くの方がお読み下さっているのは、私達の周りの情報を意図的に歪めている勢力が居ると考えられますよね。どうか、自分自身の頭で考えるようにして下さい。誰かの意見に単純に同調する事をしないで下さい。
それにしても…しつこいですよね。私のブログやレポートが、それ程の驚異になっているという事なのでしょうか?宣伝としては、これ以上に無いとも言えますが…。購入に関してはクレームが来ていませんからDLマーケットさんも最高のセキュリティーで対応して下さっていると思われます。それにしても…気持ちの良いモノでは有りませんね。
全ての情報は誰かが何かの目的の為に流すモノという大前提だけはいつも忘れないようにしたいですよね。