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kojitakenの日記

2012-10-19 繰り返すが、差別の不可視化こそ差別を助長するのだ

繰り返すが、差別の不可視化こそ差別を助長するのだ

週刊朝日出版が橋下徹に謝罪した。


朝日新聞デジタル:朝日新聞出版が「おわび」 週刊朝日の橋下市長連載で - 社会

朝日新聞出版が「おわび」 週刊朝日の橋下市長連載で


 朝日新聞出版は18日、同社が発行した「週刊朝日」10月26日号に掲載された橋下徹大阪市長に関する連載記事「ハシシタ 奴の本性」について、河畠大四・週刊朝日編集長によるおわびのコメントを発表した。コメントの全文は以下の通り。

 記事中で、同和地区を特定するような表現など、不適切な記述が複数ありました。橋下徹大阪市長をはじめ、多くのみなさまにご不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことを深くおわびします。私どもは差別を是認したり、助長したりする意図は毛頭ありませんが、不適切な記述をしたことについて、深刻に受け止めています。弊誌の次号で「おわび」を掲載いたします。

朝日新聞デジタル 2012年10月18日22時11分)


実を言うと、「ハシシタ 奴の正体」の連載が、朝日新聞出版が出している『週刊朝日』に載ったのを目撃した時、こういう事態になるのではないかという思いが一瞬脳裏をかすめた。いやいや、連載を始めたからにはそれなりの覚悟があるのだろうと思い直したが、甘かった。

私が実際に記事を読んで、記事に部落差別を助長する意図は全く感じなかった。佐野眞一自身、自ら選んでヤクザな世界に身を置いた経歴を持つフリーランスのノンフィクション作家であり、沖縄ヤクザにまで熱く思い入れする人間だから、被差別部落を差別しようなどと考えるはずもないのである。世の大勢は「佐野眞一批判、週刊朝日批判」であり、「佐野眞一も堕ちたものだ」「佐野眞一の凋落が激しい」などとしたり顔で語る人間もいるが、おそらく佐野眞一の本をろくに読んだことがない人だろう。佐野は、中内功の評伝『カリスマ』を初めとして多くの作品で同じタブーに抵触する文章を書いている。週刊朝日の新連載は、いつもの「佐野節」以外のなにものでもないのである。


本件に関して、被差別部落出身のノンフィクションライター・上原善広が書いたブログ記事の中で、特に強く共感した部分を以下に引用する。

橋下氏についての週刊朝日連載 全身ノンフィクション作家/ウェブリブログ

まず佐野氏の連載の趣旨は、「橋下氏の出自を徹底して暴くことで、そのDNAを解明する」云々といったものです。それに対して橋下氏のツイッターでの反論の概要は以下のようになっています。

  1. 政策批判もしないで出自を暴くことは部落差別につながる
  2. この連載は血脈主義そのもので、ヒトラーなみだ

まあ、あとの細かい点は面倒なので橋下氏のツイッターを読んでいただくとして、こうした動きについてのぼくの考えを書き込んでおきますね。

まず佐野氏の連載は、えげつないことは確かですが、いまもっとも話題の政治家・橋下氏の記事としては許される範囲でしょう。心配される路地(同和)への偏見については、しっかりフォローすることも大事ですので、今後の佐野氏の書き方次第だと思います。しかし、こうして一般地区出身の作家が、路地について書くことは、とても重要な意味をもつ画期的なことです。

まず差別的にしろ、なんにしろ、ぼくは路地について書かれるのは全て良いことだと思っています。それがもし差別を助長させたとしても、やはり糾弾などで萎縮し、無意識化にもぐった差別意識をあぶりだすことにもなるからです。膿み出しみたいなものですね。それで表面に出たものを、批判していけば良いのです。大事なのは、影で噂されることではなく、表立って議論されることにあります。そうして初めて、同和問題というのは解決に向かいます。解放教育のときも、共産党からは「差別を助長する」と批判されましたが、だからといって隠してばかりは良くないということです。


リンク先はたいへん良い記事なので、是非全文をお読みいただきたいと思う。

上原氏は共産党から批判を受けたと書いているが、私が今回の橋下の反応から思い出したのは70年代の部落解放同盟だった。あの頃の過激な解同のやり方は、部落差別を助長しただけだと私は考えている。今回の橋下の対応もそれと同じだ。

私は、橋下は自らが受けた差別に対して復讐したいだけであって、「差別」自身はむしろ温存したいのではないかとさえ私は疑っている。

繰り返すが、差別の不可視化こそ差別を助長するのだ。

snake_of_augustsnake_of_august 2012/10/19 15:10 > 不可視化こそ差別を助長

論拠はどこでしょうか?袈裟まで憎くなって、わけがわからなくなっておられるのでは?

yellow11yellow11 2012/10/19 16:58 >もっとも話題の政治家・橋下氏の記事としては許される範囲でしょう。
いま旬の公人なら、人権侵害の記述も許容範囲と言うことですか?

あとね、いつもの佐野節とありますが、過去通用したから今回も通用
するなんて、一般社会では通用しませんよ。
過去の著書評価なんて関係ないでしょ。

路地に付いて議論するなら、それだけのテーマで別で議論すればいい。
維新の政局になんら関係無いことでしょ。

支離滅裂ですよ。

kirikirikunkirikirikun 2012/10/19 21:19 わけがわからない。
>差別の不可視化こそ差別を助長するのだ。
それは今回の件を正当化できる理由にはなりません。
公人なら血脈も出自も暴露してOKてことですか?

違うでしょう。
政治家を批判するならあくまで政策や結果をもって批判するべきであり、本人のあずかり知らぬ、如何ともしようがない血脈なんぞでもって叩くのは下種以外のなにものでもありません。
今回の週刊朝日の記事も大衆ののぞき見趣味に迎合した下種の類です。
またそれを必死になって擁護する人たちがいることの哀れさよ。
>私は、橋下は自らが受けた差別に対して復讐したいだけであって、「差別」自身はむしろ温存したいのではないかとさえ私は疑っている。

もう処置なし笑

andy22andy22 2012/10/19 21:47 >私は、橋下は自らが受けた差別に対して復讐したいだけであって、
>「差別」自身はむしろ温存したいのではないかとさえ私は疑っている。

同感です。
残念なことに、週刊朝日は昨夜のお詫び表明に続いて、「ハシシタ」連載打ち切りを表明しました。ここまでのところ、メディアの全面的敗北・橋下の全面的勝利といえましょう。
しかし、佐野氏が断筆したというわけでなし。また、橋下がラスボスと仮定した朝日新聞も残っています。まだまだこの問題から目をそむけるわけには行きません。
いま、全面的に橋下を賛同し、佐野氏を罵倒している人たちも、いずれは目を開かれることがあるかもしれません。

yellow11yellow11 2012/10/19 22:02 18日には、記事に納得した。佐野を支持する。
と書かれましたが、19日は佐野の連載はえげつないのは確かと。
だんだん論調が崩れるのが笑えますね。
佐野に納得したなら、最後まで論調を貫かないと、見苦しいですよ。

ところで朝日新聞、週刊朝日が連名で今回の件、謝罪し
連載を打ち切る事を決めたらしいですね。
社会的責任を考えると、廃刊が普通ですが。

しかし、佐野にしろ朝日にしろ今回、このような人権侵害の内容を
掲載にまで居たらしたその、感覚はすでに白痴の極みだ。

落とし所を考慮されてない所はiPS細胞の森口氏
に通づる所がありますね。

shinotomo13shinotomo13 2012/10/19 22:28  問題は政治家の資質を問う根拠に出自を含め、それをあげつらうのは差別ではないか、という事ではないのでしょうか?佐野氏の意図も同和に焦点が置かれているよりも、橋本氏の出自に焦点が置かれているように思われます。すると、差別是正にこういう反応がよいのかという問いはピンボケではないでしょうか。あくまで政治家批判はその個人の行為によってしかるべきでしょう。その家族にまで累を及ぼす言論に、果たして価値はあるのか。憲法も罵詈雑言の表現の自由など認めていません。そして、週刊誌はメディアとしての責任を果たすにはあまりに下品です
 臭いものにふたをしても差別はなくならないし、タブー化すると差別が陰湿な形で残りかねないのも事実ですが、今回に限っては橋本氏の反論は差別被害者の立場を利用したメディア封じ込めにはとても思えません。あの書き方は同和との関連を指摘するのみならず、それを揶揄するようなものと思えます差別を見えなくする事よりもタチの悪い、下品なものにしか見えなかったのです。
 差別の旗印のもと言論が抑圧される事を心配なさっているのかもしれません。言論の自由がどこまでも重要な物だとしても、これは品のないメディアの思い上がりだと思います。

kojitakenkojitaken 2012/10/19 23:56 id:yellow11>
あんた、馬鹿じゃない?

> 19日は佐野の連載はえげつないのは確かと

よく読めよ、「佐野氏の連載は、えげつないことは確かですが」というのは、ノンフィクション作家の上原善広氏の文章を引用したものだよ。

「反朝日」的でやくざな仕事を多くしてきた佐野眞一の記事が「えげつない」というのは、俺はむしろ佐野に対する褒め言葉だとさえ思ってるよ。

> だんだん論調が崩れるのが笑えますね。

俺はあんたのあまりの頭の悪さに思いっきり笑ってしまったよ。馬鹿な割には何本も自信満々にコメントしてくるのがまた信じられないけどね。

tachibana55tachibana55 2012/10/20 00:02 >私が実際に記事を読んで、記事に部落差別を助長する意図は全く感じなかった。佐野眞一自身、自ら選んでヤクザな世界に身を置いた経歴を持つフリーランスのノンフィクション作家であり、沖縄のヤクザにまで熱く思い入れする人間だから、被差別部落を差別しようなどと考えるはずもないのである。

たしかに、かつては一般企業が差別していたので、暴力団関係者の中に在日や同和の人の比率が高かったと聞いたことはあります。しかし少なくとも、私の住む埼玉あたりでは、特にそういう話は聞いたことはありません。他の地方での事情は知りませんが、「ヤクザに思い入れがあるから被差別部落を差別しない」というのは、かなり誤解を招く言い方ではないでしょうか?

私は代々の埼玉県民ですが、数年前に初めて関西の同和教育での狭山事件の扱いを知ってびっくりしました。埼玉でも同和教育は一応、あったんですが、全然、あんなディープなものではなかったので、まるで別世界の話を聞くような感じでした。私の通った中学は同和地区のすぐそばにあり、その地区に同級生も何人かいましたが(昭和50年代の初め)当時から、酷い差別はすでになかったと思うし、今では普通に通婚もしています。私の親類や近所の人の中にも同和地区の出身者と結婚した人がいます。私自身は直接の当事者ではないので、推測して言うしかないけれど、橋下氏の支持者であれ不支持者であれ、こういう形で彼の批判がされること自体を不愉快に感じる人もいると思います。

私個人は橋下氏は嫌いだし、支持する気など毛頭ありません。それでもその出自を云々したり、親族がどうだったとか言うのはルール違反だと思います。(そもそも、橋下氏の問題点はゴリゴリの新自由主義者に担がれているということで、それに比べたら、彼個人の「あくどさ」などたかが知れていると考えていますので、彼の生育歴や親族の背景などに特に関心はありません。)

週刊朝日の記事は読んでいませんが、いくら話題になったところで、まともに当該の記事を読む人は世間の中では何パーセントもいないでしょう。他の人たちは橋下氏の反撃しか見なかったりするわけです。最近は、彼の「賞味期限」もそろそろ切れつつあるかな、と感じていたのに、今更、個人的な出自や生育歴などをかれこれ言うのは、むしろ「同情票」を集めてしまうだけではないかと思いました。かつて文春などが橋下氏の出自や父親のことをかれこれ言ったのだって、結局、彼にはマイナスにはならなかったことを考えると、佐野氏や週刊朝日編集部の意図はどうだったにせよ、反橋下としては、余計なことをしてくれたように感じています。

zenzaburozenzaburo 2012/10/20 00:06 同和地域の問題の解決(?)に新憲法の影響が強かったのは歴史的事実。ところがいったん方向性ができると法律論を超えた固定観念・情念、はてはマニュアルの世界ができあがることもまた歴史的事実。橋下はこうして形成されてきた情緒・情念の共有の証を求めておまじない・符丁(「憲法・人権」)を振りかざしているのであって、正面からの憲法論は避けている。実際「政治を批判するなら政策で」は憲法論ではなく「出自を調べ公表すること自体が差別である」も憲法論ではない。メディアが情念と符丁に弱いのは橋下の見立てのとおりでした。
ところで、こんなときは「本人はともかく罪のない家族が差別されたらかわいそう」というのが典型的な反応のパターン(これまた情緒)ですが、橋下は誰でも知っている理由のせいで言わないし、言えない。そう、橋下発の憲法・人権論はその程度のものなのだ。

kojitakenkojitaken 2012/10/20 00:42 id:tachibana55> たしかに、かつては一般企業が差別していたので、暴力団関係者の中に在日や同和の人の比率が高かったと聞いたことはあります。しかし少なくとも、私の住む埼玉あたりでは、特にそういう話は聞いたことはありません。他の地方での事情は知りませんが、「ヤクザに思い入れがあるから被差別部落を差別しない」というのは、かなり誤解を招く言い方ではないでしょうか?

それは誤読です。私の書き方が悪いのかもしれませんけど。
自らの選択で「ヤクザ」という道を選び取った人に対しても共感を寄せる佐野眞一が、自ら選択し得ない「出自」によってハンデを背負っている人を差別するはずがない。そういう意味です。「ヤクザに部落出身者が多い」などとは脳裏にも浮かばなかったので、そのような読み方をされて驚いています。やはり文を書くとは難しいことだと改めて感じています。

それから、せっかく橋下が落ち目になったのに佐野眞一や『週刊朝日』は余計なことをしてくれたという意見は、tachibana55さんに限らず多く目にしますが、私はその意見には大反対です。この程度のきっかけで橋下擁護論が沸き上がってしまうほど、「ハシズム」は今の社会に根付いている、私はそう思いました。むしろ、この現実を明らかにするのは、週刊朝日編集部や佐野眞一がやらずとも、誰かがやらなければならなかったし、やったに違いない仕事だったと考えています。

yellow11yellow11 2012/10/20 02:24 >あんた、馬鹿じゃない?

どうであれ、人権侵害者の論述を支持している事自体、わたしから
言わせればどうしようもない馬鹿ですよ。
白痴の極み。

kojitakenkojitaken 2012/10/20 02:29 id:yellow11>
この期に及んでまだコメントしてくるのかよ。良い度胸してるな(笑)

hobblinghobbling 2012/10/20 10:51 >不可視化こそ差別を助長
一理ありますが、そういう可視化は関係者の協議の元、慎重に進める必要があるのでは?
マスコミが一方的に正義の御旗を立ててどう考えても差別の解消につながらないと思います。

ましてや
>私は、橋下は自らが受けた差別に対して復讐したいだけであって、
というの差別と偏見剥きだしの憎悪しか感じません。

hobblinghobbling 2012/10/20 10:53 >不可視化こそ差別を助長
一理ありますが、そういう可視化は関係者の協議の元、慎重に進める必要があるのでは?
マスコミが一方的に正義の御旗を立てて暴露するのは、どう考えても差別の解消につながらないと思います。

ましてや
>私は、橋下は自らが受けた差別に対して復讐したいだけであって、
は何の根拠もない個人的な想像であって、差別と偏見に基づいた剥きだしの憎悪しか感じません。

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