今冬の節電:北海道に数値目標…政府、5〜10%設定検討
毎日新聞 2012年10月19日 22時46分
政府は19日、北海道電力に対し5〜10%の節電目標を設ける方向で検討に入った。電力不足の懸念される北海道電に対し、電力需給状況を精査する政府の有識者会議「需給検証委員会」=委員長・白真勲(はくしんくん)副内閣相=は計画停電を回避する方向で検討しているが、検証委の委員からは「(火力発電所の相次ぐ停止など)最悪の事態に備えて計画停電の準備をすべきだ」という意見が出された。
この日は、北海道電や道庁、地元経済団体などから意見を聴取した。経済・農業団体が「計画停電は避けてほしい」と訴えたのに対し、委員からは「危機管理のために準備・検討は必要だ」との意見が出た。地元は「企業としては最大のリスクを考える」(経済団体)▽「もし必要なら北海道電や警察などと事前協議しないといけない」(道庁)などと肯定的な反応を示した。
北海道電はピーク需要に対する予備率を5.8%と試算。安定供給のために最低限必要とされる3%は上回るものの、道内最大の火力発電所・苫東厚真(とまとうあつま)4号機(70万キロワット)が停止すれば10ポイント以上落ち込む。北海道電は他の電力会社から最大約60万キロワットの電力融通を受ける方針だが、海底ケーブルは地震などの影響で年数回停止しており火力トラブルと重なれば電力不足に陥る懸念がある。【種市房子】