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ソーシャルメディアの歩き方(藤代裕之)

揺れるミクシィ、SNSの「老舗」はなぜ間違えたのか ブロガー 藤代 裕之

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2012/6/7 7:00
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 グリーは04年9月に「GREE Night 2.0」 というイベントを開き、登録者数で国内ナンバーワンのSNSになったことを祝った。しかしその後、mixiが急追し05年夏に100万IDを突破した。GREEの100万人突破は07年だから、SNSではmixiに完全に後塵を拝していた。追い抜かれたGREEはこの後、モバイルに活路を見出し、飛躍していく。

 激動のなかでもmixiは順調にユーザーを増やし、様々な機能も追加していった。08年にはツイッターと同様な機能といえる「エコー」を用意し、これを09年には「mixiボイス」としてリニューアルしている。さらにフェイスブックの「ページ」と同様な「mixiページ」を11年に導入するなど、ライバルへの対策も打っている。

 一方で、mixiでは大きな変更を行うたびに、ユーザーと摩擦が起こっていた。

 例えば、07年10月の表示デザインのリニューアルや、08年3月発表の利用規約改定、09年3月のコミュニティの大量削除などでは、いずれもユーザーから反発があった。使い慣れたサービスを新しくする際には、ユーザーの反発があるものだが、毎年のようにユーザーの反対運動があるのも珍しい。最大のものは11年6月の「足あと」機能の廃止だろう。1万7000人分の実名署名が集まり、ミクシィへの陳情もあった。

■「コミュニティ」へのアクセスを下げる方針に

 反対運動の中核は、mixi内の「コミュニティ」だった。反対を議論するコミュニティが次々と立ち上がり、議論や署名活動が行われることになった。コミュニティには人が集まり、行動まで起こさせるパワーがあった。

「IVS」でmixiとライバルとの違いをアピールした
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「IVS」でmixiとライバルとの違いをアピールした

 その後のmixiは、コミュニティへのアクセスを下げる方針をとった。具体的には、ユーザーが利用する画面でコミュニティへのリンクを目立たない位置に変えた。その代わり、友達の書き込みなどを目立つ位置にした。ミクシィが「リアルグラフ」という言葉で表現する、現実における人と人のつながりを重視したためだという。

 11年12月に開催されたベンチャー関連のイベント「Infinity Ventures Summit(IVS)」でミクシィの笠原健治社長は、フェイスブックやツイッターとmixiとの違いを明らかにする図を示した(写真)。

 ツイッターは「ニュースグラフ」と呼べる存在で、有名人や影響力を持つ人が中心に利用しているが、片方向(受信中心)のつながりが多く、主なユーザーは30代以上の男性だという。フェイスブックは「パブリックグラフ」と呼べるという。中心となるのは仕事関係や友人関係。150~200人とのつながりがあり、完全実名の30代以上の男性が多いと分類していた。

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フェイスブック、mixi、SNS、ツイッター、ミクシィ、グリー、DeNA、笠原健治、グーグル

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