2003.7.30 The Hottest Summer 夏の風物詩 高校野球東東京大会。過去ベスト4が最高の都立・雪谷(ゆきがや)が都立校として3校目(80年の西東京・国立。99、01年の東東京・城東)の甲子園出場を決めた。俗にいう「野球名門校」ではない都立校による歴史的瞬間を見ようと多くのファンがスタンドを埋めた。 ところで、この試合で印象に残ったのは高校野球も新しい時代を迎えているということ。例えば、雪谷の女子マネージャーはひざ上丈の短いスカートに髪の毛は茶色。見た目はどこにでもいる“現在の女子高生”。だが彼女達はチームのサポートを懸命に行っていた。 「高校野球=気合、丸刈り」のイメージは今も強い。また、その裏返しにサッカーの自由な風潮が強調されることもある。しかしそうとばかりも言えないし、時代は流れている。16〜18歳といえば最も感性豊かな時期。ファッションや音楽、そして異性にも興味が強い。もちろん高校球児達もそうだろう。しかしだからといって野球への愛情はいつの時代も変わらない。前出の雪谷の女子マネージャー達は声を枯らし、優勝の瞬間は誰よりも喜び、涙していた。誰もが3年間を高校野球に捧げてきたのだ。 過密日程による酷使、部内での暴力……。多くの問題が露呈する高校野球。しかし3年という限られた期間多くのものを野球の為に費やす。彼等にはただ思いきり野球し、満足いく夏であって欲しい。そして高校野球を取り巻く環境が時代に即して行けばこれほど良いことはないだろう。まだまだ高校野球は捨てたものではないはずだ。 2003.7.23 Dream Game MLBオールスターを取材して 歓声、無反応、ブーイング。 日本人3選手に対するファンのリアクションである。 第74回MLBオールスターゲームはその始まった場所であるシカゴ・コミスキーパーク(現名称U.S.セルラーフィールド)で行われた。今年からオールスターでの勝敗がワールドシリーズでのホームフィールドアドバンテージに直結するとあって、試合は白熱した展開となった。 もちろん試合自体も大変面白かったが、筆者がそれ以上に印象的だったのは前述した選手紹介時のこと。今や押しも押されぬスーパースターであるイチローには球場中から大歓声が降り注いだ。シアトルのセットアッパーというポジションからか長谷川滋利に対してはほとんど反応なし。そして松井秀喜にはブーイングが浴びせられた。 天敵ヤンキースの選手ということもあろうが、シカゴのファンは松井を「アメリカンリーグトップ3の外野手」とは認めていないようだった。写真撮影の為2階席にいたが、物を投げるファンまでいたぐらいだった。 ニューヨーク以外での松井の認知度、人気は決して高いとは言えない。日本ほどの報道もほとんどされない(イチローに関してはある程度の報道はされているが…)。しかしオールスター直前には打率3割に乗せ、ヤンキースに欠かせない戦力となっている。着実にメジャーにアジャストしてきている。 オールスターの第一打席、松井は詰まりながらレフト前にヒットを放った。ファンもこの時ばかりは同じアメリカンリーグということで拍手を送った。自らの力でブーイングを拍手に変えてみせた。アメリカ全土のファンに松井秀喜の名前を知らしめる日も近いはずだ。 2003.7.9 Professional of Professional オールスターゲームとは 日米ともペナントレース前半戦がまもなく終了、オールスターゲームが行われる。メジャーリーグではイチローが3年連続でトップの得票数を獲得。外野手部門で3位の松井秀喜に加え、長谷川滋利も選出された。素晴らしいことである。日本プロ野球でも絶好調タイガース勢が9人も選ばれた。 毎年、ファン投票の是非が問われるが今年ほどその問題が露呈した年もない。 セ・リーグ投手部門1位はドラゴンズ川崎憲次郎(911,328票)が選出された。しかし今シーズン一軍での登板がない川崎本人はこれを辞退。主催者側も認め投手部門1位のみ無効とし、2位のタイガース井川慶(863,460票)を繰り上げてファン選出とした。通常であれば1位選出の選手が出場を辞退した場合、2位選出を繰り上げるのではなく代替選手を選ぶ。これだけ見ても異例だ。またセ・リーグ一塁手部門3位にはタイガースのトレイ・ムーア(437,116票)が入った。 川崎の件は一部のファンがインターネット投票を通じ面白半分でやったと聞く。選手生命を賭けて戦う選手に対し失礼極まりない行為。しかしながら主催者サイドで何らかの対応が出来なかったのだろうか。ムーアの件にしてもしかり。確かに野手顔負けのバッティングをするが、あくまで投手なのだ。 今回の投票での無効数は248,405票(うちハガキ70,103票、インターネット178,302票)。これが多いか少ないかの判断は難しい。しかし仮にも『夢の球宴』と呼ばれるオールスターゲーム。そのシーズンを代表するスーパースター達のずば抜けたパフォーマンスを誰もが見たいはずだ。一軍での出場がない選手や本職とは異なるポジションでの投票は即無効にしても良いのではないだろうか。 以前、打席に松井を迎えた場面でイチローがマウンドに上がった際、セ・リーグ監督だった野村克也は「オールスターをバカにしている」と代打に投手の高津臣吾を送った。やりとりは大人げなくも見えたが、野村の言うことは正論である。演出などしなくとも『プロ中のプロ』が集まるオールスターゲームは見どころ満載のはずだ。 ※MLB取材等の為、次回の更新は7月23日になります。 2003.7.2 It's Show Time! ジェット風船は… シーズン開幕当初から未だその勢いは衰えない。85年以来の優勝へ独走状態に入ったタイガースのことである。どこの球場でも多くのファンが熱狂的な声援を送っている。タイガースファンといえば『ジェット風船』。環境問題などを述べる人もいるがそれはさておき、あの瞬間は1つの見せ場である。 横浜スタジアムへ足を運んだ時のこと。6回の攻撃中から多くのファンがジェット風船を膨らませ始めた。この日はベイスターズサイドの一塁側までタイガースファンは溢れ、球場のいたる所から色とりどりの風船が現れた。すると「試合進行の妨げになるのでジェット風船は禁止です」のアナウンス。場内の係員は腕でバツ印を作りながらスタンド内を右往左往した。しかしながら誰もがその注意には耳を傾けずいつもの風景が見られた。 横浜スタジアム内ではジェット風船は販売していない。つまり誰もが外から持ち込んでいるわけだ。球場の外には無許可で風船を販売している業者もいる。1袋6個入りで300円。売れに売れているそうだ。もったいない話である。ベイスターズは1つの収入源を自ら放棄していると言っても過言ではなかろう。 確かに問題もある。インプレー中も無秩序に風船を飛ばせば支障をきたす。しかし風船使用は7回攻撃前に限定し、その間のみ多くの係員をフィールド上に配置し拾う。それ以外の時に使用しようとしたファンには厳重に注意すれば良い。風船を膨らますには時間がかかるのでそのぐらいは可能であろう。 ジェット風船はファンの楽しみとして定着している。全てを規制するのでなく、なんとか継続してやっていける方法を模索して欲しい。 2003.6.25 Enjoy Baseball 野球を楽しもうよ 球場でゲームを見ていていつも感じるが、多くのファンが自らのひいきチーム以外に対し「親の仇」の様な姿勢でいる。残念なことにしばしばケンカ騒ぎまで起こる。 そもそもタウンボールに起源を持つ野球(ベースボール)。「プレイ(Play)ボール!!」という審判の合図で始まることからも分かるが、もともとは『遊び』である。国同士の戦争(殺し合い)の解決をはかる為に始まったとされるサッカーやラグビーとは競技の成り立ちからして異なる。欧州サッカーでサポーター同士のトラブルが多発するのもそこに歴史上の名残りがあるからだろう。 先日、神宮球場のスタンドで微笑ましい光景に出会った。席を前後して座っている老紳士が2人。1人は熱烈なスワローズファン。もう1人はタイガースファン。1つ1つのプレーにお互いへ向かいヤジを飛ばしあう2人。「ケンカにならなければ良いがなあ…」と見ていたが全く逆。試合が進むにつれ相変わらずヤジりあってはいたが、その間には様々な野球談義をはじめた。「あの選手はここが良い。あの時は忘れられない…」。最後にはビールで乾杯まで行う始末だった。 延長戦までもつれ込む熱戦以上に2人のおかげでどこか気持ち良く家路につけた。きっと周囲の人々も筆者と同じ気持ちだったのではなかろうか。もうちょっと肩ひじはらずに野球を楽しもうよ。そうすればひいきチームの「勝った?負けた?」以上の楽しさも見えてくると思うから。 2003.6.18 Ballpark Ballpark!! 今こそ問題の解決を!! メジャーリーグの楽しさは決して一流のプレーばかりではない。個性溢れる素敵なボールパークを見ることもまた我々を魅了して止まない。我が国でもグリーンスタジアム神戸(ヤフーBBスタジアム)の様なグラウンドとの距離感を感じさせない素晴らしい球場ができはじめていた。その矢先のこと、またしても事件が起きた。 6月11日、岐阜・長良川球場で行われたドラゴンズ対タイガース戦。多くのファンがグラウンドへ乱入し、挙げ句のはてに催涙ガスをまき散らす輩まで現れた。事件として捜査した警察もいまだ犯人の特定は出来ていないという。 プロ野球の地方開催では昔から乱入者が後を絶たない。球場の構造など様々な原因が挙げられるが、主催者側の運営の問題は大きいと感じる。 以前はグラウンドへの乱入が多発したサッカー界では断固とした対応をとっている。国立競技場で行われる試合においてはスタンドの最前列から2〜3段は全てファン立ち入り禁止区域としている。また乱入行為を行ったファンには入場禁止などの厳罰を下している。日本サッカー協会、Jリーグ、そして各クラブやサポーターが協力体制を敷いている。 他競技とは成り立ちが異なる為、単純比較は出来ない。しかしそれでも課題が残されている。今回の事件を受けてタイガース関係者は「甲子園球場の金網を高くするなど対策を練る」というコメントを発表した。このままでは檻の中で野球を見ることにもなりかねない。徹底的にこの問題の解決を計って欲しい。そして誰もが「どのような環境で野球を見たいのか?」一度考えてみてはどうだろうか。そうでなければ素敵なボールパークは今後、生まれていかないだろう。 2003.6.11 Another Point 練習のおもしろさ 試合前の練習を見るとその選手が今、何を意識しているのかがよく分かる。 ホークス城島健司がティーバッティングを右手一本で行う光景をよく目にする。「バッティングの基本は引き手」というが、それとは全く逆を行っているのだ。 4月29日、西武ドームでのライオンズ戦。ライオンズ松坂大輔とホークス新垣渚の初対決が注目されたこの試合で、城島は2回に先制のホームランを放った。松坂が投じたこん身のストレートをバットで押し込むようにライトスタンドへ運んだこの打席は、城島がまさに今シーズンやろうとしていたことだった。ポイントを身体の近くに置き右手で押し込むバッティング。ダイヤモンドを一周しながら満面の笑みで何度も拳を握りしめる姿は本当にうれしそうだった。 選手達が毎日行う練習は決してルーティンではない。そこには大きな目的や課題が存在する。野球のおもしろさはゲームだけではない。ちょっとだけ早く球場へ行き、練習から見ることをぜひお奨めする。 2003.6.4 Don't Miss! 立ち位置の重要性 「打席の前の前に立て!」 野球部だった学生時代、監督から口を酸っぱくして言われた。前の前とは、打席の一番投手寄りでホームベースに一番近い位置。そこに立つことで変化球が曲がる前に打つことができる。やってみると確かに変化球に対応することができた。 しかしプロ選手を見ていると、逆に打席の一番捕手寄りに立つ選手が多い。バファローズ中村紀洋などは捕手寄りのラインを踏んで立っている。以前、そのことを尋ねたことがある。 「僕の場合は逆に(変化球が)曲がり切った後に打つ感じですね。その方が何の球か見切って打つことができるしね」 何の変化球か見切って打つ。まさにプロの神髄だ。見切る為にはバットの始動も当然遅くなる。それをカバーする為のスイングスピードの速さと、差し込まれても負けない強靱なリストが必要だ。 フルスイングだけのイメージが強い中村だが、様々なことに頭を使い、そのためのトレーニングも欠かさない。まさにプロの凄みを感じる。 どの選手が打席でどこに立つのか。そんな小さな部分に注目してみてもおもしろいと思う。 2003.5.28 Oh my Johnny! 試合開始3時間前には多くのファン、そして報道陣で溢れかえった。24日、曇り空のロッテ浦和球場。淡々と進むゲームの中、誰もがその瞬間を待ちわびていた。 7回表、黒木知宏がマウンドへ向かった。 2001年7月27日以来、実に666日ぶりの実戦登板。1イニング、13球。低めに球を集めることで無失点に切り抜けたものの、変化球は指にかからず高めへ抜けた。本調子とは程遠い。だが本人に焦りは見えない。 「やっと二軍の選手になれました。これから一軍の選手になりたい」。 試合後、笑顔で語るジョニーを多くのファンが囲み、拍手を送った。 幕張の海に夏が訪れる頃、彼は聖地のマウンドであの頃の様に叫んでいるはずだ。 ジョニー、誰もがおまえを待っている。 2003.5.21 Come Back 鈴木健のリフォーム 勢いが全く衰えない。スワローズ鈴木健のことだ。 順調なプロ生活ではなかった。埼玉・浦和学院高時代から注目されたが、ライオンズ入団後は伸び悩んだ。出場試合数も年々下降の一途を辿った。たびたび凡プレーも犯し、気持ちが切れている様にすら見えた。昨年の日本シリーズではわずか1打席のみの出場(結果は三振)にとどまり、なかば戦力外扱いでスワローズへやって来た。 そして今シーズン、開幕前は控え選手であったが岩村明憲のケガで巡って来たチャンスをものにした。5/20現在、42試合に出場、打率.388は目下セ・リーグトップの成績である。 ところで、鈴木が打席に立った時に流れる応援テーマを御存じだろうか。吉幾三の「Dream」。そう、「住み慣れた我が家に……」でお馴染みリフォーム・ハウスのTVCM曲だ。開幕直後これを聞いた時は冗談のように思えたものだが、今となってはタイムリーな選曲に感心させられる。 今日も右へ左へヒットを打ち続ける。ファンの想いに応え、鈴木は自らのリフォームに成功しようとしている。こんな選手がいるから野球はおもしろい。蘇った怪物、鈴木健に注目だ。 2003.5.14 Key Man 藤本敦士に注目 タイガースの勢いが止まらない。故障者続出のジャイアンツ、いまいち調子が上がらないドラゴンズをしり目に着々と首位固めを行っている。5月9日の対ベイスターズ戦では浜中治、片岡篤史、ジョージ・アリアスが優勝した85年以来の3者連続ホームラン。ファンのボルテージも上がり放しだ。 充実した補強によって、固定メンバーで戦えていることが好調の一因であろうが、その中でもショートの藤本敦士に注目したい。 野球の専門学校『甲賀総合科学専門学校』出身という異例の経歴(その他にはファイターズ建山義紀が出身)。公称173cm、71kgと野球選手に見えない程小柄な身体ながら、そのグラブさばきは球界でもトップクラス。ゲーム前の守備練習から注目の選手である。また課題と言われたバッティングも今年は好調を維持。打率.333はセ・リーグ7位の成績だ(5/13現在)。 85年の優勝時、ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布といったスター選手の影に鉄壁の守備を誇る平田勝男という名脇役の存在があった。今年のタイガースもその辺のバランスがとても良い。藤本の活躍が続く限り、ファンは夢を見続けることができるはずだ。 2003.5.7 Ready or Not 今すべきことは… ヤンキースタジアムでは4月29日(現地時間)からヤンキース対マリナーズ3連戦が行われた。このシリーズはイチローと松井秀喜の直接対決ということで連日、地上波でも生中継された。 NHKの中継で解説を務めたのは長嶋茂雄氏。長嶋氏はメジャーリーグに精通しており、松井をジャイアンツで育てたいわば師匠。そういういきさつから今回の解説を引き受けたのであろうがちょっと疑問を感じた。なぜなら長嶋氏は日本代表監督だからだ。 アテネオリンピック出場権をかけたアジア野球選手権は11月に札幌で開催される。アジアの7つの国と地域からオリンピックに出場出来るのはわずか2チーム。シドニーオリンピック、そしてワールドカップと2大会連続してメダルを逃した日本代表。監督も変わり、文字どおり「0からのチーム作り」をしなくてはならない。 一部で報道されたが長嶋氏は全員プロ選手の『ドリームチーム』で大会参加することを表明した。素晴らしいことである。しかしそれならば日本プロ野球を現場でとことん視察し、選手の適正、力量を見極める時期ではないだろうか。 また本当に目指すべきものはその先にあるオリンピックでのメダルのはず。その為には今からじっくりと腰を落ち着け、長いスパンで代表強化を計るべきだ。長嶋氏が代表監督に没頭できる様、関係者は取り計らって欲しい。 もっと日本代表を大事にして欲しい。3度目の失敗は取り返しがつかない。そうなってからでは遅いのだ。 2003.4.30 WET TURF プロの匠さ プロ野球の本拠地球場のうち甲子園、広島そして神戸の3球場以外は全てが人工芝になってしまった。内野が土だった頃に比べ、野手の技術がいらなくなった、とよく耳にする。だが決してそうとも言い切れない。 4月25日、千葉マリンスタジアムで行われたマリーンズ対ライオンズ戦。霧状の雨は降り続き、今シーズンから張り替えられた『ハイテク人工芝』はビッショリと湿っている。 試合前グラウンドへ降りてみた。すると、まるで氷の上にいるかの様に滑る。芝の長さが長くなった今シーズンからの人工芝は水を吸うと大変滑りやすくなるのだ。雨の日の人工芝は打球がスリップするから難しいと言われる。まさにそれを体感出来た。 マリーンズの外野手リック・ショートは「アメリカではあまりこういう人工芝でプレーした経験がない。イレギュラーしないのでやりやすい部分もあるが、確かに球足は早くなる。そこは注意すべき点だね」と語ってくれた。 また「投げる方からするとあまり気にはなりません。芝が気になって投げにくい、なんてこともないしね。ただ野手は結構、気を使ってるみたいですよ。普段の日は人工芝用の(ポイントの)スパイクを使っているのを、雨の日は金具のにしたりね。ピッチャーは常に金具のスパイクだからそういう意味でも変わらないですけど」とリリーフエースの小林雅英。 屋根のついていない球場では天候への順応もプロとして当たり前にこなさなければならない。こういった細かい気配りからもプロの匠さを感じる。 2003.4.23 RESPECT! がんばれ松井! 期待に違わぬプレーをしている。松井秀喜のことである。ジャイアンツ時代の様にホームラン量産とはいかないまでも、クリーンアップの一角としてその役割を十分に果たしている。さすがである。ブラウン管を通して伝わって来る表情からも充実感が読み取れる。 ところで先日、ヤンキース戦中継を見ていた時のことだ。日本から訪れたとおぼしきファンが次の様なプラカードを掲げていた。 「ジャイアンツ愛を持っていますか?」。 何を意味するものだったのか理解できなかった。 ジャイアンツ系列局はいまだに松井がジャイアンツの一員の様な報道をする場合がある。そのような報道姿勢が、ファンに対して過った認識をさせている危険性もある。前出のものなどは、まさにそうだったように感じるのは筆者だけであろうか。 ヤンキースはジャイアンツと提携関係を結んでいるが、それ以上でもそれ以下でもない。松井はヤンキースへ出向に行ったわけでもない。 野球界最高峰の場所で戦い続けているその姿勢に対し、我々はもっと敬意を払うべきだ。 2003.4.16 Where is Restroom? トイレは? 西武ドームは屋根の根元部が吹き抜けになっている為、ドーム球場とはいえ季節感を感じることができる。夏の時期は外からの熱気がドーム内にこもってしまいつらい時もあるが、この時期は球場周辺の桜もスタンドから眺めることができ、ちょっとした『お花見観戦』が味わえる。実に良い環境だ。 しかし1つだけ難点がある。西武ドームではトイレへ行くのに大変な労力を要する。なぜなら内野席のトイレはスタンド最上段にしかないからだ。 スタジアムガイドによるとスタンド最前列から中段通路までが101段。そこから最上段通路まで101段の段差がある。つまりスタンド最前列に座った人がトイレに行くには202段階段を上がるか、スコアボード真下にある外野席のトイレまで行かなければならない。最高の席に座っても安心してビールを飲むことできないわけだ。 昨年も優勝を果たしたライオンズは、伸び盛りの若手も多く実に魅力的なチームだ。それゆえ、この問題さえなければもっともっと足を運びたい球場なのだが……。 2003.4.9 Performance Seat マリーンズの挑戦 今シーズンから千葉マリンスタジアムのライトスタンドに『パフォーマンスシート』なるものが登場した。 昨年まで私設応援団が陣取っていた席を球団公認の応援席としてあらかじめ区切り、それとともに大学野球や都市対抗野球などで目にする応援用のひな壇を設置したものだ。 これまで私設応援団による必要以上の席確保は、たびたびトラブルのもととなってきた。このオフに多数の逮捕者を出す事件があったことも記憶に新しい。そんな中マリーンズは新たな挑戦をしようとしている。 『鳴りもの』による応援スタイルは中南米や韓国でもさかんだ。近年はメジャーリーグとの対比で、たびたび悪者の様に取り上げられてきた。しかしもとをただせば、球団が球場内での演出や野球以外の楽しみを提供してこなかったことから生まれたはず。「せっかく球場へ来たのだから、試合も良いけど、もっと楽しみたい。それなら応援しよう」と考えても不思議ではない。 また音楽やビジョンを使った演出も増えて来てはいるが、これまで球場内を盛り上げて来たのは応援団であったことも間違い無い。今回の試みは球団、球場と応援団がお互いに尊重、協力し素敵なボールパークを作ろうとする第一歩だ。 千葉マリンスタジアムには大きな可能性がある。ぜひ足を運んでみて欲しい。 2003.4.2 It's Spring! いよいよ開幕 いよいよプロ野球が開幕した。28日は西武ドーム、30日は横浜スタジアム、そして31日は千葉マリンスタジアムと足を運んでみた。その中で気になったことをいくつか挙げてみたい。 まずはタイガースのウイリアムス。外国人投手には珍しいサウスポーの横手投げ。この日は2回を投げたが相手打者が全くタイミング合わない。セットアッパーとして十分期待が持てそうだ。巷では「タイガース優勝!」と騒がれているが、ひょっとするとキーマンはこの選手ではないだろうか。 そしてファイターズ。選手全員がとにかく元気が良い。その中でも新外国人のエチェバリアと森本に注目したい。 「外国人が本気で日本に来たかどうかは試合前にわかる。ファールグラウンドから外野のインフィールドまでダッシュをやっていればその選手は本気だ。そうすることで、ナイターの明るさにも慣れるからね」と以前、誰かが言っていたが、エチェベリアはまさにその通り。黙々とアップをこなしていた。また外野守備といえばドラゴンズのアレックスが取り上げられるが、彼も負けていない。肩の強さは一見に価する。 そして森本。今年からセンターの定位置を獲得した若い選手だが、その俊足とセンスの良い打撃は期待を抱かせる。他の選手がベンチにいる間もエチェベリアと2人でアップを行うなど、前向きな姿勢に好感を持った。 どうしても松井に注目が集まるが、日本にも楽しみな選手が多い。今年も日本プロ野球はおもしろそうだ。 2003.3.26 Manager in the Blues 監督の愚痴 私の知人は鹿児島で少年野球チームの監督をしている。以前、彼が愚痴っていた。「大会の度に主催者や、他チームの監督からクレームが出るんだ。他チームみたいにきちんと入場行進させろ」ってね。 彼は選手達に対し「入場行進では好きに歩け」と言っているそうだ。「今時、右へならえもおかしい。サッカーの選手が海外で活躍するのもその辺だと思う。練習を極限までやった選手が最後に頼るのは自分自身。もちろん根性も必要だけど、それよりも『創造性』や『判断力』だと思う。だからああいう場所(入場行進)でどう振る舞うかは選手に任せる。そんなに常識外れなことはしないと思うよ」。 おかげでいまだにクレームにさらされているそうだ。 今年も阪神甲子園球場では選抜高校野球が始まった。 大会前の公式練習で記念写真撮影を行った島根県の隠岐高校に厳重注意がなされたと聞き、このエピソードを思い出した。 2003.3.19 オープン戦の意義とは? 編集部の所在地は東京都渋谷区千駄ケ谷。そう神宮球場とは目と鼻ばかりの距離だ。そのためか何となく神宮のスタンドにいることが多い。 次号の編集も重なっていたこともあるが、まだ今年はプロ野球と名の付く試合を観戦していない。ようやく時間も出来たのでスワローズ対マリーンズ戦を観戦しに行こうと思っていた。 あいにく、その日は朝から雨が降っていたが、編集部に着く頃にはすっかり雨も止み、晴れ間さえ出ている。「よし!」と思ったのもつかの間、雨天中止となってしまった。信じられない感じだったが、「まあ、オープン戦だから」と納得はした。しかし全国で行われているオープン戦の中には笑っていられない状況もあるようだ。 例えば3月16日、甲子園でのタイガース対ジャイアンツ戦。テレビを通じても分かる大粒の雨の中、3万人の観客が集まった。結果は5回雨天コールドでジャイアンツの勝利に終わったが、両チーム合わせて3安打。とても参考にはならない内容だった。「興行収入が見込めるとはいえ、こんな状況で試合を強行しても……」という声が関係者から漏れていたとも聞く。 また「オープン戦は調整の場」と考えるなら、結果よりも内容が重視されるべき。なのにシーズン中と同じように応援を繰り返し、ボテボテのヒットでもその選手の名前を連呼し、結果を讚えているファン。 果たして、オープン戦の意義とはどこにあるのだろうか? いつも考えさせられる。 |