大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が自殺した問題をめぐり、市教委は16日、いじめ対策の改善を目指す検討委員会の3回目の会合を開き、いじめや暴力行為などの校内問題への対応策を示した市教委作成の「生徒指導のてびき」の活用状況について検証した。
市教委によると、市内55の小中学校の生徒指導担当にアンケートをしたところ52校で使っていたことが判明。この中には自殺した男子生徒が通っていた中学校も含まれ、いじめを早期に発見するためのチェックシートを活用していると回答したという。
この日の会合では、アンケート結果を踏まえ、「単純にチェックするだけではなく、『いじめではないか』という意識を持って活用する姿勢が教諭に必要だ」との指摘が出された。沢村憲次教育長は「現場任せにするのではなく、使い方の方策を市教委から示す必要がある」と述べた。
アンケートでは、教員が多忙なうえ、人手不足もあって子どもたち一人ひとりに対するきめ細かな対応が難しくなっているとの意見が多く寄せられたという。会見した松田哲男教育部長は「根本的な改善に向けて議論したい」と話した。