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日本人の集団脱出 新資料発見
10月17日 13時20分

終戦当時、旧ソビエトの統治下にあった現在の北朝鮮に取り残されていた日本人が、150人の集団で脱出したことを伝える資料が大阪の民家で保管されていたことが分かりました。
専門家は「150人という人数での脱出は珍しく、資料がまとまって残っているのも異例のことだ」と話しています。

この資料は、朝鮮半島からの引き揚げ者で、13年前に亡くなった大阪・豊中市の横田久治さんの家族が遺品を整理していて見つけたものです。
横田さんは終戦当時、現在の北朝鮮のキムチェクに家族と暮らしていましたが、旧ソビエトの軍隊が侵攻してきたため、昭和21年6月、船をチャーターし、町に住むおよそ150人の日本人を乗せて脱出したということです。
資料には、脱出の過程を記した手記や名簿、それに船をチャーターした際の領収書のほか、朝鮮の保安隊に怪しまれないようにと持ち歩いた「移動願い」という書類も残されていました。
このうち「移動願い」は、表向きは「就職のため」に集団で移動するという申請内容になっていて、朝鮮の保安隊の印鑑やロシア語のサインもあり、事前にできるかぎりの準備を尽くしていたことがうかがえます。
引き揚げ者の研究を進めている九州大学韓国研究センターの松原孝俊教授は「150人という人数での脱出は珍しく、初めて見る書類もあり、これほどの資料がまとまって残っているのも異例のことだ」と話しています。

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