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これが、ロイズ・オブ・ロンドンだ!運命の土曜日がやってきた。
ロイズがあるのは、ロンドンの金融街。地下鉄を降りて、いかにもロンドン的なカーブの道を進んでいくと、趣深く連なったファサードを突然打ち破るように見え隠れする、金属的な物体が。 あのパイプ。明らかにあれだ。
ばばーん。
大通り側からもう1枚。
さらにちょっと遠くからもう1枚いっとこう。この、ロンドンの伝統的な街並にぬるっと姿を現す異物感がすごい。
10時開場だったので、念のため9時すぎに来てみたが、もう入口から建物の角まで、50mほどの行列ができていた。このひとたちが全員世界中から集まったエスカレーターファンだと思うと胸が熱くなるが、実際のところは、世界中から集まった建築ファンの皆さんである。アジア系のひとも多く、いかにも建築学んでます、という感じの日本人男子の皆さんも何人かみかけた。
わくわくと待つ皆さん。ロイズも人気のあるほうだが、他にも優に5時間待ちといった施設もあり、どこもにこにこと高いテンションを維持していた。建築ファンってすごい。
ちなみにこのイベントの運営はすべて、各施設のボランティアスタッフが行っている。みんなで「ロイズ・オブ・ロンドン」Tシャツ着ているのがちょっとうらやましい。もし外部の者もボランティアスタッフになれるのだったら、英語を猛勉強して次はスタッフとして参加したい。
9時30分ごろ、素敵なチラシをもらう。今日はエスカレーターが主役の日だ!
9時40分ごろに列が動き出し、あれよあれよと思っている間に入り口の中へ。簡単な荷物チェックを通過した正面は、ああ、なんということだ。すぐに目当てのエスカレーターに乗るコースになっている。
ま、待って!心の準備が…!(ぶれた)
乗ってついた先が、巨大な吹き抜けのロビーになっていて、
背後にはこれだ。おごそかに動き続ける、エスカレーターの山…!
うっとり。
ロイズは、こんな外観をしているが、とても歴史のある保険会社(組合)だ。その名前は、大航海時代に自然と貿易商や船員がたむろし、海上保険の取引が行わるようになった、ロイズ・コーヒー・ハウスに由来するらしい。その店長ロイズさんの死後、コーヒー店でなくなっても、保険取引の場として名前が生き続けているということ。いい話。 ロビーにはその歴史を物語るグッズが展示されており、みんなそれに見入っていた。
ロビーを取り囲む事務スペースは図書館のよう。ITの時代も対面取引をモットーとしているロイズ、セキュリティでがちがちにかためたりしていないのが印象深い。エスカレーター眺めながら仕事できるのが羨ましい。
中央の大きな鐘は、過去、大きな海難事故が発生した際に鳴らされたもの。タイタニック号の事件のときも鳴ったらしい。
ロイズTに身を包んだスタッフの皆さんが熱心に説明してくれていたが、英語がわからないので全てあとから日本語で調べたところによる。
ところでこのエスカレーター、1階より上にのぼっていくのはスタッフの皆さんだけみたいだ。なるほど、内部公開といってもこのエリアだけなんだな…やはり次はスタッフとして来なければだめか…と早合点して、30分くらいこの位置からエスカレーターを見上げていたのだが… あれ?のぼっているひとがいる…?
開場直後に入ったので、まだ上にいるひとがいなかっただけのようだ。上の階にもぞくぞくと人影が!しかし、エスカレーター以外に上る手段が見当たらない。このフロアからはみんな、外の出口に誘導されているように見えるのだが、どうやって…
ああ!そうだ!この建物、エレベーターが全部外づけだったじゃないか!!! 出口と思っていたところに向かってみたら案の定、エレベーターロビーに案内された。
ガラス張りのエレベーターの上を見上げるとこんな感じ。このスケスケのエレベーターでついに上にのぼります!
ごごごごご。
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