原子力安全協定などについて話す嘉田由紀子知事=県庁で
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嘉田由紀子知事は十六日の定例会見で、夏の電力逼迫(ひっぱく)時期を過ぎても稼働を続ける関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、「(両機を)止めるべきだという理屈はあるが、原子力安全協定をスピード感を持って結ぶ方が現実的対応として必要だと思う」と述べ、関西電力など三事業者との間で協議中の原子力安全協定の締結を優先させる考えを示した。
十七日には協定締結に向けた第四回協議が開かれ、関電側から協定の素案が示される予定で、嘉田知事は立地自治体並みではなく、立地自治体に準じた内容での締結を目指す考えを明言。「県民の安全安心を担保できるような形での協議を前向きに進めたい」と説明した。
一方、大阪府・市エネルギー戦略会議が両機の稼働停止を求める申し入れを国にしたことには「考え方は支持するが、現実的判断としていくらここで声を上げても無力感がある」と吐露。原子力安全協定締結や地元自治体と住民参加の安全体制づくりを政府に提案する重要性を訴えた。
この日、嘉田知事は関西広域連合が今年五月末に再稼働を事実上容認する声明を出した判断についても言及。熱中症、経済界への影響、計画停電になった場合のリスクを挙げ、「知事として代替エネルギーや代替的経済活動手段が提供できるわけでもない。無力感を感じながらも、あの判断しかなかった、というのが今の判断」と述べた。
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