IS×スパロボOG×オリ主~スーパーIS大戦(?)~ (eibro)
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第三話 王女と軍人

「織斑くん、中村くん、リュウセイくん、ちょっとこちらに集まってください」
「?」
 俺たちが集まってしゃべっていると、副担任の山田先生が書類を片手に立っていた。
「えっとですね、寮の部屋が決まりました」
 そう言って俺たちに部屋番号を書かれた紙とキーを渡した。
「俺たちの部屋ってまだ決まってなくて各自の家に一週間ほど自宅から通学してもらうって話でしたけど」
 リュウが尋ねると、
「そうなんですけど、事情が事情なので一時的な処置として部屋割りを無理矢理変更したらしいです」
 へぇ、じゃあ荷物はどうしよう。
「部屋はわかりましたけど、荷物は一回家に帰らないと準備ができないですので今日はもう帰っていいですか?」
 一夏が聞くと、
「私が手配をしておいてやった」
 織斑先生が現れた。
「ど、どうもありがとうございます」
 話を聞く限り、この人は噂通りすごいらしい。
「まあ、生活必需品だけだがな。着替えと、携帯電話の充電器があればいいだろう」
 すげえ大雑把だな。
「それと、ダテ宛にも荷物が届いていたぞ」
「お、それはありがたい」
 ということは、俺だけ帰宅組か。
「じゃあ俺はこれで―――」
「待て中村。貴様にも着替えが届いていた」
 ちょっと怒気が孕んだ声でそう言われても怖いだけなんですが。
「そ、そうですか………」
 俺、何かしたっけ?





 リュウたちと別れて俺は四組に向かうと、お、まだ残っていたな。
「簪」
 俺はそいつの名を呼ぶと、彼女は顔を上げた。
「……健吾」
「どうした? 久々に会った幼なじみがイケメンすぎて泣きそうか?」
「…それはない」
 単なるジョークを素で返されると、泣きたくなるよね?
『見て、ISを扱える男よ。確か中野くんだっけ?』
『違うわよ。中村健吾よ』
 教室に残っていた何人かが俺に注目していた。
「…代表候補生と戦うって、聞いたけど本当?」
「ああ。本音か?」
「…うん」
「まぁ、成り行きだけどな。俺が望んでなったわけじゃない」
『彼が代表候補生と………?』
『代表候補生勝てると思っているのかしら』
 自惚れてはいませんからね!?
「そういえば、簪も代表候補生なんだよな?」
「…うん」
 簪が立ち上がると、俺の腕を引っ張って外に出る。
「どうしたんだ? もしかして俺に手伝ってほしいとか?」
「…あの教室であれ以上話をしていると、健吾が嫌な気分になると思った」
 確かに、あれ以上いると俺は手を出してしまう可能性があるからな。
「…それと忠告。少しは自制心を保った方がいい。代表候補生を手にかけると、面倒なことになる」
「わかった。できるだけそうするよ」
 俺は簪を寮に送ると、振り向いた。
「そこにはいるのはわかっているんだ。さっさと出てきたらどうだ?」
 すると、黒の人間が現れた。
「中村健吾だな」
「だったら何だ?」
「お前は消させてもらおう」
 黒が俺に向かって駆けるが、何者かが割り込む。
「やらせない」
「――なっ、なぜこんなところに!?」
 誰かが割り込んできたのでその隙に黒の後ろに回り込み、バチッと落とす。
 すると、黒が倒れて中から男が現れた。
 俺と俺の前に現れたメガネをかけた女の子が距離を取るが、その男は動かない。どうやら気絶しているようだ。
「そこまでよ、二人とも」
 突然の声に俺は警戒態勢をとった。
「……楯無」
 虚さんとともに楯無が現れた。この人がIS学園生徒会の現会長である。それともう一人、
「ラトゥーニ!」
 金髪の美少女がさっきの女の子に抱きつく。
「……シャイン王女」
 というか、抱きつかれた人がすごく困っているのですが………。
 だけど、ここから二人の世界。俺は邪魔する気はない。
 踵を返してそこから離れようとすると、楯無に肩を掴まれた。
「どこに行くのかしら?」
「別に口外する気はない。不安がらせるなんて逆にここが非安全地帯だと言っているようなもんだろ」
「違うわ。少しは話を聞きなさい」
「いや、正直このままここにいると、あまりにも見ちゃいられない展開が繰り広げられそうなんだが………」
 ラトゥーニに呼ばれたメガネっ娘がなんとかもがいているが、かなりの要人なのか、抵抗してなかった。
「シャイン王女。そういうのはせめて部屋でしてもらえませんか」
「失礼しました。そちらの殿方が普通の男のIS操縦者である中村健吾様ですね」
 シャイン王女って……誰だ? どこかで聞いたことが……。
 俺が記憶を辿っていると、
「健吾くん。彼女はリクセント公国のシャイン・ハウゼン王女、そしてラトゥーニ・スゥボータ少尉です」
「待ってください虚さん。いきなり突っ込みどころがありすぎます」
 王女に軍人かよ。
「更識家とリクセント公国の王女が密約を結んだんなら、俺には関係ないだろ」
 一応、ここにいる全員が普通の奴らじゃないことはわかった。
「違うわよ健吾。あなたは外部から狙われているから護衛を着けようとしたのよ。この人間の行動を見てわかったでしょ?」
「ああ。おそらくこいつは記憶操作をされていたんだろうな。まるで抜け殻だったぞ」
 俺がそれを指摘すると、四人は驚いた顔をした。
「よくわかったわね」
「強いて言うなら声だな。早く終わらせて帰りたいって雰囲気がとれた。それとこいつは連邦軍の特殊教育機関『スクール』の出身者だろ。さっさと精神科の病院に入れてゆっくり休ませてやれ」
 そっちの方がほとんどがマシだしな。コイツらにとっては。
 俺が自分の部屋に向かおうとすると、
「待ってください!」
 ラトゥーニという女の子が声をかけた。
「なんだ」
「りゅ、リュウセイの居場所、知ってますか?」
 ………はい?



都合上、OGメンバーで出ているほとんどの人は同一年齢です。


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