IS×スパロボOG×オリ主~スーパーIS大戦(?)~ (eibro)
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早く出ないかな、新刊。
第一話 やってきましたIS学園
さて、この状況はどうすればいいのか。
「全員揃ってますねー。それじゃあSHRはじめますよー」
黒板の前には身長やや低めの女性の副担任。山田真耶先生。
そして隣には幼なじみの布仏本音。
さらに俺の列の一番前には、最初のイレギュラーこと織斑一夏。
ここは本来は女子校であるはずのIS学園。
「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」
美少女多めは一般男子の俺にとっては嬉しいことだが、それとこれは関係ない。今は。
「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」
俺――中村健吾は早くも精神のライフがそんなに残っていなかったりする。
(早く、ゲームがしたい)
まぁ、二人だけなら本音に抱きついて成分補給したいんだけどね。だけどここだとセクハラになるからな。更識家に行けば自動的に補給できるけど。
「織斑くん。織斑一夏くんっ」
「は、はいっ!?」
どうやら話を聞かずに現実逃避したと思われる織斑一夏は山田先生の声に驚いていた。
「あっ、あの、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる? 怒っているかな? ゴメンね、ゴメンね!」
いや、今のは織斑が悪いと思います。
「でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ゴメンね? 自己紹介してくれるかな? だ、ダメかな?」
山田先生を小動物として認定するべきだと思う。
「いや、あの、そんなに謝らなくても……っていうか自己紹介しますから、先生落ち着いてください」
よし、現実逃避しよう。こんな空気は耐えられない。
ちなみにとなりの本音はのほほんとしていた。可愛いな。
「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」
おいおい、周りの女子よ。こんな女だらけの席で期待するのはどうかと思うぞ。アイツだって緊張しているんだ。
とりあえず、視線を本音に戻して、
やっぱり可愛いな。さっさとこの授業を終わってほしいな。簪に会いたいな。
銃声のような音がいきなりしたので前を見ると、あの有名な織斑千冬が立っていた。
「げぇっ、関羽!?」
また銃声。出席簿であの音って逆にすごくね?
「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」
いや、否定はできないからな。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな」
あ、優しい一面はあるんだ。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五才を十六才までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」
途端に教室の中が騒がしくなった。うるせーっ!
「……毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か? 私のクラスだけ馬鹿者を集中させているのか?」
うん。その気持ちはわからなくはない。だけどね、おそらくどんな編成をしても、他のクラスでも騒ぐと思うんだ。
だって今もうるさいからな!
「で? 挨拶も満足にできんのか、お前は」
「いや、千冬姉、俺は――」
本日三度目の銃声だが、ここは戦場か?
「織斑先生と呼べ」
「……はい、織斑先生」
やっぱり姉弟だったか。
「次、中村、自己紹介しろ」
「はい」
視線がいっきに俺に集まる。
「名前は中村健吾です。趣味はなくて特技は秘密。好きなタイプは好きになったらどれでもいいでしょ。以上です」
よし、これで終わった。そして少なくとも織斑みたいにこけるやつはいなかった。
「さあ、SHRは終わりだ。諸君らにはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体にしみこませろ。いいか、いいなら返事しろ。よくなくても返事しろ、私の言葉には返事しろ」
横暴の教師だった。
一時間目が終了し、俺は注目の的。
そんなところにもう一人もやってきた。
「ちょっといいか?」
「ああ、どうした?」
「俺は織斑一夏だ。よろしく」
「中村健吾。さっき言ったとおりだ。まぁ予想はつくけどな」
「ああ。というかこの学校で男子が俺たちだけってのがキツイよな」
「そりゃ、仕方ないとはいえ、な」
俺たちの談笑が続くと、後ろから誰か―――篠ノ之箒が現れた。
「……ちょっといいか?」
「ああ、織斑だろ。いいぜ」
そう言うと篠ノ之は織斑を引っ張っていった。
「で、本音。お前はさっきからなんで様子を伺っているんだ。楯無の命令か? それとも簪か?」
「両方かな~。でも、かいちょーも気にしてたのは気にしてたよー」
「そうか」
かいちょーというのは、この学園の生徒会長。俺は今の会長さんとは知り合いだ。
「でも驚いたよ。まさかけんけんがISを使えるなんて」
「俺だって驚いたさ。本音と簪もここにいるなんて」
お互い、笑っていることは笑っている。
「かいちょーから伝言。生徒会室に来たらイイコトしてあげるだってー」
いやだな。でも行かないとあの人怖いし。
「そのイイコトって、俺に降りかかる災難だと思ってもいいのか?」
「大丈夫だと思うよ。でもその前に、かんちゃんに会わないとね」
「大丈夫! それは俺のスケジュールの中でも絶対必須項目に当てはまるから!」
俺が親指を立てると同時にチャイムが鳴った。
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