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'12/10/17

中国地方路線バス8割が赤字


 中国地方で路線バスを運行する民間29社のうち、82・7%の24社が2012年3月期決算で赤字だったことが16日、分かった。赤字の割合は全国平均に比べて約10ポイント高い。人口減が続く中山間地域の路線が多いためだ。バス会社は県や市町村の補助金を頼みにするが、自治体も財政難。今後の路線維持に難しい対応を迫られそうだ。

 中国運輸局によると、広島11▽山口5▽岡山8▽島根3▽鳥取2―の計29社が、それぞれ30台以上を保有し路線バスを運行する。

 12年3月期決算で黒字は5社だけで、今月末でのバス事業廃止を発表した井笠鉄道(笠岡市)を含め24社が赤字だった。

 赤字を穴埋めする国や自治体の補助金が減れば、バス会社の経営が行き詰まる可能性がある。広島県中央部が拠点の事業者は「『地方の地方』の路線は補助金なしで維持できない。人口が減り、マイカーが普及した現状で自立は難しい」と話す。

 広島県によると、県内の民間路線数は約1600。うち約1200路線が赤字という。県は複数の市町を通る路線など約120路線に補助金を交付。11年度は計4億8千万円だった。市町も単独で約500路線に補助金を出している。

 湯崎英彦知事は16日の記者会見で「必要なものはしっかり支援する」と強調する一方、「経営面も含め、路線を維持する努力も求められる」と指摘する。

 福山市立大の高村義晴准教授(交通学)は「補助金で赤字を穴埋めするやり方は続かない。住民がNPO法人などをつくり運行を引き継ぐ仕組みも含め、各地域で議論する必要がある」と指摘する。




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