遠隔操作ＰＣ　ネット掲示板の用語　ウイルス　犯行予告でも使用

　遠隔操作ウイルスに感染したパソコン（ＰＣ）から犯罪予告が送られた事件で、ウイルスの詳しい解析の結果、ネット掲示板特有の用語がプログラムから見つかったことが十三日、分かった。関係者はネット掲示板を熟知した人物が関与した可能性が高いとみている。

　ウイルス対策ソフト大手トレンドマイクロ（東京）によると、ウイルスのプログラム本文の中に「ｋａｋｉｋｏ」という文字列があった。「カキコ」は「書き込み」を省略した言葉で、掲示板で使われる。

　一方、捜査関係者によると、釈放された大阪府吹田市のアニメ演出家北村真咲さん（４３）のＰＣから送られた日航機爆破予告メールの送信者名が「汚村」となっていたことも判明。「北」の当て字で「汚」を使ったとみられ、こうした当て字は掲示板でよく見られる表現だ。

　北村さんのケースでは、感染原因が掲示板「２ちゃんねる」のリンク先からダウンロードした無料ソフトとみられることが既に判明。こうした特徴から、ウイルス作成から犯罪予告までを、掲示板に詳しい若い日本人が一人で実行したとの印象で関係者はほぼ一致している。

　また、北村さんのＰＣから大阪市に殺害予告が送られた事件で、大阪府警が事件三日後の八月一日にＰＣの任意提出を受けて調べた際、無料ソフトが既に削除されていたことが分かった。