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地方
広島電鉄唯一の木造、取り壊しへ さようなら廿日市駅舎
2012.10.18 02:11
■「90年間ありがとう」
広島電鉄に唯一残る木造の駅舎、広電廿日市駅(廿日市市廿日市)が12月にも取り壊される。大正時代に開業し、90年近くにわたる地域の人々の思い出が詰まった駅舎には「寂しい」「長い間お疲れさまでした」と、名残を惜しむ声が続々と寄せられている。
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広電廿日市駅は大正13(1924)年4月5日に「廿日市町駅」として開業。木造駅舎も開業当時に建てられた。現在は通勤、通学客を中心に1日に延べ約2500~3千人が利用している。
売店の営業は平成16年に、窓口業務は17年11月にそれぞれ終了し、駅舎としての役割は終えているが、鉄製の改札口や出札窓口は残されており、往年の面影をしのばせる。
取り壊しは、駅前周辺の整備事業に合わせ、ホームが移設されることから決定した。駅舎内には「さようなら広電廿日市駅舎」と書かれた大学ノートが置いてあり、駅の利用者らが思いをつづっている。
「いつも使っていたから寂しい」「今まで長い間お疲れさまでした」「たくさんの思い出ありがとう。なくなっても一生忘れません」。そんな感謝や取り壊しを惜しむ声がたくさん。
駅舎で売店を営んでいた和田トモエさん(90)は「本当に寂しい」と残念がる。約60年にわたり、駅舎とともに地域の人たちを見守ってきた和田さん。「駅を利用する人たちに毎日、元気をもらっていた。人の波がうれしかった」と振り返った。
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