政府が9割超を出資する産業革新機構は、経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスの株式の3分の2を1千数百億円で取得する方針を固めた。ルネサスの半導体を使う自動車や電機大手にも計数百億円を出資するよう打診しており、買収額は計1500億円規模になる見通し。ルネサスも受け入れる意向だ。
今回の出資検討は事実上、国によるルネサスの救済にあたる。出資後に再建に失敗すれば、国民負担が発生する可能性がある。
ルネサスはモーターなどの動きをきめ細かく制御するマイコンが主力で、自動車向けでは世界で4割超のシェアを持つ。機構案は、先に1千億円で買収を提案した米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)を上回る条件を出すことで、日本メーカーと二人三脚で高性能な製品を開発してきたルネサスの技術が海外に流出するのを防ぐ狙いがある。