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リハビリ態勢不備 過去5年分の診療報酬返還へ…群馬
リハビリテーションの診療態勢に不備がありながら、診療報酬を受け取っていたとして、群馬県長野原町の西吾妻福祉病院は24日、過去5年分のリハビリの診療報酬を患者と保険者に返還する方針を明らかにした。
長野原町など4町村でつくる同病院組合の運営協議会で同日、病院側が報告した。同病院は不備を認めた上で、「年内には返還額を確定させ、返還のメドをつけたい」としている。
厚生労働省によると、リハビリの診療報酬を得るには、専従する理学療法士や作業療法士の人数など、同省が定める施設基準を満たさなければならない。
同病院によると、入院・外来患者のリハビリ診療時間内に院内で専従すべきスタッフが、訪問リハビリのため院外の患者宅などに出かけることが常態化していて、一部で施設基準を満たさない状態があったという。
同省関東信越厚生局群馬事務所は8月下旬と9月上旬の2回、同病院に立ち入り調査を行い、不備を指摘。これを受け、同病院は9月14日、同事務所に対し、リハビリの診療報酬を受け取るための届け出を取り下げることを申し出て受理された。同病院では、カルテが保存されている過去5年分まで遡り、診療報酬を返還するとしている。
折茂賢一郎・同病院管理者は、「訪問先への移動時間がかかるので、早く外出していたようだ。指摘で初めて不備に気づいた。反省している」と話している。
同病院では現在もリハビリを続けているが、診療報酬は受け取っていないという。今後、外来・入院患者のリハビリと訪問リハビリを行うスタッフを分けるなど態勢を改善。同事務所に改めて届け出て、10月にも診療報酬を請求できるようにしたいとしている。
同病院は2002年に長野原町、草津町、嬬恋村、旧六合(くに)村(現中之条町)の4町村が開設し、公益社団法人「地域医療振興協会」(東京都)が運営している。
(2012年9月25日 読売新聞)
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