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若松孝二監督、急死 12日に交通事故「命に別条なし」から一転

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2010年7月、都内で行われた監督作「キャタピラー」の上映会に出席した若松孝二監督(左)。右は同作でベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞した寺島しのぶ

 12日夜に東京・新宿区内で交通事故に遭っていた映画監督の若松孝二(わかまつ・こうじ)さんが17日午後11時5分、搬送先の病院で死亡した。76歳だった。若松監督は1960~70年代に暴力や政治、エロスをテーマとする作品を量産し、全共闘世代に支持された。葬儀・告別式の日取り、喪主などは未定。事故の一報は16日に伝えられたが、「命に別条はない」とされていた。

 交通事故から6日目。意識もあり、命には別条はないと伝えられた容体が一転、若松監督が搬送先の病院で亡くなった。若松プロでは17日深夜、「明日(18日)以降に対応を考えたい」と話した。

 警視庁四谷署などによると、若松監督は12日午後10時10分頃、新宿区内藤町1で外苑西通りを横断しようとしたところをタクシーにはねられ、頭や腰を強く打つ重傷を負った。

 かつて若松プロに所属していた高橋伴明監督(63)は16日夜、自身の新作映画の試写会で、「骨折だそうで、意識はある。本人が『今は家族だけで』と言ってるみたい」と説明。

 現場は片側2車線の直線道路で見通しは悪くないが、近所の住人などによれば、若松監督は数十メートル先にある横断歩道まで行かずに道路を横断。中央分離帯を越えたところで、事故に遭ったという。 若松監督はテレビドラマの助監督を経て、63年に当時ピンク映画と呼ばれた成人向け作品「甘い罠」で監督デビュー。60年代にピンク映画を多数手掛ける一方、暴力や政治、エロスをテーマにした作品が若者に支持された。80年代以降に一般映画に進出。連続暴行魔が主人公の「水のないプール」や元全共闘世代の戦いを描いた「われに撃つ用意あり」で評価を得た。

 08年にベルリン国際映画祭で「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」が最優秀アジア映画賞を受賞。10年には「キャタピラー」に主演した寺島しのぶ(39)が最優秀女優賞に輝いた。

 最近も精力的に活動。今年は「海燕ホテル・ブルー」、「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が既に公開。来年には、ベネチア国際映画祭出品作で最後の作品になった新作「千年の愉楽」(主演・寺島しのぶ)の公開も控えていた。

 関係者によれば、寺島も訃報を知り、大きなショックを受けているという。

 ◆若松 孝二(わかまつ・こうじ)1936年4月1日、宮城県生まれ。地元の高校を中退後に上京。職を転々とし、テレビ映画の助監督を経て、63年にピンク映画「甘い罠」で監督デビュー。65年、独立プロ「若松プロダクション」を設立。2008年の「実録・連合赤軍あさま山荘への道程」でベルリン国際映画祭最優秀アジア賞などを獲得。10年の「キャタピラー」は、主演の寺島しのぶが同映画祭の銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。

[2012/10/18-06:05 スポーツ報知]

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