モー娘。ｉｎバンコク握手会　めざせ！！アイドル世界遺産

　【バンコク江川悠】人気アイドルグループ「モーニング娘。」が１７日（日本時間同日）、当地の商業施設「ゲートウェイエカマイ」で、ハロー！プロジェクトの誕生１５周年を記念した握手会イベント「世界握手会〜“ありがとう”をこめて〜」を開催した。「めざせ！！アイドル世界遺産」をスローガンに、４都市を回る初の海外握手会ツアーの一環。初めて訪れたタイで、ファンから熱烈歓迎を受けたリーダーの道重さゆみ（２３）は「こんなにも世界中から愛されるグループになれたことを誇りに思います」と手応えを口にした。

　ほほ笑みの国で、リーダー道重のとびっきりの笑顔がはじけた。握手会会場を埋め尽くした約３０００人に感謝の気持ちを込めて「チャンラクンカー（愛してます）！！」とシャウトすると、割れんばかりの大歓声が響き渡った。

　モーニング娘。は、２００８年に台湾、韓国、中国で初のアジアツアーを成功させたほか、米国やフランスでの音楽イベントに参加している。海外ファンへ１５年分の感謝を直接伝えるため、握手会で世界を回るという女性アイドル史上初の企画が実現した。

　１１人のメンバーを代表し、道重、田中れいな（２２）、譜久村聖（１５）、飯窪春菜（１７）、石田亜佑美（１５）ら高校生以上の５人が参加する世界握手会は１５日に台湾・台北でスタート。翌１６日にバンコク入りした際、スワンナプーム国際空港には横断幕やボードを掲げる約２００人のファンが待ち受け、タイに初上陸したメンバーを歓迎した。

　最新アルバム「（１３）カラフルキャラクター」のタイ盤購入者約５００人を対象とした１７日の握手会には、その６倍ものファンが駆けつけた。５人は「サワディカー、モーニング娘。カー！！（こんばんは。モーニング娘。です）」と声をそろえてあいさつし、最新シングル曲「ワクテカ　Ｔａｋｅ　ａ　ｃｈａｎｃｅ」とアルバム収録曲「Ｂｅ　Ａｌｉｖｅ」の２曲を歌唱した。

　田中は「テレビ（や動画など）と実物では全然違う。たくさんの方に興味を持ってもらいたい。これをチャンスに、いっぱいモーニング娘。をアピールしようと思います」と決意を新たにした。

　そもそも、モー娘。は、１９９７年にシングル「愛の種」を５日間で５万枚手売りするという条件をクリアしてメジャーデビューを果たした。いわば、握手会はグループの原点だ。

　今後は、３０日にパリ、１１月７日にソウルを回り、総移動距離は約２万５０００キロに及ぶ。道重は「１５周年を迎えられたのも、海外のファンもいたからこそ。たくさんの方に愛を返していきたい」と気炎。田中も「いつかはコンサートでも世界ツアーをやりたい」とさらなる飛躍を誓った。

　「めざせ！！　アイドル世界遺産」。そのスローガンどおり、握手と歌の力で世界中の誰もが知っているアイドルを目指す。

　タイにはモーニング娘。の非公式ファンクラブがあり、約１０００人の会員がいるという。約１０年前に結成されたそうで、動画サイト「Ｙｏｕ　Ｔｕｂｅ」や、タイでも放送されていたテレビ東京系「ハロー！モーニング。」の影響で徐々に人気を集めていった。会員の一人で、空港到着時にメンバーを待っていた社会人の女性ファン、ファーイさん（２４）は日本語で「モーニング娘。は何をしてもかわいい！！」と興奮気味に話した。

　◆握手会に先駆け、５人は結婚式にも使われるタイの民俗衣装チュッタイを、それぞれのメンバーカラーに合わせて着用し、世界遺産の王室寺院ワット・ポーを訪問。ピンク色の道重は「私が一番キップ（かわいい）です！！」と、覚えたてのタイ語を使ってアピールした。巨大な仏像が寝ころぶ全長４６メートル、高さ１５メートルの涅槃（ねはん）仏の前では、タイの習慣ワイに倣って合掌。「大きいとは知っていましたが、とにかくびっくりして、目が覚めました」と驚嘆していた。