2012年9月は、アップルの最新スマートフォン「iPhone 5」の発表以降、その話題一色になった。メディアとファンによるお祭り騒ぎは、もはやモデルチェンジの際の恒例行事になりつつある。しかし、キャリア・容量ごとに別機種としてカウントする機種別のランキングでは、新旧iPhoneを抑え、「GALAXY S III SC-06D」が1位を獲得した。
iPhoneの新モデル発売というビッグイベントがあったにもかかわらず、2012年9月のスマートフォン全体の月間販売台数は、前年比149.9％にとどまり、伸び率は2012年10月以降、4番目に低かった。新モデル待ちの買い控えと、予約が殺到した「iPhone 5」の供給不足が響いたと思われる。もし、9月のスマートフォン総販売台数の23.9％を占めた「iPhone 5」の発売日が10月以降にずれていたら、前年並みだった可能性もある。欲しい人はあらかた購入したとみられ、さすがに伸び率は鈍化してきた。
まずは、機種別の携帯電話ランキングからみていこう。SIMフリー端末を含む携帯電話全体の2012年9月の販売台数1位は、7月、8月に続き、NTTドコモのAndroid搭載スマートフォン「GALAXY S III SC-06D」が獲得した。ドコモのLTEサービス「Xi（クロッシィ）」に対応し、今年6月～8月に発売された2012年夏モデルの中では一番多く売れている人気機種だ。とはいえ、2位に入ったソフトバンクモバイルの「iPhone 5」64GBモデルとの差はわずか0.1ポイントで、11位のauの「iPhone 5」の64GBモデルとも2.3ポイントしか離れていない。ライバルのiPhoneの人気が特定のモデルに集中せずにバラけたために、かろうじて1位をキープできた格好だ。
「iPhone 5」と「iPhone 4S」について、キャリアごとに容量を合算すると、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」（11.1％）、auの「iPhone 5」（6.9％）、ソフトバンクモバイルの「iPhone 4S」（6.6％）、auの「iPhone 4S」（5.0％）、「GALAXY S III SC-06D」（4.9％）の順となり、2キャリア分を合算すると、2011年9月まで11か月連続でトップだった「iPhone 4S」に代わり、「iPhone 5」がシェア18.0％でトップに立った。
iPhoneの場合、キャリアをまたいで機種変更しても、iOS 5以上で「iCloud」を利用していて、同じApple IDを使用すれば、ダウンロードしたアプリや連絡先などのデータを引き継ぐことができる。キャリアから提供されるメールアドレスを使っていなければ、MNPのハードルは低い。出費を抑えるために、キャリアや店舗が実施するMNP向けキャンペーンを利用し、2年おきにMNPでキャリアを乗り換えるのも一つの手だ。
続いて、主要3キャリア、ドコモ・au・ソフトバンクモバイルのキャリア別月間トップ10を紹介しよう。なお、iPhone 5/4Sについては、容量を合算して1機種としてカウントしている。
ドコモは、「GALAXY S III SC-06D」がトップ。前月7位だったiモード対応携帯電話「N-03D」が2位に浮上し、8月30日発売のスマートフォン「AQUOS PHONE sv SH-10D」が7位にランクインした。タイプ別構成比は、スマートフォンが71.6％、従来型携帯電話が28.4％だ。
auは、「iPhone 5」がシェア25.8％を占め、ダントツのトップ。2011年10月以来、ずっと1位だった「iPhone 4S」は2位に後退した。3位～5位は、前月とまったく同じ。タイプ別構成比は、iPhoneが44.2％、Androidを中心としたiPhone以外のスマートフォンが33.8％、従来型携帯電話が22.0％だ。
ソフトバンクモバイルは、auよりもiPhoneの比率が高く、最新モデル「iPhone 5」が41.2％を占め、「iPhone 4S」も24.6％を占めた。タイプ別構成比は、iPhoneが65.9％、iPhone以外のスマートフォンが12.5％、防犯ブザー付き端末「みまもりケータイ2」を含む従来型携帯電話が21.6％。主要3キャリアを比較すると、スマートフォン、従来型携帯電話とも、総販売台数はドコモが一番多い。
ソフトバンクモバイルは10月9日に2012-13年冬春モデルを、NTTドコモは10月11日に2012年冬モデルを発表。メインは、高速データ通信サービスに対応するAndroid搭載スマートフォンだ。auは10月17日に2012年冬モデルを発表し、「HTC J butterfly HTL21」を除くスマートフォン8機種は、11月2日に一斉に発売する。サービスエリア内でなければ高速通信のメリットは受けられないが、2年以上、同じ機種を使い続けるつもりなら、高速データ通信対応機種を選んでおいたほうが無難だろう。（BCN・嵯峨野 芙美）
＊「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
端境期の9月 iPhone効果でスマートフォンの販売台数は前年の約1.5倍に
iPhoneの新モデル発売というビッグイベントがあったにもかかわらず、2012年9月のスマートフォン全体の月間販売台数は、前年比149.9％にとどまり、伸び率は2012年10月以降、4番目に低かった。新モデル待ちの買い控えと、予約が殺到した「iPhone 5」の供給不足が響いたと思われる。もし、9月のスマートフォン総販売台数の23.9％を占めた「iPhone 5」の発売日が10月以降にずれていたら、前年並みだった可能性もある。欲しい人はあらかた購入したとみられ、さすがに伸び率は鈍化してきた。
僅差でドコモの「GALAXY S III」が1位を守る
まずは、機種別の携帯電話ランキングからみていこう。SIMフリー端末を含む携帯電話全体の2012年9月の販売台数1位は、7月、8月に続き、NTTドコモのAndroid搭載スマートフォン「GALAXY S III SC-06D」が獲得した。ドコモのLTEサービス「Xi（クロッシィ）」に対応し、今年6月～8月に発売された2012年夏モデルの中では一番多く売れている人気機種だ。とはいえ、2位に入ったソフトバンクモバイルの「iPhone 5」64GBモデルとの差はわずか0.1ポイントで、11位のauの「iPhone 5」の64GBモデルとも2.3ポイントしか離れていない。ライバルのiPhoneの人気が特定のモデルに集中せずにバラけたために、かろうじて1位をキープできた格好だ。
| 順位 | キャリア | メーカー | 品名 | 型番 | 販売台数 シェア（％） |
発売年月 |
| 1 | NTTドコモ | SAMSUNG | GALAXY S III | SC-06D | 4.9 | 2012/06 |
| 2 | SoftBank | アップル | iPhone 5 64GB(SoftBank) | iPhone 5 64GB(SoftBank) | 4.8 | 2012/09 |
| 3 | SoftBank | アップル | iPhone 4S 16GB(SoftBank) | iPhone 4S 16GB(SoftBank) | 4.3 | 2011/10 |
| 4 | NTTドコモ | NECカシオモバイル コミュニケーションズ |
N-03D | N-03D | 3.7 | 2011/12 |
| 5 | SoftBank | アップル | iPhone 5 32GB(SoftBank) | iPhone 5 32GB(SoftBank) | 3.4 | 2012/09 |
| 6 | NTTドコモ | 富士通 | ARROWS X | F-10D | 3.3 | 2012/07 |
| 7 | au | アップル | iPhone 4S 16GB(au) | iPhone 4S 16GB(au) | 3.1 | 2011/10 |
| 8 | SoftBank | アップル | iPhone 5 16GB(SoftBank) | iPhone 5 16GB(SoftBank) | 2.9 | 2012/09 |
| 9 | NTTドコモ | ソニーモバイルコミュニケーションズ | Xperia GX | SO-04D | 2.7 | 2012/08 |
| 10 | NTTドコモ | 富士通 | らくらくスマートフォン | F-12D | 2.6 | 2012/08 |
「BCNランキング」2012年9月 月次＜最大パネル＞
実質1位は「iPhone 4S」から「iPhone 5」へ
「iPhone 5」と「iPhone 4S」について、キャリアごとに容量を合算すると、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5」（11.1％）、auの「iPhone 5」（6.9％）、ソフトバンクモバイルの「iPhone 4S」（6.6％）、auの「iPhone 4S」（5.0％）、「GALAXY S III SC-06D」（4.9％）の順となり、2キャリア分を合算すると、2011年9月まで11か月連続でトップだった「iPhone 4S」に代わり、「iPhone 5」がシェア18.0％でトップに立った。
左から、iPhone 5（ブラック＆スレート）、GALAXY S III SC-06D（Pebble Blue）
iPhoneの場合、キャリアをまたいで機種変更しても、iOS 5以上で「iCloud」を利用していて、同じApple IDを使用すれば、ダウンロードしたアプリや連絡先などのデータを引き継ぐことができる。キャリアから提供されるメールアドレスを使っていなければ、MNPのハードルは低い。出費を抑えるために、キャリアや店舗が実施するMNP向けキャンペーンを利用し、2年おきにMNPでキャリアを乗り換えるのも一つの手だ。
スマートフォンの総販売台数はドコモがトップ
続いて、主要3キャリア、ドコモ・au・ソフトバンクモバイルのキャリア別月間トップ10を紹介しよう。なお、iPhone 5/4Sについては、容量を合算して1機種としてカウントしている。
ドコモは、「GALAXY S III SC-06D」がトップ。前月7位だったiモード対応携帯電話「N-03D」が2位に浮上し、8月30日発売のスマートフォン「AQUOS PHONE sv SH-10D」が7位にランクインした。タイプ別構成比は、スマートフォンが71.6％、従来型携帯電話が28.4％だ。
| 順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数（万画素） | 販売台数 シェア（％） |
発売年月 |
| 1 | SAMSUNG | GALAXY S III | SC-06D | 810 | 10.7 | 2012/06 |
| 2 | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | N-03D | N-03D | 810 | 8.0 | 2011/12 |
| 3 | 富士通 | ARROWS X | F-10D | 1310 | 7.2 | 2012/07 |
| 4 | ソニーモバイルコミュニケーションズ | Xperia GX | SO-04D | 1300 | 5.8 | 2012/08 |
| 5 | 富士通 | らくらくスマートフォン | F-12D | 810 | 5.6 | 2012/08 |
| 6 | ソニーモバイルコミュニケーションズ | Xperia SX | SO-05D | 810 | 5.4 | 2012/08 |
| 7 | シャープ | AQUOS PHONE sv | SH-10D | 1210 | 5.0 | 2012/08 |
| 8 | シャープ | SH-11C | SH-11C | 810 | 5.0 | 2011/05 |
| 9 | NECカシオモバイルコミュニケーションズ | MEDIAS X | N-07D | 810 | 4.8 | 2012/07 |
| 10 | 富士通 | らくらくホン ベーシック3 | F-08C | 510 | 4.6 | 2011/04 |
「BCNランキング」2012年9月 月次＜最大パネル＞
auは、「iPhone 5」がシェア25.8％を占め、ダントツのトップ。2011年10月以来、ずっと1位だった「iPhone 4S」は2位に後退した。3位～5位は、前月とまったく同じ。タイプ別構成比は、iPhoneが44.2％、Androidを中心としたiPhone以外のスマートフォンが33.8％、従来型携帯電話が22.0％だ。
| 順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数（万画素） | 販売台数 シェア（％） |
発売年月 |
| 1 | au | iPhone 5 (au) | - | 800 | 25.8 | 2012/10 |
| 2 | アップル | iPhone 4S(au) | - | 800 | 18.5 | 2011/10 |
| 3 | ソニーモバイルコミュニケーションズ | Xperia acro HD IS12S | IS12S | 1210 | 6.6 | 2012/03 |
| 4 | HTC | HTC J | ISW13HT | 800 | 5.3 | 2012/05 |
| 5 | 富士通東芝モバイルコミュニケーションズ | F001 | F001 | 1310 | 4.9 | 2011/11 |
| 6 | 富士通モバイルコミュニケーションズ | ARROWS Z ISW13F | ISW13F | 1310 | 4.3 | 2012/07 |
| 7 | 京セラ | 簡単ケータイ K012 | K012 | 515 | 3.3 | 2012/05 |
| 8 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | URBANO AFFARE | SOY05 | 810 | 2.9 | 2011/10 |
| 9 | シャープ | AQUOS PHONE SERIE | ISW16SH | 1211 | 2.7 | 2011/06 |
| 10 | SAMSUNG | GALAXY S II WiMAX | ISW11SC | 808 | 2.6 | 2012/01 |
「BCNランキング」2012年9月 月次＜最大パネル＞
ソフトバンクモバイルは、auよりもiPhoneの比率が高く、最新モデル「iPhone 5」が41.2％を占め、「iPhone 4S」も24.6％を占めた。タイプ別構成比は、iPhoneが65.9％、iPhone以外のスマートフォンが12.5％、防犯ブザー付き端末「みまもりケータイ2」を含む従来型携帯電話が21.6％。主要3キャリアを比較すると、スマートフォン、従来型携帯電話とも、総販売台数はドコモが一番多い。
| 順位 | メーカー | 品名 | 型番 | メインカメラの有効画素数（万画素） | 販売台数 シェア（％） |
発売年月 |
| 1 | アップル | iPhone 5 (SoftBank) | - | 800 | 41.2 | 2012/10 |
| 2 | アップル | iPhone 4S(SoftBank) | - | 800 | 24.6 | 2011/10 |
| 3 | ZTE | みまもりケータイ2 | 101Z | - | 8.8 | 2012/04 |
| 4 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | COLOR LIFE 3 | 103P | 510 | 3.8 | 2012/07 |
| 5 | シャープ | PANTONE 5 | 107SH | 490 | 3.2 | 2012/07 |
| 6 | シャープ | AQUOS PHONE Xx | 106SH | 1210 | 2.9 | 2012/07 |
| 7 | シャープ | PANTONE 4 | 105SH | 320 | 2.6 | 2012/03 |
| 8 | シャープ | かんたん携帯 108SH | 108SH | 320 | 2.4 | 2012/07 |
| 9 | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | COLOR LIFE 2 | 002P | 320 | 1.6 | 2011/02 |
| 10 | 富士通モバイルコミュニケーションズ | ARROWS A | 101F | 1310 | 1.4 | 2012/07 |
「BCNランキング」2012年9月 月次＜最大パネル＞
ソフトバンクモバイルは10月9日に2012-13年冬春モデルを、NTTドコモは10月11日に2012年冬モデルを発表。メインは、高速データ通信サービスに対応するAndroid搭載スマートフォンだ。auは10月17日に2012年冬モデルを発表し、「HTC J butterfly HTL21」を除くスマートフォン8機種は、11月2日に一斉に発売する。サービスエリア内でなければ高速通信のメリットは受けられないが、2年以上、同じ機種を使い続けるつもりなら、高速データ通信対応機種を選んでおいたほうが無難だろう。（BCN・嵯峨野 芙美）
＊「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
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