橋下「超イライラ」の裏に自民の「謀略」
(週刊朝日 2012年10月19日号配信掲載) 2012年10月10日(水)配信
だが、橋下氏の怒りはそれでも収まらなかった。3日にも改めて、松浪氏を名指しでこう批判した。
「松浪議員には変なパフォーマンスに走るのはやめてくれ、ときちっと厳しく言っています」
追い込まれた松浪氏はその日のブログで苦しい言い訳をこう重ねた。
《誤解をふりまくだけの報道には何の意味もない。それが大新聞ならなおさらだ。しかも今回の報道のきっかけは、朝日の記者の質問だったと聞くが、朝日新聞は報道していない》
しかし、その後、朝日新聞や日経新聞など各社が維新の内紛を相次いで記事化。松浪氏が白旗を揚げ、乱はあえなく幕引きとなった。
公開討論会で橋下氏から竹島発言を引き出したジャーナリストの田原総一朗氏はこう指摘する。
「維新の弱点は“橋下個人商店”ということ。橋下さんは松浪さんとのケンカもメディアに取り上げられれば宣伝になると計算し、一連の発言をあえてしたんじゃないか」
転んでもタダで起きないのが、“橋下流”なのだ。
だが、大阪維新の会に所属する議員は“松浪の乱”の裏に自民党の影がみえる、と危惧(きぐ)する。
「あえてブログで書いたのは、パフォーマンスやわな。古巣の自民党大阪府連から選挙目当てで維新にすり寄ったとバッシングされているんで、弁解したかったんやろう。彼は安倍(晋三・自民党)総裁の懐刀の菅(義偉・幹事長代行)さんの腰巾着(こしぎんちゃく)で、松井(一郎・大阪府知事)幹事長が安倍、菅ら大物を維新へ一本釣りしようとしたときの使い走り。選挙が済めば裏切りかねないと橋下さんは警戒しているようや」
橋下氏お得意のマスコミ対策も、ここにきて思うようにいかなくなってきた。
朝日新聞社が10月1〜2日に実施した世論調査によると、衆院比例区の投票先の第1位は自民30%、民主は17%。維新は3位だったが、わずか4%だった。
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