作家になりたい人のための縦書き設定(OpenOffice)
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※:現状(2011/10/18)のバージョンでは好ましくない動作をすることが分かりました。今後のバージョンによってはどうなるか分かりませんが、他のツールを検討したほうが良さそうです。
昨今は、公募している出版社へ、小説を送る人が増えているのだそうです。「文学新人賞がほしい」とか、「プロの作家になりたい」と考えている人は意外と多いようです。
それでまぁ、水嶋ヒロさんみたいに才能があると、入賞したりするわけですね。羨ましいかぎりですな。あやかりたい、絢香りたい。
それはそれとして、この書いた小説をですね、出版社へ送る場合には、たいていは縦書きでプリントアウトしたものでないといけないようです。(応募規定に書いてあります)
そうなると、今は多くの人がパソコンで書いているでしょうから、縦書きができるテキストエディタが必要になってくるわけです。ただ、探してみるとこれがなかなか見つからなかったりもいたします。
そこで、前回ご紹介した、OpenOffice(オープンオフィス)のご登場です。OpenOfficeのWriterの設定をいじると、案外いけるんじゃないかというものになります。今回はその設定をご紹介いたします。
原稿を書くのであれば、OpenOfficeよりも、「VerticalEditor」をおすすめいたします。
「作家になりたい人のための縦書き設定」とは?
「作家になりたい人のための縦書き設定」というのは、次のように縦書きの原稿用紙風にOpenOffice(Writer)を設定するというお話です。
これによって、文学新人賞を目指して執筆しているような人に適した設定にすることができるのではないかと思います。
※:画像をクリックすると少し大きな画像が表示されます。
ブログで小説を公開していらっしゃる人も多いですよね。せっかくですから、どんどん文学新人賞にも送ってみたらいいんじゃないかしら。
また、今回は設定していませんが、段組みなどもできるので、同人活動(同人誌の作成)などをしている人にも役立つかもしれません。OpenOffice、試してみてはいかがでしょうか。
さらに「こうした方がいいんじゃない?」という箇所があれば、いろいろと教えていただけるとうれしいです。
作家になりたい人のための縦書き設定(OpenOffice)
事前にOpenOffice(オープンオフィス)をインストールしておいてください。
くどいようですが、原稿を書くのであれば、OpenOfficeよりも、「VerticalEditor」をおすすめいたします。
1:OpenOffice(Writer)を起動する
(01)
OpenOfficeを起動させます。
OpenOfficeのショートカットがあるならば、ダブルクリックしましょう。
(02)
OpenOfficeが起動しました。
「文書ドキュメント」を、クリックしましょう。
2:ページを横向き、縦書きに設定する
(03)
OpenOffice(Writer)が起動しました。さっそく設定します。
上部メニュー「書式」をクリックし、「ページ」を選択しましょう。
(04)
「ページスタイル」画面が表示されます。
「ページ」タブをクリックし、向きは「横向き」を選びます。
(05)
さらにその右側。
文字の方向は「右から左へ(縦書き)」を選びます。
3:行数と文字数を設定する
(06)
「行数と文字数」タブをクリックし、グリッド線のところで「行数と文字数を指定する」を選びます。
(07)
さらにその下。
行数と文字数の設定のところで、ページ単位の行数を「20」、行単位の文字数を「20」に設定しましょう。
おそらく、ページ単位の行数は、最初から「20」になっているかと思います。「20」になっていない場合は、変更してください。
(08)
忘れずに、[OK]ボタンをクリックしましょう。
(09)
いかがでしょうか。縦書きの400字詰め(20×20)原稿用紙っぽくなったはずです。
4:フォントを設定する
(10)
フォントは、次のような傾向があるみたいです。ただ、絶対的なものではありませんので、「うむ、その方が良かろう」と思った人は、設定を変更しておくとよろしかろうと思います
- ゴシック体より明朝体の方が好まれるらしいです。ゴシックは紙にのったときにがっちりし過ぎるみたい。
- 選考委員には、ご年配の方々もいらっしゃるようなので、文字サイズは「12」以上が推奨されている。
- 「P」にしない。例えば、「MS P 明朝」ではなく、「MS 明朝」にする。
それでは、上部メニュー「書式」をクリックし、「文字」を選択しましょう。
応募規定でフォントについての指定がある場合は、もちろん応募規定の指定を優先してください。(これはあくまでも参考です)
(11)
「文字」画面が、表示されます。
アジア諸言語用フォントのところで、フォントは「MS 明朝」を選び、サイズは「14」にしてみましょう。(お好きなようにどうぞ)
(12)
忘れずに、[OK]ボタンをクリックしましょう。
(13)
フォントのタイプと、フォントサイズが変更されたはずです。
5:自動的にページ数が表示されるように設定する
(14)
次は、自動的にページ数(ページ番号)が表示されるように設定しておきたいと思います。(そのページが何ページ目か?を表示します)
おそらく、たいていは原稿用紙を右上で綴(と)じるはずですから、見やすいように左下に入れることにします。
くどいですけれど、応募規定でページ数に関する表示の指定がある場合は、もちろん応募規定の指定を優先してください。
(15)
まず、フッターが表示されるように設定します。
上部メニュー「挿入」をクリックし、「フッター」から「標準」を選択しましょう。
(16)
さらに、上部メニュー「挿入」をクリックし、「フィールド」から「ページ番号」を選択しましょう。
(17)
これで、ページ数(ページ番号)が表示されるようになったはずです。ついでなので、ページ総数も入れることにします。
ページ番号とページ総数の関係が分かりよいように、挿入したページ番号のあとに、半角スペースと斜線と半角スペースを入力しましょう。
6:自動的にページ総数が表示されるように設定する
(18)
さらに、上部メニュー「挿入」をクリックし、「フィールド」から「ページ総数」を選択しましょう。
(19)
これで、ページ総数も表示されるようになったはずです。
何でしたら、両端に括弧(かっこ)なども入れておくと、より分かりよいかもしれません。
7:行頭の促音と拗音などを許可する
(20)
促音(そくおん)、拗音(ようおん)とは、次のようなものです。例えば、ズゴックの「ッ」とか、ギャンの「ャ」とか小さな文字のことをいいます。
促音 | 「っ」など |
|---|---|
拗音 | 「ゃ」、「ゅ」、「ょ」、「ゎ」など |
それでこれが、OpenOffice(Writer)の初期設定では、行頭の禁則文字になっているんですね。
ゆえに、例えば次のように「谷川にそったみちは~」のような文章があったとすると、「っ」が行頭にこないように前の行の最後が空白になってしまうんですね。ちょっとおかしな感じがします。
行頭の禁則文字の設定を変更すると次のようになります。こちらの方が、自然な感じがいたします。
この行頭の禁則文字の設定をしておきたいという人は、以下、ずずいとやっておくとよろしいかと思います。
上部メニュー「ツール」をクリックし、「オプション」を選択しましょう。
(21)
「オプション」画面が、表示されます。
言語設定の左にある[+]をクリックしてメニューを開き、「日本語レイアウト」をクリックしましょう。
(22)
右側に行頭禁則文字を設定する箇所が表示されます。
標準のチェックを外しましょう。
(23)
促音や拗音を削除しましょう。(おそらく、次のような箇所があるはずです)
- ぁぃぅぇぉっゃゅょゎ
- ァィゥェォッャュョヮヵヶ
(24)
[OK]ボタンをクリックしましょう。
8:テンプレートとして保存
(25)
ひと通りできたら、テンプレートとして保存しておくと良いかもしれません。
上部メニュー「ファイル」をクリックし、「ドキュメントテンプレート」から「保存」を選択しましょう。
(26)
「ドキュメントテンプレート」画面が表示されます。
(あとで内容が類推できるような)ファイル名を入力し、[OK]ボタンをクリックしましょう。
例えば、「原稿用紙-MS明朝14」みたいなことです。他にも似たようなものを作って試すかもしれないので、特徴が分かりやすいファイル名がよろしいかと思います。
また、作成したテンプレートは、次のような方法で開くことができます。管理しやすくなりますね。
- OpenOfficeを起動したときに、「テンプレート」から開く。
- OpenOffice(Writer)が起動した状態で、上部メニュー「ファイル」の「新規作成」から「テンプレートとドキュメント」にて開く。
9:表示倍率の変更
(27)
あとは、書くだけです。みなさんがおもしろい小説を書いてくれることを、楽しみにしています。
そうそう、モニタの大きさにあわせて表示倍率を変えると、見やすくなって書きやすくなります。スライドさせるか、(+)ボタンと(-)ボタンで調節してみてください。
追記:文字数をチェックする方法(OpenOffice)
書き忘れていました。
(01)
公募には文字数の制限が決まっている場合もあります。OpenOfficeにて、作品の文字数をチェックする方法をご紹介いたします。
まず、書いた作品の本文のみ、範囲選択を行いましょう。
(02)
上部メニュー「ツール」から、「文字カウント」を選択してください。
(03)
「ワードカウント」画面が表示されます。
現在の選択の「文字数」のところに、本文の文字数が表示されるはずです。[OK]ボタンをクリックすると、画面は閉じます。
追記:勝手に行数が変更されてしまう瑕疵(バグ)
2011/10/18、追記。OpenOfficeでページ単位の行数を「20」、行単位の文字数を「20」に設定しても、それを無視して次のように「18」文字にしかならないことがあります。
何が原因なのか調べてみたところ、どうやらフッターが原因のようです。フッターを追加すると、勝手に文字数を減らして表示してしまいます。
なぜこのような仕様になっているのか? 憤りと憤り、そして憤りしか感じません。(ドつき回してさしあげたい)
世の中、何が起こるか分かりませんね。誰が補償してくれるわけでもありませんから、ようよう気をつけてかからなければいけません。
次回予告
お疲れさまでした。次回は、本でもご紹介させていただこうかしら。(アイデアがわき出す人間になるための 7つの方法)
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1:おすすめの無料ソフト(フリーウェア)
作成日:2011/01/27 更新日:2011/12/17
コメントありがとうございます。
お手数ですが、コメント前に留意事項をご覧くださいませ。
また、現在ご質問にお答えする余裕がない状態にあります。よろしくお願いいたします。
素晴らしい
印刷したときの文字間
コメントありがとうございます。
お役に立ちそうで良かったです。(´▽`)♪
ちょっと心配なのは、印刷したときの文字間です。
少しつめたほうがいいらしいんですけど、どうでしょうね。
自分だけの感覚だと、どうも分かりませぬ。(´Д`;)
何かお気づきの点やアドバイスいただけるとうれしいです。
よろちこびーむ。
役立ちました
設定できました。
将来本を出すチャンスがあるかもしれないと思い、先に原稿を書くつもりで準備方法を探していました。 だが、しかし、PCで原稿を書く方法をしらなかった。
ワードは持っていたのですが、オープンオフィスなら無料で作れる。 さらに、あなたの説明のおかげで5分と掛からず設定が出来た。
これですぐに文章が書けます。^^
「VerticalEditor」をお試しください!
コメントありがとうございます。
本を出すチャンスがあるかもしれないとは、
それはとても素晴らしいですねー。ヾ(*´∀`*)ノ
さて、それはとても素晴らしいのですが、いかがでしょう。
オープンオフィスを使うのは、いかがでしょう。
記事内でも注意書きしております通り、
フッターを入れるとおかしなことになります。
良かったら、こちらをお試しになってみてください。↓
「縦書きのアウトラインプロセッサ「VerticalEditor」」
→http://kumacrow.blog111.fc2.com/blog-entry-733.html
より満足のいく形でご利用いただけるかと思います。
参考にさせていただきますm(__)m
縦書きの応募規定とかありますよね~
印刷して原稿として送付とか…
テキストエディターで縦書き原稿用紙対応のものとか
使いにくいんですよね~