次回の書籍では、「貧乏」というコンセプトについて再解釈を加えようと試みています。
貧乏は自由である
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僕は「貧乏は自由だ」と思うんですよね。一体何を言っているんだ、という感じだと思いますが。
皆さんは最低限生きていくのに、一体いくらかかりますか?うちの夫婦は、とりあえず200万円も現金があれば、税金や年金も払いながらなんとか生きていけそうです。実家暮らしをしたり、減免制度を利用すれば、夫婦二人で150万円以下でも生きていけると踏んでいます。
極論すれば、うちの世帯(今度子どもが生まれるので数字は多少変わりますが…)は200万円稼げば、まぁ幸せに生きていくことができるのです。200万円以上の稼ぎは余剰利益として計上され、貯蓄やレジャーに費やすことになります。
僕が提起したいのは、「必要以上のお金を稼ぐために、無理しすぎていないか?」という問いです。
例えば独身だったら年間150万円もあれば、十分普通に都内で暮らしていくことができるでしょう。にもかかわらず、たった数百万円の年収を得るために、心身をすり減らして働いてしまっている人が、いかに多いのでしょう。その毎日の苦痛は、余剰利益に見合ったものなのでしょうか。
重い苦痛に耐えてささやかな余剰利益を得るくらいなら、いっそ「150万円だけ稼げば生きていける」と割り切って、会社を辞めるなり、転職してしまう方が僕は賢いと思います。
実際僕自身も、そんな価値観でフリーランスになりました。僕の場合はある程度貯金もあり、かつ共働きだったので、「最悪無収入でも貯金だけでまぁ2年は生きていけるだろう」という絶大な安心感をもって独立することができました。金銭的には豊かではないですが、今は幸せに生きております。
生活コストを抑えれば、稼ぐ必要がなくなり、その分「お金にならないけど価値のある仕事」「本当にやりたいこと」に時間を割くことができるようになります。
みなさんが今まさに「自由じゃないなぁ」と感じているのなら、まずは生活コストを見直してみるといいと思います。
恐らく、意外とお金が掛からないことに気付くはずです。もし低コストで暮らせていけるのなら、「余剰利益」と「自分の苦痛」を天秤に掛け、自分がしたい生き方を選択するとよいでしょう。
なお、「仕事超楽しいけど何か?」みたいに、特に苦痛を感じていない場合は、特段問題はないのでそのまま仕事を続けるのがよいと思います。
僕は生活コストを見直し、「貧乏」を受け入れるようにしてから、かなり精神的に自由になりました。仕事に苦痛を感じてしまっている方は、ぜひ「貧乏」という概念に再解釈を加えてみるとよいと思います。
…こういうことを書くと「それは日本を衰退させる思想だ!働け!辞めるな!我慢しろ!」みたいなマッチョイズムがわき起こりそうですが、僕は必ずしもそうだとは考えていません。次回の書籍では、お金を使わずに社会をつくる方法についても言及しておりますので、ぜひお読みください。
関連本。とはいえ、こういう話は僕以外の人も語っていて、特段新しいわけでもなかったり。