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— イケダハヤトさん (@IHayato) 10月 16, 2012
先日TRAPROの紹介記事をツイートしたところ、「一般社団法人はNPOじゃないだろ!」というツッコミを頂いたので僕の解釈を書いてみたいと思います。記事の中では確かに解説してこなかったので。
「NPO法人」と「NPO」は違う
僕は「NPO(非営利組織)」は非常に広範な概念として捉えています。
字義通り、「NPO」は「非営利組織」なので、ヴィークル(法人格)は何であれ、事業内容と目的、利益の分配方法、メンバーのモチベーションが営利目的でなければ、そんな組織スタイルであれ「NPO」と総称してよいと僕は考えています。あくまで個人的に、ですけどね。
株式会社をNPOと呼ぶことに違和感があるのはまだ分かりますが、「一般社団法人はNPOじゃないだろ!」というツッコミに関してはやや的外れです。最近はNPO法人よりも、一般社団法人を選択する組織も増えています。「NPO法人」と「一般社団法人」の違いは、あくまで法人格の問題にすぎません(違いについてはこちらの表が参考になりそう)。
いわゆる「NPO」で一般社団法人格を取っているところは、例えば
・一般社団法人シブカサ
・一般社団法人リディラバ
・一般社団法人チャンス・フォー・チルドレン
などがあります。非営利的な活動をしているこれらの団体を「NPOじゃない」というのはズレた批判でしょう。「NPO法人じゃない!」というならその通りなのですが。
さらには、株式会社でも非営利的な事業を行っている組織も存在します。そういう会社も、広義にはNPOと捉えられることがしばしばあります(特にイベントなどで)。
以前紹介した「家庭へのインターン事業」を展開するスリールは株式会社を取っていますが、その事業内容は多分に非営利的です。内容は非営利的ですが、「寄付型ではなく、あくまでビジネスをやっていく」という意気込みゆえに、株式会社を選択しているのでしょう。
(余談ですが「NPO法人にすると寄付や助成金でなんとかなるかも?という甘えが出てくるかもしれないので、株式会社にした」という経営者は少なくありません。)
また、シュアールやアスコエのように、株式会社とNPO法人(または一般社団法人)を両軸で運営している組織も存在します。彼らも広義には「NPO」と呼べる存在だと僕は考えます。
タイトルに書いたように、「NPO」は「学校」ぐらいゆるい概念で、解釈次第ではあらゆるものを「NPO」を呼べてしまうものだと思います。一方、「NPO法人」は「学校法人」のようなもので、法律に従った「法人格」となります。
補足すれば、「NPO法人」でも「NPO」と呼べない組織も存在するともいえます。利益目的でNPO法人を取っている事業者も少なからずいるといいますしね。
そんなわけで、連載記事やブログ記事などでは、僕は幅広く「NPO」という呼称を使っています。少なくとも一般社団法人は、ほとんどの場合「NPO」という紹介をしています。記憶にはないですが、過去には株式会社をNPOとして紹介したこともあるかもしれません。
なんだか小さな問題にこだわっているようですが、一般的にも「何をもってNPOと呼ぶのか」って疑問としてありそうなので、改めて書いてみました。これはあくまで僕の考えなので、補足・異論などがある方はぜひコメント欄に書き込んでください。
関連本。ドラッカーは「行政」も非営利組織に分類していますね。確かに。