社民党福井県連合は次期衆院選の福井1区に、新人で市民団体「サヨナラ原発福井ネットワーク」代表の山崎隆敏氏(63)=越前市入谷町=を公認候補として擁立する方向で最終調整に入ったことが16日分かった。21日の臨時大会で正式決定する見通し。
同党県連合が1996年に発足してから国政選挙で独自候補を擁立するのは初めて。前身の旧社会党にさかのぼると、中選挙区時代の93年の衆院選で辻一彦氏(故人)が当選して以来となる。
同党県連合はこれまで衆院選で、小選挙区では民主党県連と協力関係を結んできた。次期選挙に向けては、脱原発や消費税増税反対の政策が民主党とは異なるとして、7月から候補擁立を模索していた。
脱原発の方針に沿う候補として、原発再稼働の反対運動などを展開してきた山崎氏に出馬を打診。党の支持基盤の整った1区から擁立する方針を固め、16日開いた幹事会で確認したもようだ。比例代表北陸信越ブロックとの重複立候補になるとみられる。
山崎氏は福井新聞の取材に対し「東京電力福島第1原発事故を受けた原発の問題を訴えるため、党の呼び掛けに応えようと思う。脱原発を党是とする社民党と連帯して政治を変えたい」と話した。
山崎氏は龍谷大大学院中退。95年から今立町議を3期、在任特例で2006年7月まで越前市議を務めた。和紙販売会社経営。福島の事故を受け11年7月にサヨナラ原発福井ネットワークを設立した。