特集ワイド:「原発ゼロ」戦略、どこへ/下 自民政権、誕生したら… 米追従で再処理推進か

毎日新聞 2012年10月16日 東京夕刊

 自民党は福島原発事故後、党内に「総合エネルギー政策特命委員会」(委員長・山本一太参院議員)を設置し、今年5月にとりまとめを公表した。基本方針として、安全第一主義の徹底を掲げ、さらに再生可能エネルギーの導入で、早期に原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造を目指すとしている。エネルギー政策としては「10年以内に電源構成のベストミックスを確立する」とし、次期総選挙に向けた政策パンフレットにも反映させている。もちろん、「原発ゼロ」の文言はない。

 甘利氏は毎日新聞のインタビューに「原発推進派ではない。一つのエネルギー源に頼らないベストミックス派だ」と答えている。「ベストミックス」とは何か。

 特命委員会の委員長代理を務めた西村康稔衆院議員に尋ねた。西村氏は「『原発ゼロ』の理想は理解できるが、安易には言えない」と語る。さらに「これほど大きな脱原発の世論では、原発の新規着工は難しい。福島第1原発の原子炉内部を開けられるとされる10年後までに、新たなエネルギー戦略を確立する」と説明する。つまり、現段階での具体性はほとんどない。

  ■

 「自民党はエネルギー政策にあえて具体性を持たせていない。次期解散総選挙の争点にしたくないからでは」と山岡さんは話す。

 「自民党は米国が日本に期待する核燃料サイクルを推進したいのではないか。米国は新興国の原発増設による核拡散を警戒し、協調関係のある日本に核燃料サイクルを確立させ、核のごみ処理の見通しを付けたいと期待している。つまり日本に『核の番犬』になってくれと求めている」

 実際、野田政権の「原発ゼロ方針」について、米エネルギー省副長官が「さまざまな懸念がある」と難色を示したと報道されている。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

TAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM