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2010年9月20日号　　主なニュース　　トピックス　　食品情報　　化粧品・日用雑貨・その他　　物流・店舗関連　　社説

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パルシステム＝自給率向上へ戦略拠点　北海道・九州でモデル化
自給少ない品目で産地と協力

　パルシステム連合会は、北海道と九州で食料自給率アップをメインとした「戦略型産地モデル」を構築する。国内自給率の低い大豆や小麦などの穀物を中心に、産地と消費者が連携して加工品の開発や食べ方の工夫などを通して自給率アップに取り組む。北海道はＪＡおとふけ、九州はＪＡふくおか八女の２産地を中心とした地域に設定し、11月に協定書の調印を予定。ＪＡおとふけは小麦、大豆、小豆、ナタネなど、ＪＡ八女はタケノコを中心に裏作で生産している小麦などの品目で取り組み、新潟県の「ＪＡささかみ」の成功例のように、豆腐工場など加工施設の建設も検討。来年度以降、茨城県と千葉県で職員の研修を目的とした『パルファーム』の展開も考えている。

日本生協連＝役員を対象に「福祉セミナー」を開催

日本生協連＝福祉事業を第三の柱に　居住系サービスに挑戦

　施行から10年が経過した介護保険制度は、2012年に制度と診療報酬のダブル改定を予定している。　日本生協連はこのほど、今回の制度改定に適応できる事業と経営基盤の確立をめざし、全国の生協役員を対象に「生協福祉・役員セミナー」を開催した。　特別講演では、福祉事業の先進的な取り組み事例として、富山医療生協・理事長の大野孝明氏とコープあいち・専務理事の夏目有人氏が報告。　主催した日本生協連からは、福祉事業推進部部長の山際淳氏が、第11次中計（2010年―12年）での福祉事業展開計画や福祉政策提言などについて説明。　11次中計では5つの戦略テーマを掲げ、生協のコア事業である在宅介護サービスを発展させる新たな取り組みとして、本格的な居住系サービス（泊まる・住まう機能）に挑戦。10年度はそのノウハウを蓄積し具現化できる『居住系サービス元年』をめざす。

●コープあいち、富山医療生協が実践報告

　コープあいちの夏目専務理事は「新しい協同組合福祉」への取り組みについて説明。　同生協の福祉事業は事業高約18億円で、10年目となる昨年度に初めて経常剰余黒字化を達成。居宅介護支援（ケアプラン作成）や訪問介護のほか、福祉用具のレンタル・販売、介護タクシー、行政委託による地域包括支援センターなど幅広い事業を展開。　「コープあいちで創る協同組合福祉」の重点政策では、すべての事業を福祉的視点で再整理して事業間の連携（生活総合協同事業）を強め、生協の総合力を発揮。地域のくらしを支えるネットワークづくりや人材育成などに努めていく。
　富山医療生協は90年代初頭の長期計画で、老健施設・特養などの入所施設づくりを社会福祉法人「とやま虹の会」（事業高約13億円）で進め、居宅介護の総合センターづくりを医療生協で分担して行うことを決定。利用量・事業収入とも成長を続け、黒字基調を保っている。

コープあきた＝宅配の県南支部を新築移転　規模２倍の新センター稼働

　コープあきたは、共同購入の宅配センターで県南部をエリアとする県南支部を新築・移転し、横手市金沢中野区に規模２倍となる新センターを９月20日から稼働する。　組合員の増加により現センターが手狭となったたためで、これまで秋田市から配送していた一部地域のルートを集約。　新センターは平屋建てで、延べ床面積が約９００平方㍍と旧センターの２倍。冷凍室・冷蔵室のスペースも約３倍となり、トラックの積み下ろしスペースを５台分から12台分に増やした。　移転を契機に、これまで中央支部（秋田市）が担当していた大仙市の一部と仙北市への配送を集約。新センターの稼働により、２０１０年度の県南支部管内の組合員は前年度比21％増の６０００人、宅配の売上高は28％増の６億５７００万円を見込む。

みやぎ生協＝宅配水の新工場が稼働　自前生産で収益改善へ

　みやぎ生協は９月27日から、建設中の「コープ富谷共同購入物流センター」の向い側に、『アクアクララ』のブランドで宅配している飲料水の自前工場を稼働する。　これまでは製造会社から宅配水を購入していたが、自前で生産することで収益の改善を図り、利用者は、来年３月末で前年比約２割多い４６００人に増やす。　新工場は平屋建てで、面積約１３７１平方㍍。原水をフィルターでろ過して不純物を取り除き、カルシウムなど４種類のミネラル分を加えた飲料水を製造。　最大１万人分の製造能力を持ち、水は12㍑入りのボトルに詰めて宅配。専用サーバーを使い、温水と冷水が出る。　同生協は、宅配水最大手「アクアクララ」のフランチャイズチェーンとして、２００７年に宅配水事業に参入。　事業は子会社の「コープ総合サービス」が運営し、価格はボトルが１本１２６０円、サーバーのレンタル料が月額１０５０円。

みやぎ生協＝新石巻支部を開設　２市２町にエリア拡大

　みやぎ生協はこのほど、石巻市開成のトゥモロービジネスタウン内に移転した新石巻支部で、開所式と配送トラックの出発式を開催した。　中里にあった旧支部は筑後34年と老朽化したため、４月に新支部を着工。敷地面積５１６２平方㍍、建物面積１１３０平方㍍で旧支部の２倍近い広さとなる。　式典には同生協の齋藤明子理事長と宮本弘専務理事のほか、石巻市長の亀山紘氏や宮城県漁協理事長の阿部力太郎氏が出席し、祝辞を述べた。　新支部は、配送エリアを従来の石巻市・女川町に東松島市・松島町を加えた２市２町に広げ、組合員も９７００人から１万３１５０人へと拡大。配送トラックも６台増やし、32台で全エリアをカバーする。

コープネット＝伊平屋島・美ら島応援プロジェクト　消費拡大へ鍋物用「もずく」

　コープネット事業連合が８月から共同購入と店舗でスタートした沖縄・伊平屋島の「美ら島（ちゅらしま）応援プロジェクト」。　モズク商品の購入を通し、同島の水産強化と生物多様性への取り組みを進める。　８月末に東京で開かれた「全組合員理事交流会」には、伊平屋村の伊礼村長や漁協の西銘福組合長、モズクを製造する「海産物のきむらや」の木村社長が出席。島の環境保護やモズク養殖の現状を説明し、モズク商品の利用を訴えた。

コープさっぽろ＝過疎地域の活性化へ新事業　地域まるごと元気アップ

　「赤平市で地域まるごと元気アップ作戦」―。　コープさっぽろはこのほど、小樽商科大学・北翔大学・赤平市と連携し、高齢化が進む地域で高齢者の運動機能の維持・向上を地域全体で実現できる仕組みを創出する産官学の協働実験プロジェクト「あかびら・地域まるごと元気アッププログラム」を始めた。　店舗のある赤平市内に住む60歳以上の高齢者を対象に健康向上事業をはじめ、過疎地の活性化につながる新たなビジネスモデルの構築をめざす。　８月に市内３カ所で体力測定を実施。10月からは週１回、市立赤平総合病院などで無料参加の運動教室を開く。　体に応じた運動内容の提案や指導は、生涯スポーツ学部のある北翔大学が担当。約４００万円の事業費は両大学とコープさっぽろが負担し、赤平市は会場の提供や保健師の派遣などを行う。　同生協は自らの施設や物流・人材などを活用した新たなソーシャルビジネス開発について、２００８年から小樽商科大ビジネススクールと共同研究を進めており、その発展プロジェクトとしてスタート。赤平市は人口約１万３０００人のうち60歳以上が約６０００人と高齢者の割合が高く、店舗もあることから実施場所に決めた。

ナチュラルコープ＝新たに『八千代牛乳』導入　よつ葉牛乳の賞味期限短縮

　ナチュラルコープ・ヨコハマは９月２週から、よつ葉牛乳が賞味期限を６日に短縮するのに伴い、新たに千葉北部酪農農協が生産する『八千代牛乳（１㍑・紙パック）』の取り扱いを始めた。　同生協では、賞味期限８日で「１週間安心」して飲めるパスチャライズ牛乳の導入について、新規メーカーや高温殺菌牛乳の導入も視野に入れて検討してきたが、これまで低温殺菌牛乳を強く推進してきたことから路線変更はせず、賞味期限の長い低温殺菌牛乳の導入を決めた。　八千代牛乳は栄養をこわさない75℃15秒殺菌の「ＨＴＳＴ法」で生産され、超高温殺菌法（ＵＨＴ）にみられる風味の変化やビタミンの損失、たんぱく質の熱変化を最小限に抑えている。　千葉県の36戸の限定酪農家が生産し、牛一頭ごとの飼料や飼育環境など詳細な情報を同農協のＨＰで公開。非遺伝子組み換え穀物や収穫後に農薬散布のないトウモロコシを使った指定配合飼料で乳牛を育てている。

ドゥコープ＝県産米『彩のかがやき』販売　産地の“耕畜連携”で栽培

　ドゥコープは10月25日―29日、環境保全型農業に取り組む若手生産者グループ「埼玉産直ネットワーク」が生産したお米『彩のかがやき』を供給する。価格は５㌔㌘で１７８０円。　埼玉産直ネットワークは、「安全・安心なお米を県内でつくってほしい」「生きものにやさしい米づくりを県内で」という同生協組合員の要望を受け、２００７年から『彩のかがやき』の栽培を始めた。　慣行栽培による米づくりから始め、２年目以降、種の温湯消毒や鶏ふん活用などに取り組み、化学合成農薬・化学肥料の使用を慣行栽培の半分以下に削減することに成功。　肥料の鶏ふんは、深谷市にある同生協のたまご産直産地「タカハシ養鶏場」から調達し、耕作農家と畜産農家が協力し合う「耕畜連携」の取り組みを県内で進めている。

コープ九州＝青果『しんせん便』開始　収穫の翌日に組合員宅へ

　コープ九州事業連合は９月から、新鮮な野菜などが収穫の翌日に組合員宅に届く農産品の『しんせん便』をスタートした。　取扱生協は、エフコープ・コープさが生協・ララコープ・コープおおいた・生協水光社の５生協。　同月１週には、不揃いオクラ（ＪＡ全農ふくれん）とイチジク（ＪＡ筑前あさくら）、３週には、きゅうり（福岡県産）が登場する。　きゅうり産地の一つ、ＪＡ糸島では生産者が早朝、手もぎで１本１本を丁寧に収穫。農産専用の別箱で、冷えすぎず、よりおいしい新鮮なきゅうりを収穫の翌日に届けるという。　この『しんせん便』は６月に新農産加工センターと中温度セットセンターが稼働したことにより、最適温度で加工・仕分け・配送することが可能となり、より新鮮な農産品を提供できるようになった。

コープネット＝産地支援の第３弾商品　長野産果物セット登場

　コープネットは、宅配「コープデリ」のインターネット注文サイトで、規格幅を広げた長野県産果物をセットにした『産地支援くだものセット～信濃からの便り』を発売した。　長野産のリンゴやモモ、ナシ、プルーン、ぶどうなどから２品目以上を１セットにし、価格は税込み５００円。１週間に２６７０セットの数量限定で10月29日まで販売。　コープにいがたは独自取り組みとして、新潟県産の果物を中心とした『産地支援くだものセット』を販売。今シーズン、果物産地の長野県では春の異常気象や天候不順の影響で、通常より小さいものや表面にキズが入ったものなど、食味には問題がないのに通常販売が難しい果物が多く発生している。

エフコープ＝利用結集の第３弾『Ｆこんにゃく』

　エフコープが、毎月第２週に実施している指定商品を対象にした利用結集の取り組み。　９月の対象商品はＰＢ『Ｆこんにゃく』で、価格は１１８円。６０００点以上の利用でカタログ表示価格よりさらに10円値引きする。　８月は、鮮鼓堂の『辛子明太子切子（徳用）』で実施し、７９１８点（目標２５００点）の利用があり、50円値引きを実現できた。

神奈川生協連・60周年記念事業＝松沢県知事が講演　先進的な条例や農業への取り組みなどを説明

神奈川生協連・60周年記念事業＝松沢県知事が講演　「先進・協働力」が“神奈川力”

神奈川県生協連は９月２日、創立60周年記念事業として松沢成文県知事の講演会を開催。　松沢知事は「明日の神奈川を語る」と題して講演し、「受動喫煙防止条例」など全国をリードする先進的な条例や「コミュニティ農業」への取り組みなどを説明。神奈川県の特徴を「先進力と協同力」とし、新たな価値創造への協力を訴えた。

日本生協連＝コープ化粧品　容器をチューブタイプにリニューアル
「カバー力」「化粧持ち」向上

　日本生協連は９月から、“大人の本格メイク”をコンセプトとしたコープ化粧品シリーズ「ＲＢ」から、秋冬の季節に乾燥が気になる人にお薦めの『ＲＢクリーミィファンデーション』をリニューアル発売した。　年齢を重ねるとともに肌が乾燥気味になり、ファンデーションの「のり」も悪くなりがちな40代・50代の女性向けに、高い保湿力を持つクリームタイプのファンデーションとして開発。　リニューアルでは商品の設計段階から試作品の使用テスト、容器デザインに至るまで、延べ８７８名の会員生協組合員が協力。ユーザーの意見や要望を反映し、従来品の〝のびのよさ〟などはそのままに、〝カバー力〟や〝化粧持ち〟などファンデーションとしての基本性能を向上させたほか、要望の多い紫外線防止効果も向上。容器を従来のガラス素材のジャータイプから、衛生的で使いやすいチューブタイプに変更した。

消費者機構日本＝初の差し止め訴訟　三井ホームエステートを提訴

　消費者機構日本（略称ＣＯＪ）は９月６日、不動産賃貸業者・三井ホームエステートに対し、賃貸借契約条項の差し止め請求訴訟を東京地方裁判所に提起した。ＣＯＪでは初の訴訟となる。　同社はアパートやマンションなどの賃貸借契約を提締・合意更新する際に、賃借人の過剰な負担を強いる条項を定めており、この間の裁判外の申し入れでも改善への誠意がみられないことから提訴に踏み切った。　訴訟内容は、賃借人に責任がない修繕費用の負担や更新料の支払いに関する合意、通常損耗などの原状回復費用を賃借人負担とすることなどは、消費者契約法に違反し無効であるとするもの。　今回のＣＯＪによる提訴で、全国の「適格消費者団体」による訴訟は11件目となる。

ＣＯＪがアピール＝集合訴訟制度の早期創設を　消費者庁が４モデル案提示

　昨年11月、消費者庁に発足した集団的消費者被害の救済制度に関する研究会。同会にオブザーバーとして参加した消費者機構日本（略称・ＣＯＪ）は、８月26日に提案された同会の最終報告書を踏まえ、「集団的消費者被害救済制度」の早期創設を求めるアピール文をまとめた。制度の具体化を速やかに進め、２０１２年の通常国会への法案上程を求めている。　報告書では、「より多くの消費者の救済となり、効率的な訴訟運営が可能な制度として、新たな集合訴訟制度を検討すべきである」、「集合訴訟制度の創設によってもなお、民事訴訟での信頼回復が困難な累計について、行政による経済的不利益賦課制度および保全制度としてどのようなものが必要か検討すべきである」と、今後の方向が明示された。（以下本紙）

グリーンコープ連合・共同体＝新住所に移転

　グリーンコープ（ＧＣ）連合と共同体は９月13日から、事務所を移転し業務を開始した。　新住所は、福岡市博多区博多駅前１―５―１　カーニープレイス博多。　ＧＣ共同体・総務部の電話番号は、０９２―４８１―５７１５に変更。連合は変更なし。

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パルシステム東京＝狛江センターで見学会　調理室・保育室を完備

　パルシステム東京はこのほど、組合員の子ども向けに夏休みの自由研究を兼ねた「狛江センター」の見学会を開催。見学後に『こんせん牛乳』のパックで電車をつくる工作イベントも実施した。　同センターは小田急線・狛江駅から徒歩20分の距離にある７月にオープンしたばかりの新センターで、見学会には予想を上回る40名近くが参加。生協が創立40周年を迎えたことから、組合員が商品の試食会などを行う調理室や保育用のキッズルームを新たに設置した。　配送エリアは狛江市のほか、調布市・世田谷の一部。カタログの帳合室や冷凍・冷蔵庫を備え、組合員１万３０００人が毎週利用する商品の配送を38台のトラックでカバーする。　同生協は17の配送センターをもち、全部で約７００台の配送トラックが稼働。狛江センターのほか、近隣の府中・世田谷・東村山・三鷹の各センターでも同様の企画が行われた。

パルシステム山梨―「フードドライブ」に協力　余剰食品をＮＰＯへ寄付

　パルシステム山梨はこのほど、フードバンク山梨が行った「フードドライブ―誰もがわかちあえる社会のために」に協力し、家庭での余剰食品を同バンクに寄付した。　役職員の家庭で提供できる食品を事業所（本部・甲府センター・いちのみやセンター、富士五湖センター）に持ち寄り、山梨ボランティア・ＮＰＯセンターを通じて同バンクに寄付。　食品は、めん類や調味料、缶詰、レトルト食品、飲み物、乾物、穀物、菓子類など幅広い食品が集まった。　提供された食品は、炊き出し用のほか、生活困窮者や児童養護施設、母子家庭・高齢者、外国人支援団体などに無償で届けられる。

コープ洗剤で環境団体応援―コープこうべが寄付

　コープこうべは９月１日―10月20日、洗剤メーカー・コープクリーンの協賛を得て、県内の環境団体を支援する『洗剤でプチ貢献！キャンペーン』を実施。　期間中にコープ洗剤の『ＣＯ・ＯＰセフター』シリーズなど18アイテムを購入すると、商品１点につき２円を同生協から「公益信託コープこうべ環境基金」に寄付し、県内の自然公園や自然環境保護区域内で環境保護の実践・啓発活動を行う団体などを応援する。　対象商品は、日本生協連の洗剤『ＣＯ・ＯＰセフター』と液体セフターの各種、『ＣＯ・ＯＰあおぞら』など６種類。

「青空市場」が初の地方進出―新潟総合生協が出展

　東京で人気の「青空市場実行委員会」主催のマルシェがこのほど、新潟県の上古町商店街で開催され、新潟県総合生協が宅配の「ＫｕｒｕＣｏ（クルコ）ブース」を出展し、地産地消と食の安全の取り組みをアピールした。　青空市場は俳優の永島敏行氏が代表を務め、地方都市では新潟県が初の開催となる。　同生協ではクルコ商品のコーナーを設け、生産者協議会による幸水ナシや普通の炊飯器で炊ける玄米（新潟産コシヒカリ）、茶豆、巨峰など産直農産品の試食・販売を行った。また、地元のフランス料理店「オーベルジュ古町」とタイアップし、ＫｕｒｕＣｏの食材を使用した「青空市場１日限定メニュー」を店内で提供した。

農水省がシンポジウム＝環境保全型農業の効果　指標に“天敵”の多様性

　農林水産省は９月３日、「環境保全型農業の取り組みの効果を計る」と題したシンポジウムを開催した。農業環境技術研究所・農業生物資源研究所と共催。　同省では平成20年度から、生物多様性に対する関連施策の効果を定量的に把握でき、しかも現場レベルで活用できる生物多様性の指標や評価手法を開発する研究プロジェクトを実施。その研究成果や農業現場での活用事例などを紹介し、関係者と意見交換する場として企画された。　九州大学農学部准教授の上野高敏氏は、農地に棲息する天敵や送粉者など農業にとって有益な生物の多様性に着目。　中長期的な視点でみると、害虫防除に役立つ特定の天敵種だけが大事なのではなく、天敵の多様性が持続的農生産を実現するには重要であることを指摘。この指標種が多い農地は全体の生物多様性が高く、農薬の使用量も少ないなど、農地の環境保全度を計る「家庭用ヘルスメーター」として活用できるという。　また、現場での取り組み例として、静岡県農林技術研究所・果樹技術研究センターの金子修治氏が、柑橘のテントウムシ類を中心とした指標生物（天敵）の活用などについて報告した。

１億円の札束ってどんな感じ？

１億円の札束ってどんな感じ？―神奈川で消費者展

　消費者会議かながわ主催の「消費者のための消費者展」が開催され、司法書士会が模擬紙幣を使った「１億円の札束ってどんな感じ！」という体験コーナーを設置。　実際に持ってみて１億円の重さを実感し、①生まれたばかりの赤ちゃん②米１袋（10㌔㌘）③コンクリートブロック―などと比べると、どの重さに相当するかといったクイズも実施。　イベントコーナーでは夢見亭わっぱ氏による悪質商法をテーマとした落語、「消費者被害をなくそう会」による同様の紙芝居や歌などが行われ、生協ではコープかながわとパルシステム神奈川ゆめコープもパネル展示を行い、エコ活動や産地と協力した食と農の取り組みなどを紹介した。

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【調味料】

フーズ・デザイン＝食の女性コンサルが商品化　真あじ“魚醤”配合の調味料提案

　忙しい主婦の手助けになる、美味しく仕上がる調味料を提供したい―。
　食品の企画、開発、製造・販売までを手懸ける食品コンサルタント会社のフーズ・デザインファクトリー（本社・熊本市）は、“真あじ魚醤”を配合した和風料理万能型調味料「濃縮　玉枝ばあちゃんの八方だし」の販売提案に乗り出す。　同・調味料は、食品全般のコンサルタント業務を長年行なってきた同社・山木ゆかり社長が、これまでに蓄積してきた企画開発ノウハウを基に、主婦の感覚で商品化した自信の逸品。　開発起点は、①多く市販されている調味料の中で選択に迷わない美味しく仕上がる調味料②どんな和風料理にもマッチし、味付けに迷わない③調理時間が少ない忙しい主婦に重宝する調味料―などが理由。主婦を中心に試食をしてもらったところ、高い評価を得たことからＨＡＣＣＰ手法を取り入れた委託メーカーで製造し、本格販売に乗り出すことになった。　提案の「濃縮　玉枝ばあちゃんの八方だし」は、真あじ（国産）を発酵・熟成させた旨み成分のアミノ酸・ペプチドを隠し味として配合した。濃厚な旨み成分と濃縮調味料によって低塩分も実現。　原材料は、真あじ魚醤のほか、醤油、かつお・昆布エキス、酵母エキスなどで化学調味料は使用していない。素材の旨みを引き出しながらプロ級の味へ調えていくので和風料理には手放せない１品との評価。　商品名の「玉枝ばあちゃん…」は、料理上手で商品化にも参加し“お墨付き”をもらった母親の名前。ラベルには「忙しい主婦ほど重宝する簡単だけど美味しい料理がすぐできる秘密の調味料」を明記し、選択的な購入を喚起している。

あみ印食品工業＝「塩中華スープ　チキン風味」提案　家庭で手軽に“プロの味”

　「炒飯の素」で知られるあみ印食品工業（本社・東京都北区）は、新商品の「塩中華スープ　チキン風味」（１８０ml）の販売提案に乗り出す。　まろやかな赤穂の天塩をベースに、チキンの風味をしっかり効かせた中華調味料。玉ねぎとニンニクの隠し味を加え、飽きのこないコクのある味を引き出した。　ラーメンには、大さじ２杯を熱湯３００㍉㍑に混ぜ、茹でた生麺（約１２０ｇ）を入れて、好みの具材を入れれば“本格塩ラーメン”ができる。　野菜炒めは、野菜がおおむね炒めあがったところで、大さじ１杯を加えて、軽く炒めれば中華店の味に仕上がる。　生協には、「炒飯の素」（６ｇ×６袋）をみやぎ生協やコープネットなどへ、「冷やし中華ストレートスープ」（１０００ml）をコープネットへ納入。新商品の「塩中華スープ　チキン風味」も、これら納入実績のある生協を中心に販売提案していく。

【わかめ加工品】

ジャパンスパイス＝「わかめご飯の素」販売強化　麻布タカノとの連携で

　ジャパンスパイス（本社・埼玉県鴻巣市）は、「国産カットわかめ」（１００ｇ）に次ぐ生協市場でのヒットを目指し「国産鮭わかめご飯の素」（50ｇ、２００ｇ）、「三陸産わかめご飯の素」（同）、「鳴門産混ぜ込みわかめ」（２５０ｇ）の提案を強化する。　３品は、良質のわかめを塩、砂糖、酵母エキス、発酵調味料などで味付けした商品。３品とも、炊き上がったご飯１合に対して約５㌘振り掛け、約３分蒸らして混ぜ合わせれば風味豊かなわかめご飯ができる。　現在、わかめごはんの素２品はユーコープ、混ぜ込みわかめはコープＣＳネットなどへ納入。今後は生協市場の販売代理店である麻布タカノ（本社・東京都港区）と連携し、「国産カットわかめ」で納入実績のある生協を中心に積極的に提案していく。　同社が所属するジャパングループは、全国各地に販売ネットワークを構築。日本有数の海産物の産地、三陸・鳴門から良質の海産物を仕入れ、また中国・大連、煙台、青島といった特定産地でも原料を確保し、埼玉・鴻巣工場で製造・販売している。　取扱商品は、乾燥カットわかめを中心とした海藻を軸に、海藻粉末、切り干し大根、阿蘇高菜フレークなどの乾燥食品、香辛料、スープ、発酵調味料など多種多彩。販路は、これまで中心だった問屋や食品加工メーカーヘの卸に加え、ここ数年は市販品の販売も強化しており、生協での売り上げを着実に伸ばしている。

【ビスケット・あんドーナツ・紅茶飲料】

麻布タカノ＝オリジナルビスケット、ジンジャヤー紅茶など人気上昇　未納入生協へ積極提案

　麻布タカノ（本社・東京都港区）が販売している「ロータスオリジナルカラメルビスケット」（50枚＝３１２・５ｇ）、「国産カットわかめ」（１００ｇ）、「麻布紅茶ジンジャーティーバッグ50ＴＢ」（が取り扱い生協で好調なことから今後、未納入の生協に積極的に提案をしていく。　「ロータスオリジナルカラメルビスケット」は、“お菓子の国”ベルギーで60余年の歴史を持つロータス社の製品。パリッとした口当たりとほどよい甘さで、シナモンの香りがある。コーヒー、紅茶にもよく合う一品。　現在、コープネット、ユーコープ、東北サンネットの宅配企画で採用され、コープネットでは、掲載スペースによってバラつきはあるものの、毎回２０００～４０００袋と安定した注文数となっている。　「国産カットわかめ」は、ジャパンスパイス（本社・埼玉県鴻巣市）製の乾燥わかめ。鳴門産を中心とした国産の良質なわかめを使いやすい大きさにカットした１袋・１００㌘の業務用サイズ。１袋で約50杯分の味噌汁に使用できる。　全国の事業連合・大手生協で取り扱いが拡大しており、コープネットの「ぐるめぐり」で毎回４０００～５０００袋、コープさっぽろとユーコープでは４週サイクルで企画され、コープさっぽろで約１５００袋、ユーコープで約１２００袋の注文数。　「麻布紅茶ジンジャーティーバッグ50ＴＢ」は、安全・安心をテーマに価格もリーズナブルに設定した“次世代の紅茶ブランド”。スリランカの高地で収穫された紅茶葉に、細かく刻んだ生姜をバランスよく配合。また、紅茶を包む紙には、より安全な無漂白紙を使用した。　現在、コープネット、ユーコープ宅配企画の冬の定番サイクル商品となっており、スポット展開のコープさっぽろ、東北サンネットでも毎回予定数をクリアする人気の商品に育っている。

上野食品＝「しょうが紅茶」コープネット採用　「ワンタッチ梅干」も提案へ

　上野食品（本社・東京都品川区）の「スタンカップ・しょうが紅茶　シナモンブレンド」（２ｇ×10袋）がコープネットの９月４回企画で採用される。今後は、一般市場や通販で人気のフリーズドライ商品「同ワンタッチ梅干」（50ｇ）とともに、全国の生協へ提案を強化する。　「しょうが紅茶」は、国産生姜を使った生姜紅茶にシナモンを加え、風味豊かに仕上げた。２００８年までは中国産生姜を使った製品をコープネットで展開していたが、中国製冷凍ギョーザ事件の影響により一旦販売を休止。同年末に国産生姜に切り替え、再採用となった。　「ワンタッチ梅干」は、紀州の南紅梅をフリーズドライにした無添加無着色の商品。生に換算すると４００㌘に相当し、使い勝手が良い人気商品で、おにぎりをはじめ、巻きずし、サラダ、ピザなどへのトッピングのほか、チューハイにも利用できる。　同社は、カップみそ汁、電子レンジ用陶器釜めしセット、「黒糖クエン酸の力」（ドリンク）を国内で初めて開発し、全国の弁当チェーン、通販会社、高速道路の売店などで販売。食品業界では“ユニークな会社”として知られている。　現在は、上記商品のほか、生味噌、即席スープ、惣菜、各種レトルト製品、釜めし具材、乾麺、緑茶、ウーロン茶などの企画・開発・製造も行い、「スタンカップ」ブランドで問屋、百貨店、スーパー、外食産業、通販会社などで販売。生協へは、風味と舌ざわりがよく、茹で時間わずか約３分の「みちのく山形そばそうめん」（１５０ｇ×３束）を約15年前からコープネットへ納入している。

こまつ製菓＝「あんドーナツ」３生協で初採用　国産原料使用のほどよい甘さ

　こまつ製菓（本社・東京都練馬区）の「あんドーナツ」が、コープネット９月１回企画に続き、10月に生活クラブと東都生協の宅配企画で採用される。　同社のあんドーナツは、国内産の小麦粉と小豆を使ったほどよい甘さで、植物油脂でカラッと揚げた歯ざわりのよい食感が特徴。コープネット用は40㌘×５個入り、生活クラブ用は20㌘×10個入り、東都生協用は30㌘×８個入りを製造している。　コープネットは今回の商品に先立ち、「砂糖をかけないあんドーナツ（豆乳入り）」（20ｇ×９個）を今春と８月４回で企画。春の企画では１万６０００袋の注文となった。　製造商品は、あんドーナツのほか、栗まんじゅう、チョコレートまんじゅう、酒まんじゅう、蒸しきんつばなどの多彩なまんじゅう類と、きな粉餅、あんころ餅などの餅製品を製造・販売。今夏には、コープネットで「あべ川餅」（８個入り）が販売され、好評だった。

ドール＝クリーミーな甘さの“スイーツ野菜”　「真珠とうもろこし」発売解禁

　ドール（本社・東京都千代田区）はこのほど、２０１０ミス・ユニバース日本代表・板井麻衣子さん、最年少演歌歌手・さくらまやさんをゲストに迎え、白いとうもろこし「真珠もろこし」（１本約３００円、希望小売価格１９８～２９８円）の発売解禁イベントを行った。　「真珠もろこし」は、北海道・日高の「Ｉ　Ｌｏｖｅ　ファーム日胆」で栽培した、白い実とクリーミーな甘さが特徴。昨年は、デパート、スーパーマーケットを中心に期間限定で発売し、予定数を完売した。　イベントでは、両者が「真珠もろこし」の皮むきに挑戦した後、試食。板井さんが「思った以上に心地よい甘さが口に広がる」、さくらさんが「粒の皮が柔らかくて薄くて食べやすかった。ほどよい甘さで美味しい」と感想を述べ、“スイーツ野菜”と例えられる「真珠もろこし」の美味しさに感激していた。　今年は、デパート、スーパーに加え、同社ホームページ内の「真珠もろこし」特設サイトとフリーダイヤル（０１２０―１３―０６５４、受付時間９～21時）でも販売。２５０万本の売り上げを見込んでいる。　出荷は10月上旬まで（予定）。

■企業レポート

―埼玉養蜂　「蜂蜜」柱に100年の歴史」―
「南半球」シリーズ生協へ納入
今後、新製品も積極提案

　埼玉養蜂（本社・埼玉県鴻巣市）は、ことし創業１０２年を迎える老舗蜂蜜メーカー。現在は、ローヤルゼリー、プロポリス、食用花粉など多彩な商品を展開する一方、子どもを対象とした無料の体験学習を開催するなどＣＳＲ（企業の社会的責任）にも積極的に取り組んでいる。今後も、「安全・安心な製品の提供とサービスを通して、お客様の健康づくりに貢献していく」意向だ。（以下本紙）

■納入企業に聞く

―ピックルスコーポレーション　代表取締役社長・荻野芳朗氏―
「ご飯がススム」売り上げ牽引
販路拡大で２ケタの増収

　景気悪化による販売不振に悩む企業が多い中、ピックルスコーポレーション（本社・埼玉県所沢市）の売り上げが好調だ。上半期の決算状況、生協取り組みの現況、中長期計画などを荻野芳朗社長に聞いた。（以下本紙）

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酒井産業＝「木育」教材前面に展示会 (幼稚園の木育で使われている「ロボ木ー」)

酒井産業＝「木育」教材前面に展示会　全国１５０社・800品を展示

　酒井産業（本社・長野県塩尻市・酒井寬社長）は９～10日の２日間、東京・池袋で「親も学ぼう『すくすく木育』」をメインテーマに展示会を開催した。
　11回目を迎えた今回は、「木育」に欠かせない学校・幼稚園用教材約１５０品目をはじめ、箸・お椀・まな板などの家庭用品、玩具、インテリア家具、園芸用品など、全国約１５０社の８２１品を展示。生協バイヤーや取引各社に披露した。
　木育とは、幼児期から木との関わりを深め、豊かな暮らしづくり、社会づくり、森づくりに貢献する市民の育成を目指す活動。農水省、林野庁、ＮＰＯ法人活木活木（いきいき）森ネットワーク、木工教育の専門家らが連携し普及に取り組んでおり、同社はそこで木育に必要な教材の開発を担っている。
　酒井社長は、「自然や森に触れることで、元気で生き生きした、社会的に順応性のある子に育ってほしい。また、間伐材を使った教材が増えれば、森林が活性化しＣＯ２削減効果による地球温暖化防止にもつながり、さらには全国の生産者の繁栄にもつながる」と力を込める。
　今後、木育に関連する教材については教育現場での本格的な導入に備え、３００品目まで拡大したいとしている。
　なお、同社は現在、家庭用と業務用各１５００品目を展開。売り上げの約８割を生協が占めており、ヒノキでつくったまな板や角箸、漆椀、飯切やこどもの日、クリスマス、正月シーズンの玩具など、数多くのヒット商品を生み出している。

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■物流特集―4面～10面■

【4面】

シーエックスカーゴ・西村修一社長に聞く

再編で最適化のインフラ構築　3事業連合の新・センターで共同事業
集約化推進で効率運営を一層強化

　全国の生協物流センターで共同事業を推進している日本生協連の物流子会社、シーエックスカーゴ。物流センターは年々拡大し、盤石化しているものの取り巻く厳しい経済環境とデフレ進行の中で物流コスト削減など求められる課題は多くなっている。主導的役割を担い、最適物流の構築に余念がないシーエックスカーゴ・代表取締役社長・西村修一氏に今後の新・物流センターにおける共同事業計画や最適物流への取り組みなどについて聞いた。
（インタビュー内容本紙）

【5面】

事業連合　物流事業計画と取り組み

東北サンネット・コープネット・パルシステム・ユーコープ・コープＣＳネット・コープきんき・コープ北陸・東海コープ・コープ九州・コープ自然派・グリーンコープ

・物流投資計画予算2010年度
・物流投資計画概要
・店舗事業計画・物流取組
・無店舗事業計画・物流取組
・冷凍・チルドの物流取組
・今後の課題
（内容本紙）

【6面】

緊急アンケートー「宅配車輛“駐禁”対応と提案」

　駐車禁止の法令強化から宅配車両の駐車違反が都内を中心とした中・高層マンションで多発してきた。現在は２人乗車によって違反件数は減ってきたものの２人乗車による“負の経費”は、宅配企業に重くのし掛かってきている。生協パートナーの宅配企業を対象に駐車禁止強化の指摘点、ならびに駐車違反への対応、生協への提案事項などについて無記名・緊急アンケートを実施した。

〔アンケート項目〕
・現状の駐車禁止法令をどう感じているか
・先行きの事業環境をどう捉えているか
・駐車違反多発エリア
・２人乗車・車両台数
・助手席の雇用者
・駐車違反金の年間支払い金額
・助手者全体の年間経費
・生協への要望
（回答は本紙）

【6面】

〔ＮＥＷＳ・ＦＬＡＳＨ〕

オークラ輸送機＝中国に生産工場を開設　ロボット、コンベヤ生産

　物流システムメーカーのオークラ輸送機は、中国・浙江省嘉興市に物流ロボットや昇降式コンベヤを中心とした生産工場を開設する。加速する中国市場の物流機器需要拡大を見据えたもので、11月の稼働を予定している。　同社はこれまで、中国の販売拠点として「上海大庫機械」を２００４年７月に設立し、需要開拓に取り組んできた。設備については、自社製品だけでなく現地に進出している欧米企業やローカル企業からも調達し、納入してきた。　今回、中国に生産工場を開設することになったのは、急激な経済成長にともなう人手不足や最低賃金の上昇化をはじめ、物流機器による省力化・省人化ニーズの拡大が予想されるため。現地生産を行なえば、需要を確実に取り込んでいけると判断し生産工場の開設に踏み切った。　工場を開設する嘉興市は、上海に隣接した都市で、上海市、江蘇省、浙江省の交差点に位置し、地理的条件に優れている。今年３月には、国家級経済技術開発区にも昇格し、様々な企業の進出が見込まれている。　生産工場は、子会社のオークラサービス１００％の出資会社「大庫機械（嘉興）有限公司」として設立。開発区にある約３０００平方㍍の既設工場を確保し、当面需要が見込める物流ロボットや昇降式コンベヤを中心としたシステムの生産からスタートする。投資規模は約３億円。初年度10億円の売上げを目指す。

ＩＨＩ＝鳥栖冷凍センター設備を完成　日本生協連からの受注

　ＩＨＩはこのほど、日本生協連から受注した鳥栖冷凍流通センター（佐賀県鳥栖市）の物流設備工事を完成させたと発表した。　センターは延べ床面積約１万９０００平方㍍で、冷凍食品の「入荷」「保管」「搬送」「仕分け」「ピッキング」「出荷」のそれぞれの機能に自動化設備を導入した日本最大規模の最新センター。　マイナス25度Ｃに保たれた環境下でＲＦＩＤシステムを導入し、ピース単位の高速自動仕分けを行なう設備を導入している。　ＩＨＩは、冷凍食品約２万ケース（平均）を一時保管する異種荷姿対応の冷凍ケース自動倉庫「冷凍シャトル＆サーバー」や１時間の処理能力約３万ピースに達する冷凍高速自動仕分け機「冷凍オーダマチック」、冷凍下での仕分けに必要な情報処理設備など物流設備工事一式を担当した。　「鳥栖冷凍流通センター」内では、１月に「コープ九州統一冷凍ＳＣ」と「カタログＳＣ」が稼働している。コープおきなわ、コープみやざきを除く、九州地区の６生協を対象とし、運営は冷凍ＳＣをシーエックスカーゴ（日本生協連・子会社）に、カタログＳＣはトッパン・フォームズに委託している。

【7面】

〔わが社提案の最新物流システム・機器〕

・オークラ輸送機＝集品作業の効率化を強力に支援「ピカトル２」「ピカトル３」

新型集品システム『ピカトルシリーズ』の導入実績が拡大している。ピッキングした商品が自動的にオーダー合わせされる方式の「ピカトル１」に続き、集品箱へ商品を手で投入していく方式の「ピカトル２」と「ピカトル３」も導入実績を伸ばしている。　「ピカトル２」「ピカトル３」は、１アイテム・複数個の集品に対応したデジタルピッキングシステムに代わる“1アイテム１個対応”を基本にした新発想の集品システム。　ＬＥＤ表示器の光の誘導で、光ったところから１個取り、光ったところへ投入するだけの、シンプルな方法を採用している。このため､誰でも簡単に作業が行え、ミスのないスピーディな集品を実現する。

・西部電機＝「アソートブーメラン・システム」

日配品の仕分・詰め合わせ作業の、生産性向上・作業精度向上を目的に開発されたシステム。　このシステムは「ブーメラン」のように、常にひとの手元に「モノ」と「仕事」を搬送する事により、歩く無駄、手待ちのムラを削減でき、従来の仕分けシステムでは解決できなかった課題をクリアにした全く新しい物流ソリューションシステム。

・トーヨーカネツソリュ―ションズ＝「エコロベヤ」　搬送物が流れている部分のみ動作する省エネ型のコンベヤで、ポイントはゾーンコントロールとエコロモータ。高効率の“エコロモータ”をゾーンごとに分散配置し、必要最小限のゾーンだけ駆動。モータによるアキュムレーション（順次整列）が可能となり、圧縮空気は不使用。また、“エコロモータ“は低電圧・小電力で感電の心配が少なく、万が一挟まれてもけがをしにくいため、トータルでの安全レベルが向上。無駄を省いて電力消費量とＣＯ２削減-従来品に比べ最大70％の省エネ効果を発揮し、低騒音。エアコンプレッサ不要で設備投資とランニングコストの低減も可能にした、文字どおりエコロジーなコンベヤ。　「ボイスシステム」　コンピュータからの作業指示を“音声”で聞き、作業結果を作業者の“声”で返す、最先端技術を活用したシステム。　現在のハンディーターミナルが主流の検品、ピッキング作業は、片手がふさがってしまい不便、バーコード入力に時間がかかるなどの問題点がある。「ボイスシステム」はこれらの問題を解決するだけでなく、従来システムで実現できなかった“バーコードや商品番号がない商材の認識”が可能。例えば農産物では、“ニンジン”と、音声入力することで商品を認識、商材増加による語句の追加登録も簡単。アイデア次第でさまざまな用途に使え、生産性向上に大きく貢献する「ボイスシステム」は、今後、さらなる普及が期待されているソリューション。

・岡村製作所＝仕分け・保管・検索機能を搭載　冷凍自動倉庫「ロータリーラック」　同システムは、同社が独自に開発した“多段式独立水平回転棚”を搭載、“超高速”の入出庫を実現した世界初の冷凍自動倉庫。保管・仕分け・検索の３つの機能を合わせもち、さまざまな荷姿の保管物に対応する。マスナス30度までの冷凍倉庫に対応し、少量多品種・高頻度物流に大きな威力を発揮する。　省エネ効果に威力発揮「天井搬送システム「スマートホーク」　同・搬送システムは、シンプル機能のユニットで構成する群管理システムにより、必要とされる搬送能力に合わせたスマートなシステム構築が可能。　蓄電による電源供給の効率化や待機中の消費電力「ゼロ」の実現により省エネルギーに貢献。また、多彩な荷姿に対応し、天井空間を活かした効率のよい搬送ラインを構築できるため、工程間搬送やセル生産への供給や物流センターの搬送ラインなど、さまざまな用途に使用できる。

【8面―9面】

〔最新化を推進宅配・サポート業務〕

・流通サービス＝消費物流に特化した総合物流企業として、昨年10月21日に創立35周年を迎えた。常に「業務品質の向上」に努め、「お客様に満足していただける物流サービスを提供する」ことをモットーに、これまで成長を継続し、特に生協物流では、トータルでの物流業務を担い、週次で約250万人組合員のセット業務、約50万人近い個配組合員への宅配業務を受託。「生協物流の流通サービス」として、「業務品質No.1」を目指すとともに「Ｒｙｕｔｓｕブランド」の確立を図っている。

・アシスト＝個人宅配に特化し、生協組合員サービスの充実を重視し、配送担当社員教育に年間3,000万円投資。　沖縄に研修所を構え全社員が受講。　基本を重視した新人教育から、今後はマネージメント教育を同時に展開し、更なるサービスの充実を図っていく。

・全通＝低温食品および青果などの生鮮品の物流、ならびに生活物流に幅広い経験を有し、専門性の高い知識とノウハウを共有している。
物流センターを管理・運営する経験から、複雑な作業を処理、管理しながら全体の作業の効率化向上にも対応。　また、社会から“道路という仕事場”を借りている代わりに“無事故を返す”という方針の下、「環境」「安全」「品質向上」を３大重点にした取り組みを行っている。

・三協運輸サービス＝生協特化の「C.Navi」システムで宅配効率を推進。合わせ配送や夜間配送も積極的に展開。　計画として、より効率的な宅配を目指し、2010年秋より都市型の新しい宅配体制を準備中。　現在、バージョンアップのナビシステムの開発を進めている。

・カンダコーポレーション＝物流の総合商社カンダコーポレーションは、カンダホールディングス（東証二部）の100%子会社で、物流センター業務を中心に運営。３ＰＬ営業部が生協のセンター業務を中心に運営し、受託エリアは、コープネット事業連合管内の埼玉・千葉・栃木など３カ所。グループ会社では宅配業務として、さいたまコープ、とちぎコープの個配を35台稼働。シーエックスカーゴの基幹物流では終日13台の大型トラックを稼働。　高品質の物流サービスを提供する物流企業として、ダッシュ活動を中心とした品質活動の取り組みが取引先から高い評価を得ている。

・博運社＝豊富な物流ノウハウを保有しており、医薬品、住宅関連設備、食品、日用雑貨という4本柱を核に、九州一円を基盤としながら輸送品質の向上を図ることで、「博運社」にしかできない物流の可能性を拓いていきたい考え。

〔空袋印字機器〕

シンメイ＝低コスト、省資源ラベルレスを実現「ダイレクトサーマルプリンターシステム」

特殊ＦＡ・ＯＡ機器メーカーのシンメイは、商品の空袋に直接印字ができるダイレクトサーマルプリンターシステム『ＣＰＳ―３５０シリーズ』の提案を強化している。　シリーズは必要な時に必要な量（枚数）だけの印字を実現した空袋用電子プリンター。　品名・原材料・賞味期限・バーコードなど必要な内容や情報をパソコンにファイルし、それをフィルムパッーケージ（空袋）に直接電子焼付する。トレイ・加熱殺菌用パウチなど、ほとんどの空袋に直接印字できるためラベルレス、シールレスを実現している。　システムは、本体プリンターに４種類の自動供給装置と３種類のスタッカーから用途に合わせて組み合せを選択できる。　宅配商品の中には、手作り感や差別化、またローコスト化から「ラベル」だけを貼付した簡素な商品も見られるが、同・ダイレクト印字プリンターを使用すれば、手軽に綺麗なパッケージが作れる。また、企画回数や注文予測に応じた枚数をスピーティーに印字できるためコスト削減につながる。少量・多品目生産などの現場では、大きな威力を発揮する。　安全・安心のトレーサビリティーに対応して、バーコードから産地などの流通経路が確認できるＧＰＳ機能が取り付け可能な「ＡＬＳオートラベリングシステム」や「ＣＰＳサーマルプリンター」などもラインナップしている。

〔フォークリフト〕

豊田自動織機＝小型電動フォークリスト「ウォーキー」

0.6t、0.9t積み小型電動フォークリスト「ウォーキー」のモデルチェンジ型の導入提案に乗り出した。　「ウォーキー」は屋内向けの小型フォークリフトで、台車での運搬や手作業での積み下ろしを行なっている現場で幅広く活用でき、作業者の負担軽減、作業の効率化が図れる。またコンパクト設計により、狭い場所や階上でも使用できる。最大積載荷重1t未満のフォークリフトのため、事業者が行なう特別教育のみで使用可能。　モデルチェンジ型は、手になじみやすい樹脂性の新ハンドルを採用し、ボタン配置を見直すことで操作性を向上させた。また、リアオーバーハングを20㎜短縮し、足元スペースを拡大したほか、折たたみ式の乗車ステップ（オプション）の装着により長距離搬送に対応した。非常用スイッチの装備、高容量バッテリーの設置（0.9t、オプション）も可能にした。

【9面】

ロジカル・杉山久資社長に聞く―利用者フォローを積極推進　商品学習、利用促進を実施

　パルシステム連合会の個配の一翼を担っているアシストの子会社・ロジカル（本社・東京都足立区）。下降気味の宅配事業の今後の課題と対応、またパルシステム連合会における個配支援の取り組みなどについて代表取締役社長・杉山久資氏に聞いた。（以下本紙）

パスコ・西日本営業部　山田幸二部長に聞く―効率的な生協宅配システム　ならコープ、コープしがも導入

　独自の地図情報やＧＰＳを活用とした効率的な生協宅配システム「ＬｏｇｉＳＴＡＲ（ロジスター）」を提案している航空測量サービス大手のパスコ（本社・東京都目黒区）。これまで２事業連合と５生協が導入し、効率的な宅配を実現している。今年に導入・稼働させた生協での採用理由などについて、西日本営業部・山田耕司部長に聞いた。（以下本紙）

セベック＝２生協で導入された「廃食油精製装置」

【10面】

セベック・小豆嶋社長に聞く―バイオディーゼル燃料発売へ　２生協「廃食油精製装置」導入で対応

　店舗や家庭から出る廃食油の精製装置「イオシス」シリーズを販売しているセベック（本社・東京都千代田区）は、同・精製装置によるバイオディーゼル燃料の本格販売に乗り出した。今後の計画と廃食油精製装置の導入実績、ならびに精製装置の特徴などについて代表取締役社長・小豆嶋和洋氏に聞いた。（以下本紙）

ＴＫＳＬ＝初の「多目的自動倉庫」提案へ
「保管」「ピッキング」「補充」「仕分け」の４機能を集約

　トーヨーカネツソリューションズ（ＴＫＳＬ、本社・東京都江東区）は『保管』『ピッキング』『補充』『仕分け』の４つの機能を合わせもつ高機能・省スペースを実現した初の自動倉庫システム『マルチシャトル』を開発、10月から本格的な導入提案を開始する。　「マルチシャトル」は物流の効率化と低コスト化を目的に、入出庫処理能力の高度化と順立て機能をもつバッファリングシステムにしたのが大きな特徴。「保管」「ピッキング」「補充」「仕分け」の４つの機能を集約したことで、必要な時に必要な商品を迅速に入出庫するジャストインタイムを実現。　また、従来の同スペースで25％の省スペースを実現し、１時間当たり処理能力も30％アップした。性能も、処理能力と収納効率アップにより１・７倍向上させた。　環境と省エネに対応し、ケースを自動倉庫まで搬送するコンベヤには省エネ型の「エコロベヤ」を採用。ケースが流れている部分のみが作動するコンベヤで、従来方式に比べ、消費電力を最大70％削減する。　従来の自動倉庫の概念を変えた『マルチシャトル』は、「出荷バース、荷さばき場が狭い」「トラックが着いたらすぐに積み込みたい」「カテゴリー仕分けをしたい」「ソータを使用しているので２次仕分けが煩雑」―などの悩み要望に大きな威力的を発揮する。

岡村製作所＝店舗のエネルギー使用量を「見える化」した国内初の「ＳＴＯＲＥＮＡＶＩ（ストアナビ）」

岡村製作所＝店舗の消費電力量がひと目　省エネ促進の監視ナビ提案

　岡村製作所は、店舗向けで国内初の“光水熱消費量を見える化”した『ＳＴＯＲＥＮＡＶＩ（ストアナビ）』を９月１日発売、導入提案に乗り出した。　「ストアナビ」は、センサーで計測した店舗の電力・ガス・水道の消費エネルギーをモニター画面で確認し、無駄な消費量の削減を推進してＣＯ２排出量の低減と適正な店舗消費エネルギー量の創出を目的とした監視システム。　改正省エネ法が４月に施行され、規制対象の企業・店舗が拡大し、運用データの定期報告書とＣＯ２削減のための計画書の提出は必須となっている。「ストアナビ」は、これらの対応から開発した。　「ストアナビ」の計測センサーを分電盤とガス・水道メーターに取り付けることで、水光熱消費量をモニター画面で数値化、グラフ化されるため無駄な電力使用改善ポイントが見えてくる。　タッチパネル式モニターで、消費電力状況は簡単操作で確認できるため、環境意識の共有化と最適環境への対策を推進することができる。またエコ活動推進企業であることをアピールできる。　改正省エネ法に準拠した定期報告書が作成できるソフト（オプション）も用意。

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「駐車違反対応に抜本的対策を」

　都内などを中心とした中・高層マンションへの宅配は、“２人乗車”が通常となった。商品の荷降ろし、厳格なセキュリティ、高層階への宅配によって所用時間が長くなり、駐車違反となるケースが多発したためだ。ところが、実施２年余が過ぎた現在、宅配業者の殆どは２人乗車の年間経費の重さに憂慮し始めている。対策として、シルバー・パートなどを採用して経費節減に努めているものの事業環境は逼迫化の状況下にあると言われる。特に今年は、宅配料金の値下げ要請をした生協もあり、受託の宅配業者は一層厳しい空気に包まれている。荷主（生協）あっての宅配業者であるが、生協パートナーの位置付けから、今後は２人乗車賃金の一部負担などを念頭に置いた相互の最適な宅配環境を創出していくことが必要だ。
　駐車違反多発地区の２人乗車は生協も実施しており、掛かる年間経費は生協も同様の状況下にある。生協も厳しい環境下にあるが、目前の厳しさの感じ方は宅配業者の方が遥かに強いものがあるようだ。今年のはじめ、民社党（現・離党）の元・国交省副大臣の辻本清美氏に駐車禁止の緩和要請に宅配企業８社などが出向いたのは、２人乗車による経費負担はこの先、耐え難くなるという現実的な懸念があったためだ。
　生協の中には、宅配業者による駐車違反２回のうちの一回は、違反料金を補填している生協もある。現実的な対応として高く評価できるが、しかし抜本的な対応策とは言い難い。厳しい環境下であるが、２人乗車の配達エリアをもつ生協は、年間の２人乗車経費と駐車違反料金の一部補填を宅配料金値上げなどによって吸収する体系作りの検討が必要と言える。
　コンプライアンス、ＣＳＲの観点からも、現状の対応では問題含みである。生協が駐車違反料金の一部を負担することは、見方によって生協は駐車違反を是認しているのではないかの懸念も浮上する。予期しない指摘、批判が起こらないうちに、しっかりした対応の体系を構築し、生協パートナーとしての最適な宅配環境を創出してやることが生協本来的な役割だ。年間の補填の形が構築されれば、生協宅配業者は安心して業務を遂行でき、宅配品質の向上にもつながるのではないか。
　生協あっての宅配業者。宅配業者あっての生協宅配。この関係を改めて問い直し、相互の最適な宅配環境を創出していくことが求められる。

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生協流通新聞