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痛みが神経再生に重要な役割10月17日 7時42分
痛みを抑える物質の1つが神経の再生を妨げる働きもしているとする、動物実験による研究結果を名古屋大学などのグループがまとめ、痛みが神経再生に重要な役割を果たしていることを示す結果として注目されています。
研究を行ったのは名古屋大学大学院理学研究科の久本直毅准教授らのグループです。
グループは線虫という小さい生き物で、神経が再生するときに分解される「アナンダミド」という物質に着目しました。
実験の結果、神経を切断しそのままにしておいた線虫ではおよそ65%の神経が再生したのに対して、アナンダミドを与えた線虫ではおよそ25%しか再生しなかったということです。
アナンダミドはヒトでもケガをしたときに分泌され、痛みを和らげる物質で、マリファナに構造が似ているため「脳内マリファナ」とも呼ばれます。
この物質が安全な鎮痛剤への応用が期待されていることから、グループでは、実用化にあたっては神経の再生を妨げないよう、注意が必要だと指摘しています。
久本准教授は「リハビリなどで強い痛みを感じる人は多いが、ヒトでも同様の仕組みがあるとすれば、神経の再生のためには痛みを感じることが重要な可能性がある」と話しています。
この成果は17日発行のイギリスの科学雑誌「ネイチャーコミュニケーションズ」の電子版に掲載されます。
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