スプリント、80億ドルの軍資金でAT&Tとベライゾン脅かす
10月16日(ブルームバーグ):米携帯電話3位、スプリント・ネクステルのダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)は、ソフトバンク による201億ドル(約1兆5800億円)での買収により米携帯電話市場で再び競争に挑むための武器を得る。これが消費者の利益を生む一方、AT&Tとベライゾン・ワイヤレスは課題を突きつけられる可能性がある。
ソフトバンクはスプリント株の70%を取得する買収計画の一環として、ヘッセCEO(58)に軍資金80億ドルを預ける。この資金で同CEOはスプリントの通信網を改善し、最新のスマートフォン(多機能携帯電話)で競い合うとともに、債務削減や企業買収が可能になる。
今回の案件は5年前にCEOに就き、それ以来年間で利益を出していないヘッセ氏にとって転換点となる。同CEOは昨年、米携帯電話市場は2社独占の方向にあると警告を発していた。だが、ソフトバンクによる買収に伴い、同CEOはより規模の大きいライバル会社に挑戦するため、かつてないほどの資金と投資家の支持を手に入れる。
ヘッセCEOは15日の電話会議で、「私のCEO就任以来、どの時点でも当社が持つことがなかった戦略的な選択への道が今回の買収で開かれた」と述べた上で、「スプリントは久々に、業界の発展において主要な役割を担うための強い柔軟性を備える」と語った。
原題:Sprint $8 Billion War Chest Threatens AT&T-VerizonDuopoly: Tech(抜粋)
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更新日時: 2012/10/16 10:33 JST