(cache) 全国の新聞(明治以降発行)の題字３００収集　田辺の民家で見つかる

全国の新聞(明治以降発行)の題字３００収集　田辺の民家で見つかる

　和歌山県田辺市上秋津の民家で、明治～昭和に発行された全国の新聞の題字を集めた資料が見つかった。新聞社の題字が約３００あり、紀伊民報の前身の紀伊新報（１９０９～42年）、紀州民報（46～47年）を含む北海道から沖縄県までの分に加え、日本統治時代の台湾、樺太のほか、満州国、フィリピンなどで発行された新聞の題字もある。

　持ち主の男性は１９１４（大正３）年生まれで、79歳で亡くなった。コインや切手、マッチ箱のラベルなど、趣味でさまざまなものを収集していた。新聞の題字はその一つで、遺族が１カ月ほど前に家の中を整理していて、本棚にあるのを見つけた。台紙に貼ってとじてある。

　田辺では牟婁新報（上屋敷）や牟婁新聞（同）、牟婁報知（同）、田邊新報（片町）、南陽新報（湊）、大日本民報（同）、熊野太陽（中屋敷町）、紀伊半島日日（栄町）、日刊紀州（元町）、田邊夕刊（同）などがある。南紀都新聞（湊）は京都府福知山に支局を置いていたのが分かる。

　１９００（明治33）年の牟婁新報の題字には支局所在地が列記されている。南部町や現すさみ町の周参見村、江住村、串本町、現白浜町の鉛山村、瀬戸村、東富田村、日置村、現田辺市の新庄村、萬呂村、上秋津村、下芳養村、稲成村、中芳養村、三栖村、現上富田町の生馬村、朝来村とあり、各地区に置いていたことが分かる。

　県内では、和歌山市の和歌山新報や紀伊毎日新聞、和歌山實業新聞、和歌山タイムス、新紀州、紀伊朝日新聞、和歌山毎夕新聞、和歌山日日新聞、新宮市の熊野實業新聞、熊野新報、熊野毎日新聞、熊野パック、御坊市の紀南新聞、紀州民衆新聞、紀州毎日もある。

　このほか、上海毎日新聞や樺太の樺太日日新聞、満州国の奉天毎日新聞、奉天新聞、満州新聞、大連新聞、朝鮮半島の朝鮮新聞、朝鮮中央日報、朝鮮中央新聞、京城日報、光州日報、フィリピンのダバオ日日新聞、台湾の台南新報、台湾日日新報などの題字がある。遺族によると、太平洋戦争で兵隊として満州やダバオなどに行ったことはあるが、どうやって集めたものかは分からないという。

　任務断行（東京都）や萬朝報（同）、黄金時代（同）、日本観光新聞（同）、太陽新聞（茨城県土浦市）、新時代（浜松市）、改善新聞（京都市）、大衆新聞（大阪市）、現代世間新聞（同）などといった珍しい新聞の題字もある。

【和歌山県田辺市上秋津で見つかった、各地の新聞の題字を集めたスクラップ】

(2012年10月15日更新)