稲穂食べるクマ撮影“非常に危険 早めの対策を”10月17日 6時1分
クマが里に下りて人を襲う被害が各地で相次ぐなか、長野県栄村で、この秋、野生のクマが水田の稲を食べる姿を捉えた映像が撮影されました。
専門家は「農作物を食べる癖がついたクマは非常に危険で、早めに対策を取る必要がある」と指摘しています。
この映像は、野生動物の生態を観察して人や作物の被害への対策を立てるため、長野県の栄村が住宅に近い水田に小型の赤外線カメラを設置して撮影しました。
このほど回収された映像には、先月6日の午後8時半ごろ、体長が1メートル20センチほどある野生のツキノワグマが水田に現れてあぜ道に座り込み、実った稲穂をゆっくりと食べている様子が鮮明に捉えられています。
2時間余りたって同じ場所で撮影された映像には、体じゅうにもみ殻がついたクマがカメラをのぞき込んだり、臭いをかいだりしている様子が写っています。
長野県内では、今月5日に長野市内の中心部にクマが現れて射殺される騒ぎがあったばかりで、県によりますとクマの目撃情報も去年より大幅に増えているということです。
クマの生態に詳しい長野県環境保全研究所の岸元良輔さんは、「クマが稲を食べることは知られていたが映像で捉えたのは珍しい。エサ不足で代わりに米を食べている可能性がある」と分析しています。
そのうえで「農作物に餌付いてだんだん人に慣れたクマは人の姿に頓着しなくなり、そういう癖がついてしまったクマは非常に危険で、早めに対策を取る必要がある」と指摘しています。
別の日に長野県山ノ内町で撮影された映像には、電気を流して動物を追い払う柵に触れたとみられる子グマが走って逃げ出す姿が捉えられています。
岸元さんは具体的な対策として、「農作物の周りを電気の柵などで守ってクマが寄りつかなくなるようにすることが重要だ」と指摘しています。
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