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北関東の要へ…本庄早稲田駅が始動
2012年10月14日
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駅南側にそびえるカインズ本部 |
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市道が整備されている北側 |
「北関東の要」を目指し、上越新幹線の本庄早稲田駅の周辺で大規模開発が動き出した。大手ホームセンター「カインズ」が今月、本社を群馬県から本庄市に移し、来夏にはショッピングモールが開業する。「職・住・遊・学」を備えた街づくりが実現できるのか、地元では期待と不安が入り交じる。
■カインズ本社が転入/エコタウンも
巨大な駐車場や造成中の空き地が広がる本庄早稲田駅前。9日、カインズは駅南口の真新しい本社ビルで業務を始めた。
5階建ての新本社は延べ床面積約2万7千平方メートル。群馬県高崎市にあった本社の8倍の広さだ。新たに地元を中心に50人を採用し、600人が働いている。各地に分散していた商品開発の拠点を集め、売り場を再現した部屋や、撮影スタジオを設けた。
土屋裕雅社長は「新幹線と関越道の本庄児玉インターから近く、全国各地へのアクセスが容易だ」と説明。これまでは北関東が中心だった店舗を全国に展開するための拠点と位置づける。
駅北口では、大手スーパー「ベイシア」(前橋市)が来夏に大型ショッピングモールを開業する。同社では県内最大級の敷地(約7万6千平方メートル)に、総合スーパーやカインズホームの店舗を設ける。
駅南側に広がる早稲田大学は、太陽光や地中熱などの再生エネルギーを地域の住宅や商業施設で融通しあう「次世代のモデル都市」を研究。これを踏まえ、本庄市や県は駅周辺でエコタウンの取り組みを進める。
土屋社長は「本庄新都心として、5年後には見違えるようになっているだろう」と期待する。
■本庄市「北関東の扇の要に」一方、市民は冷めた声
本庄市にとって駅周辺の開発は長年の課題だった。
一帯の整備計画は1995年にまとまり、2004年には総建設費115億円の3分の1ずつを本庄市と県が負担し、本庄早稲田駅を開業。駅前に「新しい街」をつくろうと、区画整理事業を進め、進出企業の市税の一部を事実上3年間免除する制度も整えた。
トップセールスに奔走し、カインズを誘致した吉田信解市長は「立派な企業の本社は自分の夢だった。北関東の『扇の要』になる」と喜ぶ。現在も数社と交渉中で、住宅建設の追い風になると見込む。
しかし、地元では冷めた見方もある。
駅建設時には「早稲田大の学部が設けられ、学生も人も大勢来る」という期待が広がった。早大や地元企業、個人から十数億円の寄付も集まり、駅名にも「早稲田」が盛り込まれた。
ところが、早大は大学院の「国際情報通信」「環境・エネルギー」の研究科を設けたが学部はない。70代男性は「学生が少ないせいか、地域と大学の一体感は感じられない」と話す。
駅の乗車数は開業以来、1日2千人前後で推移する。マイカーを駅前の駐車場に入れて都内へ通う人が目立ち、本庄市内へ通ってくる人は多くない。「ショッピングモールができても市内の客が集まるだけ」という見方も根強くある。
50代の女性は「新幹線や高速道路を使ってでも訪れたいという魅力ある街をつくり、市外から人を呼び込むことが地域の発展に欠かせない」と話す。
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