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サイゾー 10/13 08:00
先日、フジテレビの人気歌番組『HEY!HEY!HEY!』の年内終了が発表され、大きな話題を集めた。1994年にスタートして以来、20%台の高視聴率を連発することもあったが、近年は1ケタに低迷することが多くなっていた。番組内容も、ナツメロやK-POP特集などさまざまな企画に取り組んだものの、視聴率は全盛時のようには回復しなかった。
『HEY!HEY!HEY!』以外にも、今春スタートしたTBSの音楽バラエティ『火曜曲!』も、視聴率は1ケタを連発、放送開始から25年を超えるテレビ朝日の人気長寿番組『ミュージックステーション』も、近年は苦戦する週が多い。
CDが売れない時代と言われて久しいが、80年代半ば〜終わり頃にかけても、人気歌番組が軒並み苦戦し、リニューアルの末に結局終了するという時期があった。
かつてTBSの看板番組だった『ザ・ベストテン』が終了したのは、89年の9月。86年に『ザ・トップテン』からリニューアルした日本テレビの『歌のトップテン』の終了は90年3月。そして、『夜のヒットスタジオDELUXE』(フジテレビ系)の終了も89年9月(その後は『〜SUPER』として翌年10月まで放送)と、半年の間に昭和の歌謡曲を彩った番組が次々と終了、またはリニューアルしているのである。
ある音楽関係者は言う。
「80年代半ばに大活躍したおニャン子クラブが解散したのが87年ですし、光GENJIが勢いを失っていった時期もちょうどこの頃なんです。ここから、いわゆる"アイドル冬の時代""&"歌番組冬の時代"に突入するわけです」
ここで、2012年9月末の音楽チャートに目を向けてみる。オリコンのシングルCD累積トップ20中、AKB48が3曲、SKE48が2曲、NMB48が3曲と、AKBファミリーだけで8曲を占めている。さらに、嵐が3曲、関ジャニ2曲、キスマイ3曲、NEWSとHey! Say! JUMPが1曲ずつと、ジャニーズ関連の曲が10曲ランクイン。ここ3年ほど、特にその傾向が強まっているが、なんとAKBとジャニーズだけで20曲中18曲を占めてしまうという異常事態ともいえる状況になっている(ちなみに残る2曲はミスチルとEXILE)。言うまでもないが、AKBを手がけるのは、おニャン子の仕掛け人・秋元康である。前出の関係者は言う。
「秋元さんとジャニーズがものすごく売れているのに、その一方で既存の歌番組が壊滅状態になっていく。80年代のあのころと、妙にかぶるんですよね。実際のところ、今のアイドルブームはすでに頭打ち状態。歌番組が苦戦を強いられているというのは、アイドルブームの終焉が近い、ということを意味しているのではないでしょうか」
それだけでなく、音楽業界全体を取り巻く状況は80年代より厳しくなっている。
「確かにアイドルポップは、SMAPやモー娘。のブレイクまでの間、一時期、冬の時代に入ってしまいました。しかし、それと入れ替わるようにバンドブームが起こり、ビーイング系や小室系、アクターズ系が次々大ヒットを飛ばした。カラオケブームもありましたし、景気も手伝って、ミリオンが連発される時代になっていきました。全体で見ると、CDは売れていたんです。しかし今は、AKB やジャニーズに代わるような、何か新しいムーブメントが起こるような気配は全然ないんです」
歌番組の礎を築く音楽業界全体の復調の兆しがなかなか見られない状況では、歌番組を必要とする視聴者も増える気配はない。トークで見せる歌番組として、これまでのものと違う見せ方をしてウケた『HEY!HEY!HEY!』のように、新しいスタイルの音楽番組の登場に期待したいというところか。
※画像はフジテレビ『HEY!HEY!HEY!』
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