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【格闘技】西岡利晃 TKO負け、引退へ2012年10月15日 紙面から
◇世界スーパーバンタム級王座統一戦12回戦【カリフォルニア州カーソン(米国)竹下陽二】西岡引退へ−。WBC世界スーパーバンタム級名誉王者西岡利晃(36)とWBO同級王者ノニト・ドネア(29)=フィリピン=の王座統一戦は、西岡が9回1分54秒、レフェリーストップによるTKO負けに終わった。西岡は現役を退くことが濃厚だ。 9回、ロープを背にしたドネアの懐に、西岡が魅入られるように飛び込んだ。待っていたのは、顔面への右のショートストレート。尻もちをついた西岡は、なんとか立ち上がったものの、フラフラ状態。本田明彦会長に「これ以上、余分なパンチを浴びさせる必要はない」と指示された田中繊大トレーナーがタオルを振ってストップの意思表示。レフェリーが試合を止めた。 1回からドネアの必殺左フックを警戒し、右のガードを上げた。序盤から飛ばすドネアの攻撃を徹底的に防御し、中盤以降に勝負する作戦だった。もくろみはある意味、成功した。手数ではるかに上回るドネアの決定的なパンチを食らうことはなかった。だが、あまりに防御優先の姿勢に、7665人が詰めかけた屋外特設会場に大ブーイングの嵐が吹き荒れた。西岡は「ブーイングは聞こえたけれど関係ない」と、中盤以降の勝負にひたすらかけていたが…。 誤算は中盤以降に現れた。ドネアの圧力が思った以上に強かったのだろう。いざ攻めようとしても、得意の左ストレートを思うように踏み込んで打てなかった。ドネアとの距離は予想以上に遠く感じたようだ。1回から毎回ポイントも取られていて、このままでは判定負けは確実。6回、意を決して勝負に出たところを、左アッパー2発を食ってカウント8のダウン。そして9回、再度勝負に出たところにカウンターの餌食となった。 「最強の男と戦いたい」。今年1月、そう宣言してドネアだけを追いかけてきた。作戦も練りに練ったが、終わってみれば完敗だった。リングでは泣かなかったが、控室に引き揚げる際、日本人ファンの「よくやった」の声に応える顔は、泣いているようにゆがんだ。5度目の挑戦で世界王座を奪取し、その間アキレスけん断裂の大けがを負いながら、不屈の闘志で戦い続けてきた。右目を腫らしながら会見場に現れ「今の気持ちは『悔しい』しかない。今後は…今は分からない」と、ため息交じりに唇をかみしめた。 本田会長は「勝っても(ボクシング人生は)終わりのはずだった。本人も納得していると思う」と明言した。引退が濃厚で、地元・兵庫でボクシングジム経営者として第二の人生をスタートさせることになりそうだ。海外に乗り込んでの大いなる挑戦は、日本ボクシングの歴史に大きな一歩を刻んだことは間違いない。 PR情報
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