リトアニア原発投票 反対多数10月15日 22時12分
バルト3国の1つ、リトアニアで、日本の日立製作所が受注に向けて交渉している新しい原子力発電所の建設の是非を問う国民投票は、原発建設に反対する票が60%を超えて多数を占めることが確実となり、今後、計画が見直される可能性が出ています。
リトアニア政府は、2020年をめどに北部のビサギナスに新しい原発を建設する計画で、現在、日本の日立製作所が受注に向けて優先的に交渉を進めています。
しかし、東京電力福島第一原子力発電所の事故後、国民の間で計画に反対する声が広がり、14日、議会選挙とともに、原発建設の是非を問う国民投票が行われました。
選挙管理委員会によりますと、これまでに全体の98%の開票所で結果が確定し、原発建設に反対する票が64.85%、賛成する票が35.15%と、反対票が多数を占めることが確実となりました。
リトアニアでは、ソビエト時代に建設された原発が3年前に閉鎖された結果、ロシアにエネルギー源の80%を依存する状況になり、これを解消するために政府が、原発の建設計画を進めています。
国民投票の結果に拘束力はありませんが、同時に行われた議会選挙でも、建設計画に慎重な野党が勝利して新しい政権を作る見通しで、今後、計画が見直される可能性が出ています。
リトアニアの国民投票の結果について、原発の受注に向けて交渉している日立製作所電力システム社の久保達哉広報部長は、「有権者の過半数が投票し、かなりの方が原発建設のプロジェクトに反対票を投じられたことは事実として重く受け止めたい。今後、このプロジェクトがどう議論されるのか推移を見守り、原発が必要だという要求があれば、世界で最も安全なプラントを提供したい」と話しています。
[関連リンク] |
|