(2012年10月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ソフトバンクの孫正義社長は、米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収し多額の負債を抱えたことを懸念する投資家の心情に理解を示した。
■「挑戦を避ける」方がリスク
ソフトバンクの株価は201億ドル規模の買収が報道された12日に17%、15日にはさらに5.3%下落して2268円となった。
孫社長は15日、買収が「簡単なことではない」と認め「多くの投資家の気持ちが分かる」と述べた。
だが、孫社長自身は同じ懸念を持ってはいないようだ。手元資金7000億円と1兆5000億円を超える銀行からのつなぎ融資を利用したものの、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)に対する純有利子負債の比率は2.7倍にすぎないと同氏は指摘する。2006年の英ボーダフォン日本法人買収時は5.6倍だった。
それ以来「当社は成熟し非常に慎重になった」と孫社長は話す。同氏は、その後営業利益が7期連続で過去最高を更新したことがそれを示しているという。
むしろ今は「挑戦することを避ける」方がリスクが大きいという。
ソフトバンクが米国で試練に直面するのは確実だ。同社は今回の買収で、国内携帯電話3位から連結売上高810億ドル、契約数9600万件の世界トップクラスの通信企業になる。だが、スプリントの米国での市場シェアは16%と、ベライゾン・ワイヤレスの32%、AT&Tワイヤレスの30%に水をあけられており、買収だけではシェアは高まらない。
孫社長によると、スプリントはソフトバンクによる財務面・戦略面での支援により、競合他社に対抗し米携帯電話市場の再編に重要な役割を果たす能力が高まるという。
■日本の体験を米国で再現
孫社長は「携帯電話大手2社が市場が独占しているということは、挑戦者にかつてないほどの機会があるということだ」とし、市場で独占的地位を占めていたNTTドコモとKDDIに挑戦した際の「日本での体験を米国でも再現できる」と話す。
日本では、最初は弱小企業だったソフトバンクは、長年の業界の慣習を拒み、日本の携帯電話業界を再編することで契約者を取り込んだ。
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