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2007年02月10日
肥料の歴史
小松さんの投稿、「自然が教えてくれる事~無肥料栽培の原理」を読んで、
確かに
、考えてみれば自然界では、いつも当たり前のように植物が旺盛に茂っているなぁ~と不思議に思う
、しばたです。
今、農業をやっているとこれも当たり前のように肥料を施していますが、そもそも人為的に肥料を使うようになったのは、
いつ頃から?どのようにして?
という疑問も湧いてきました。
具体的にいつ頃からは、まだ分かりませんが、それについて記事がありましたので紹介します。
世界大百科事典より
【歴史】[欧米]
いつから肥料が農耕に用いられ始めたかを知ることはできないが,人や動物の糞尿 (ふんによう),動・植物の遺体,食物残藍(ざんさ) を土に施用すると,植物の生育が良好になることは経験的に古くから知られていたと思われる。焼畑農業のように,自然の土壌の肥沃度に依存して植物を栽培している時代には肥料はあまり必要とされなかったであろうが,ある場所に定着して同じ土地で農耕を営むようになると,土壌がしだいにやせるのを防ぎ,失われる養分を補うために経験的に効果の知られていた物質を肥料として土地に施用することに熱心になったであろう。人・畜の糞尿,山野草,草木灰,動植物遺体,あるいはこれらを腐熟させた堆遠肥 (たいきゆうひ) など,自然に得られる資材をいわゆる自給肥料として使用していた。古代ローマ人は前 200 年から後 100 年にかけてすでに輪作,石灰施用,遠肥,緑肥についての知識をもっていたといわれている。さらに農業が発展して,より多くの収量をあげたり,商品性の高い植物が栽培されるようになると,より効果の大きい肥料が求められるようになり,そのような肥料は商品として販売されるようになった。いわゆる販売肥料の普及である。 19 世紀初頭の 1802 年ころには A.von フンボルトによって,南アメリカのペルーで多量の海鳥糞の堆積物が発見され,ペルー・グアノとして輸入され広く販売されるようになった。 30 年ころからは,そのころチリで発見されたチリ硝石の販売,使用が行われている。
一方,植物の栄養になる養分はどのようなものであり,植物はそれを何から得ているかということに関する研究は, 16 世紀からヨーロッパで実験的な研究が進められてきた。しかし植物が無機塩と水を土壌から吸収し,炭素は光合成によって空気から得て生長しているということが明らかになったのは 19 世紀になってからである。すでに 1804 年に植物が光合成によって炭酸ガスを吸収していることはスイスのソシュールNicolas Thレodore de Saussure (1767‐1845) によって証明されていたが,なお植物は炭素その他の養分を土壌中の腐植から得ているという A.D.テーアらの〈腐植説〉が広く一般に信じられていた。
この腐植説に対してドイツのJ.F.von リービヒが,水と炭酸ガスといくつかの無機塩で植物は育つという〈無機栄養説〉を提唱したのは 40 年であった。 60 年にはザックスJulius von Sachs (1832‐97) が水耕法で植物を育て,窒素,リン,カリウム,硫黄,カルシウム,マグネシウム,鉄が必要なことを示した。さらに 20 世紀に入って 1954 年までに,銅,亜鉛,マンガン,ホウ素,モリブデン,塩素などの微量要素の必要性が証明された。
このように,植物が必要とする無機塩類が何であるかが明らかにされると,それを合成して肥料として施用する試みが始められ,人工的な化学肥料の製造と販売が行われるようになった。初め,リービヒはリン酸肥料の製造を試みたが,彼は肥料は土壌に施用されて,水に溶解し流されないようなもののほうがよいと考えたため,その肥料は効果が少なかった。またリービヒは,窒素は植物が空中から固定すると信じていたので,窒素肥料は不要と考えた。
これに対しイギリスのJ.B.ローズは,骨粉やリン鉱石に硫酸を作用させる方法で,水溶性の過リン酸石灰をつくり,その有効性を圃場 (ほじよう) 試験で示し, 1843 年には過リン酸石灰の生産,販売を開始した。また,ローズは有名なロザムステッド農業試験場の圃場試験で,窒素も肥料として必要なことを示した。マメ科植物の根が根粒菌との共生によって空中窒素を固定しているのが,ドイツのヘルリーゲル H.Hellriegel とウィルファルト H.Wilfarth によって証明されたのは 86 年である。 19 世紀末にはチリ硝石の埋蔵が少なくなり,窒素肥料の合成の必要性が叫ばれ,電弧法により硝酸が製造され, 1906 年にはフランク=カロー法による石灰窒素の工業的製造, 13 年にはハーバー=ボッシュ法による合成硫安の工業化が開始された。
カリ肥料は 1856 年にドイツのシュタスフルトでカリ鉱床が発見され, 61 年に塩化カリ工場がそこに設立されて生産を開始している。このころから,化学肥料がしだいに天然の有機質肥料に代わって主流を占めるようになる。そしてすでにこのころから,化学肥料が家畜や人間の健康を損ね,土壌を劣悪化するのではないかと主張する人々もあらわれたが,アメリカ合衆国下院の委員会で〈化学肥料のために人間または家畜の健康に有害な影響が生じたという確固たる証拠はなかった〉という結論も得られた。しかしこの論争は現在も続いている。
80 年代の後半からは施肥の最適な時期,割合,方法,肥料組成など,施肥法に関する研究が盛んになり,元肥や追肥についての知識の集積や,緩効性肥料,硝化抑制剤,複合肥料,液肥,葉面散布剤などの生産をもたらすことになった。
[日本]日本における最初の肥料は苗草 (生草) であって,登呂遺跡から出土した田下駄はこれを踏み込むための農具であったと考えられる。この苗草は,8 世紀の初めころからは,かなり一般的に使われたようであるが,それ以後の基本的な肥料としては,苗草にあたる青草と山野の草木を焼いた肥灰 (こえはい)とが用いられた。 人糞尿は古い時代には用いられた確証がないが, 遠肥は《延喜式》にみられる内膳司の園の蔬菜 (そさい) 栽培に,左右馬寮より出る遠肥が用いられている。しかし一般農民が家畜をもち,それを年中舎飼いして遠肥が重要な肥料となるのは中世に入ってからのことである。
ことに水田肥料の使用が大きな問題となってくるのは,中世の畿内,山陽道に水田二毛作が普及した後で,そこでは山野の草木を青刈りのまま,あるいは遠(うまや) に入れ,あるいは灰に焼いて施したのであった。中世の農業事情を示すといわれる《清良記》が遅効性を中心とした肥料論を展開し,採草給源としての山野の利用問題に言及していることは, 刈敷(かりしき) が当時の主要肥料であったことを示すものである。このような事情は近世になってからも同様で,領主への年貢生産と自給だけを問題とする経営では,やはり上記のような刈敷,遠肥,堆肥,灰が基本肥料であり,人糞尿も補助的に重要視された。
ところが近世における三都 (江戸,大坂,京都) をはじめとする都市の発展は,商業的農業を発達させ,蔬菜や加工原料農産物の販売は,農業外部からの肥料購入を可能にした。購入肥料の中心は油かす類,魚肥 (干陛(ほしか),ニシンかす),人糞尿であった。明治の初年までは,このような状態であったが,中期以後はダイズかすが登場してきて魚肥とともに肥料の中心となり,末期からはさらに化学肥料が用いられるようになってくる。過リン酸石灰を第 1 とし,やがて硫酸アンモニア (硫安) が用いられるようになるが,昭和恐慌後,急速に国内肥料工業が盛んになるまでは輸入品を中心に用いていた。
最終的に大量に生産できるようになった化学肥料の使用は、ドイツをはじめ日本などでも戦時中や戦後の食料不足のときの食料増産には一躍貢献してきました。
一方で、耕地の荒廃など様々な問題も孕んでいます。
今後、永続的な農業生産を行うには、どうしたらいいでしょうか?
追求は続く・・・。
投稿者 takuya : 2007年02月10日 00:00 Tweet
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コメント
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肥料の歴史
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