磁界シミュレーション

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1. 概要

磁界シミュレーションソフトウェアの紹介と説明です。

 

 昔FEMM(Finite Element Method Magnetics)を使って永久磁石を使ったECRイオン源の磁場のシミュレーションをしたことがあります。そのときのメモ程度に記してあります。

私より良く解っている人は多いと思いますのでアドバイスをよろしくお願いいたします。

 「FEMMをECRイオン源の磁場シミュレーションへの応用はすばらしい。そしてFEMMを他の国の言語で紹介することは大変うれしい。David Meeker

 

1. FEMMのダウンロードは以下のページから

Latest version is Version 3.3 (24May03 build)

 

2. 解凍は自己解凍となってますので、下記のアイコンをダブルクリックする。

 

2. 使い方

 ここでは例題を使って説明をいたします。examplesの中にあるax1.femは図2に示すような幾何学的配置がされ、 中心軸rz(0,6)-(0,-3)の周りにコイルが形成されているようになっています。図に示すようにコイルの切断面(黄緑色部分)がFEMMの座標と同じになっています。 ツールバーの

ボタンを押し、各接点のところで右ダブルクリックすると座標の確認が出来ます。 境界面はrz(0,6)-(0,-3)を直径とする球をなし、その間は空気で満たされているものとする。有限要素法解析ではこの境界条件と三角メッシュの細かさが精度を左右することとなる。 ただし無限に大きい境界条件と無限に細かいメッシュの大きさは利用者に判断を委ねる事となる。

コイル

 

空気

 

0,-3

 

0.5,2

 

0.5,1

 

1.5,1

 

1.5,2

 

0, 6

 

図2.ax1.femの幾何学的配置

 

1. File -> Open... でexamplesの中にある「ax1.fem」を開く(図3)。

 実際に使うときはOperationメニューのNode, Segment, Arc Segment,  Block, Group(ツールバーの)でスケッチすることとなる。 グリッドサイズはこれから描く目的の座標の最大公約数とし、グリットにスナップするように設定すると描きやすい。

 CADを使ったことのある人は、CADで実際のスケールで大きな半月の中に正方形を一つ書きdxfファイルでセーブし、File -> Import DXFで読み込むと良い。

 

図3.FEMMでax1.femをオープン

 

 今回のような軸対象の回転体の場合はメニューのProblemを開きAxisymmetricにする(図4)。その場合ウインドウの左側が軸となる(マウスのカーソルを動かすと左下に現在の座標が表示される)。Planarはxy2次元平面図形でz(深さ)はDepthで指定する。Ferquency(Hz)はここでは直流なので0。Solver Precisionは、線形ソルバーが中止する基準を指定します。以下のように線形代数問題で表わすことができる。

  Mx = b

M:正方行列、x:決定される未知のベクトル、b:ベクトル

ソルバーの精度は以下の値が最大になるように決定される。

  | b-Mx | / | b |

デフォルト値は10−8

 

図4.Problem(問題解決のための基本パラメータ)

 

2.各プロパティの設定

 2−1.Material(材質)

  ここで使うMaterialをMaterial Libraryから追加登録する(図5)。例題ではすでに登録されている。

  1. Air(空気)

  2. Coil(コイル)

 

  これら以外にも使いそうなMaterialは登録しておくと良い。例えば

  1. とっても強力なNdFeB 40MGOe

  2. 磁気シールドに使うMu Metal(μメタル)

  3. ポールピースやヨークに使うPure Iron(軟鉄)

  4. ハウジング、カバーに使うAluminium6061-T6、304 Stainless Steel

  5. 電流導入、冷却水配管などに使うCopper

  サマコバやアルニコ5などもあります。

  ここに無いものは登録できますので以下のようにしてください。

 

  1. NEOMAX-44H

  NEOMAXのデータシート(Sumitomo Special Metals America Inc.)

  Create new entry in Libraryボタンを押し、パラメータを入力する(図6)。

    Name = NEOMAX 44H

    B-H Curve = Linear B-H Relationship

    Relative μr = 1.05, μz = 1.05

    φhr = 0[deg], φhz = 0[deg]

    Hc = 1273000[A/m]

    σ = 0.667[MS/m] これは解りません。とりあえず NgFeB 40 MGOeの物を使用。

    Lamination Attribute = Not Laminated

 

  1. 真空

  これは空気と同じですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図5.Materal Library( 使用する材料の登録)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図6.View/Edit + Create(材料の新規登録、編集)

 

 2−2.Boundary(境界)

 境界条件は以下の6つで規定されています。

 

  1. Prescribed A

 規定したA。この種の境界条件で、ベクトルポテンシャルAは与えられた境界に沿って規定されます。パラメータはA0, A1, A2, φ

 Planarの場合

  A = (A0 + A1x + A2y)e

 Axisymmetricの場合

  A = (A0 + A1r + A2z)e

 

  1. Small skin depth

 試料表面のごく浅いところで、十分に高い周波数で渦電流を伴う材料とのインターフェース

<!-- すみません。この先は勉強してからですね -->

  1. Mixed

 Robin or a Neumann boundary condition.

 

  1. Strategic Dual Image

  2. Periodic

  3. Antiperiodic

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コイル(真中の正方形)の4つのノードの1つのプロパティ

 

 

 

 

 

図5.コイルのノードプロパティ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 右側の半円(球)のプロパティ

Arc Segmentを選択し、順番として下のノード、上のノードとクリックする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グリッド表示はCartesian(デカルト座標) または Polar(極座標)

 

Problem Type Coordinates 座標
Planar Cartesian x,y
  Polar x,θ
Axisymmetric Cartesian r,z
  Polar r,θ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2003/07/22 Mail to ando727@jcom.home.ne.jp