高度な知識持つ人物関与か10月15日 22時1分
遠隔操作できるウイルスに感染したパソコンが犯罪を予告する書き込みに悪用され無関係とみられる男性2人が逮捕され、釈放された事件で、このうち警察の捜査で明らかになった大阪の男性のパソコンがウイルスに感染したいきさつや遠隔操作の仕組みなどから高度な知識を持った人物が関わっていた疑いが出ています。
まず、大阪の男性のパソコンがウイルスに感染したいきさつです。大阪市のホームページに無殺別殺人を予告する書き込みが行われる3日前のことし7月26日、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」に、「英単語を覚えるためにタイマーで時間測ってやりたいと思ってます。キーボードでストップスタートができるタイマーはありませんか?」という書き込みがされました。
するとしばらくして、「代行板」と呼ばれる別の掲示板に、タイマー機能のある無料ソフトをダウンロードできるアドレスと共に「これで需要は満たすかな?とりあえずキーボード操作は可能」という書き込みが行われました。
この書き込みと同じ内容が2ちゃんねるにコピーされているのを大阪の男性が見つけ、アドレスをクリックしてソフトをダウンロードした結果ウイルスに感染したとみられています。
こうした一連の書き込みは匿名性の高い海外のサーバーを経由したり、「Tor」と呼ばれる発信元の特定を難しくする特殊なソフトが使われたりしていたということです。
つぎに遠隔操作の仕組みです。
警察によりますと大阪の男性のパソコンはウイルスに感染すると、「2ちゃんねる」とは別の国内のインターネット掲示板に自動的に接続されました。
遠隔操作する人物は、この掲示板に暗号文を打ち込み男性のパソコンから書き込みなどを行うよう指令を出します。
すると男性のパソコンは自動的に接続されたこの掲示板を通じて暗号文を読み取ってしまい、指令どおりに遠隔操作される仕組みになっているということです。
掲示板に暗号文を打ち込む際にも発信元の特定を難しくするソフト「Tor」が使われ、複数の海外のサーバーを経由しているため発信元の追跡は極めて難しいということです。
このウイルスを調査した東京のセキュリティー会社「トレンドマイクロ」によりますと、ウイルスに感染したパソコンが遠隔操作の指令どおりに書き込みを実行すると、「書き込みが終りました」などの文章を日本語で返信させる仕組みで、操作を終えたあとウイルスを削除する機能も備わっていたということで、高度な知識を持った人物が関わっていた疑いが出ています。
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